【事例】私のコンサル力3(Tシャツ販売業編) | PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~

【事例】私のコンサル力3(Tシャツ販売業編)

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2007/9/28に私が講師となって開催したセミナーは大変好評でした。好評だったのは、参加者が希望すればその参加企業のPRアイデイアを蓮香流に解決してあげます、という個別相談をさせてもらったからです。結果、参加企業30社の内、半数に当たる15社をはすか流PRで提案してみました。以下の事例集がそれです。はじめに参加者の課題・現況を10項目程度、箇条書きに書いたものを提出していただいて、私がそれをみてPR回答したものです。立案の途中、一切の質問はしませんでしたので、ひよっとしたら私の理解が間違っているころがあったかもしれません。このように私の特技はクライアントと直接お逢いして詳細なオリエンテーションを受けなくても、課題・現況さえみれぱ、解決のためのPR回答を創造することができます。30年以上の経験がなければ達成できないスキルだと自負しております。


●[課題・現況]----Tシャツ運営業者


[01]

東京錦糸町に本社営業部とショールーム、千葉県印西市に縫製工場、埼玉県八潮市にプリント工場を所有。1935年創業以来72年 一貫してニット繊維製品の製造を行ってきた。本社の立地としては、商業施設モール オリナスと近接していることや、2011年に開業する新東京タワーと同じ地区ということで注目を浴びつつある地域。


[02]

Tシャツの製造は、先代二代目社長が戦後間もなく日本で初めて開始。昨年代表権を交代し、現在は三代目社長・久米信行のもと、「第2創業期」と銘打ち社内改革を実施中。国内工場継続のためメーカーとしてOEM中心だった先代の事業を継承しつつ、近年シェアを取っている低価格の他社海外製と差別化するためエンドユーザーに訴求する新商品を開発中。


[03]

・ジェームス・ディーンなどを彷彿させるレトロな雰囲気のセイ

・ヤングTシャツ(税込1,260円)   

・久米繊維謹製“楽”Tシャツ(税込2,100円)

・久米繊維謹製オーガニックコットンTシャツ(税込3,990円)
・久米繊維謹製“色丸首”(税込11,500円)

・久米繊維謹製ファイヤーファイターモデルTシャツ(税込3,990円)    

・ル・ウイナーTシャツ(税込1,260円/卸売価格税込819円)


[04]

販売チャネルは、先代から続くOEM製品に関しては商社や問屋に卸しているのでその先が把握できず。直営店は現在ECサイト携帯サイト。実店舗は無し。(新東京タワーオープンのタイミングで地元墨田区内にオープンしたいという希望あり)エンドユーザー向けに開発した商品に関しては卸売せずブランドイメージにつながると判断した先のみ。今後は日本製品にこだわった実店舗に置いていただけるよう交渉していく。


[05]

エンドユーザーの客層は40代以上の男性が圧倒的に多く次いで30代男性。他社製・海外製に比べ高価なせいか若い世代の購入は少ない。徐々に久米繊維謹製品を指定して購入くださるかたが増えてきているがまだOEM注文も多数


[06]

購入きっかけについて。オンラインショップは、グーグル検索ヤフー検索ともに主要キーワードではトップランクに位置。  この夏よりA8.netを利用して、アフィリエイト・システムを導入。個人がブログ等を通じてクチコミを起こすきっかけとしたいと考えていたがアフィリエイト経由での取引はあまりまとまっていない。今後はアフィリエイターと密接に関わりTシャツの販売方法を伝えていく必要あり。Tシャツ購入者アンケートでは「品質の良さ」を理由にクチコミくださる場合が多い。昨年末放送されたテレビ朝日「ちい散歩」の反響で「テレビを観て購入」に至った人も多い。


[07]広告宣伝のマス展開はいっさい行わない方針。かわりに広報を充実させマスコミとwebにしぼって展開していく予定。現在は繊維業界紙「繊研新聞」に頻繁にとりあげていただいている。また社長が昨年出版した『ブログ道』の影響からか昨年は日経新聞系に数回、弊社のブログでの取り組みが掲載。その余波で、今年もビジネス誌等からの取材やビジネス・セミナーでの講演の依頼あり。社長の認知度は徐々に上がって来ている。


[08]経営陣と若手社員がそれぞれ違うブログサービスを利用してブログを書き、それぞれが最低でも毎日読者100人できれば500人以上をめざしている。Tシャツのみの記事では訴求力がないので、それぞれが趣味や家族の話なども織り交ぜて書いている。またアーティスト支援のためブログポータルを自社サイト内に持っているがそれぞれ読者を増やしている。最終的には自社サイト販売

ページへの誘導をめざしている。

[09]

悩みとしてはメーカーとして春・夏は生産キャパシティはこれ以上増やせないので、秋・冬の売上を増やす必要を感じている。国産Tシャツ専業メーカーのイ

メージを崩さず展開できる手を模索中。ブランドイメージを上げるため季節外でもTシャツ本体を安売りする価格訴求型のキャンペーン等はいっさい行わない予定。


[10]

ブランディングの方向性としては弊社専務が中心となりブランディングに力を入れているが、カジュアルな商材を高級品として売ることにチャレンジしているため、まだまだ浸透しきれていない感がある。


●(現況から)私のPR回答


【A】Tシャツ専業メーカーによる横断的組織「日本Tシャツ連絡協議会」の設立
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安売りTシャツ屋さんなどとは一線を引くため、国産Tシャツ専業メーカーや小売店が集まって、横断的組織「日本Tシャツ連絡協議会」を立ち上げる。参加企業と連携・協調をはかり、日本のTシャツ文化を全国に啓蒙していく。企画書を作成し会員を募る。三代目社長・久米信行さんを代表世話人とし、ほかの事務局長を選任するなど第一回会合を開催して承認を得る。アドバイザーとして高名なジャーナリストや繊維業界の専門家を置く。Tシャツに関する総合ウエブサイト「Tシャツ百科」を創設し、各種の情報収集や情報提供を行っていく。Tシャツに関するイベントの敢行と共同参加。Tシャツの普及を目指すための書籍「なるほどザ・Tシャツ」を刊行。毎年「7月4日をTシャツの日」と制定。また、加盟店には会員之証と書かれた「Tシャツの形をした看板」を設置し、一般ユーザーからみてTシャツ優良店であることを明示アピール。


【B】Tシャツビジネスにかかわる企業首脳を集めた「日本Tシャツサミット」開催
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綿生産者や生地メーカー、インクメーカー、Tシャツメーカー、デザイナー、販売店など、Tシャツビジネスにかかわるすべての首脳に参加いただき、Tシャツ文化にまつわる環境問題などの社会問題や経済問題、輸出入にかかわる国際問題、さらには、品質上のガイドラインや意匠権などさまざまな課題について意見・調整、マクロ的な立場で会議します。日本のTシャツ文化の興隆を継承するために、周辺業者が一致団結して共通の課題に取り組む。「日本Tシャツ連絡協議会」→「日本Tシャツサミット」→「Tシャツ暮らし学会」へとすすみ、行政(経産省、環境省、文化庁・・)との対応も視野に入れながら活動を拡げていく。


【C】ブログライターの筆記環境支援「ビジネスブロガー倶楽部」の立ち上げ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
本来なら「Tシャツフアッション記者クラブ」を立ち上げたいところですが、Tシャツ限定というのはフィールドが小さく、情報発信もそんなには頻繁でないと思われるので、別の視点で企画する。ビジネス問題のブログを書くライターを中心に、その作業環境にTシャツを推奨して間接的にTシャツ着用を支援していく。どこかのビルかマンションの一室を記者クラブ用に無償提供してくれるオーナーをみつけ、ライターたちはその場所を拠点としてビジネス情報をブログに書いていく。入室の条件はTシャツ姿。ブログ自体はどこの場所でも書いていいのだが、この「ビジネスブロガー倶楽部」にくると、ビジネス関連情報の書籍が豊富にあったり、ビジネス専門のライター仲間が多数いて人脈強化や親睦促進に貢献する。この倶楽部の支援業者は、Tシャツメーカーの他、パソコンや、ビジネス系出版社、コピー機などいろいろ考えられよう。入会費と年会費を支払えば、会員は何回でも無料使用できる。正式に立ち上げることになれば規約なども必要。繊維関係の記者クラブとしては、東京には重工業研究会(重工クラブ)が日本鉄鋼連盟の中に、大阪では大阪市内の綿業会館内に大阪繊維記者クラブがそれぞれありますが、ブロガー専用の記者クラブというのはない。ビジネス関連の記者発表ものは、この「ビジネスブロガー倶楽部」にも資料配布されるように習慣化されるようになれば発表側とライター側の双方のメリットは計り知れない。


【D】PRイベント「Tシャツが似合う有名人2007」を開催
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「ビールが似合う有名人」「ヘアカラーが似合う有名人」「サングラスが似合う有名人」など、この種の「○○が似合う有名人」という企画はマスコミ露出が多いことで知られる。とりわけ一番人気は「ジーンズが似合う有名人は」という、あの「ベストジーニスト」企画だ。なぜか。やはり芸能人への憧れというものが最大のポイント。新聞・雑誌・テレビと各種媒体でこれほど多く取り上げられる企画も珍しい。それぐらいこの企画の中には報道素材として十分な要素が存在しております。ならば、Tシャツこそ芸能人のプライベート私服のナンバーワンと位置づけ、Tシャツの一般大衆への普及を目指すにはこれが一番の近道と思われます。あらかじめTシャツが似合っていそうな芸能人を男女ともにピックアップして、事前パブとしてアンケート公募、寄せられた有名人を集計してランキングを決め、賞金・賞品・賞状などを授与する受賞式にはマスコミを動員する。賞品や賞金など拠出してくれるスポンサーを探しださなければならないが、これだけのマスコミ露出を思えば営業交渉もそんなに難しくはないかも。


【E】参加者も講師もTシャツ着用の勉強会「49会(よんくかい)」の立ち上げ

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49会(よんくかい)という名称にしたのは、毎年4月から9月の6回開催の限定という意味から。寒い冬季はさすがにTシャツルックでは外出できないと思われるため。講師も参加者もスタッフも全員、Tシャツ着用にするのミソ。講師のキャスティングとテーマについてはなんでもいいのではと思います。選びやすいのは、話題の書籍の著者です。著者には本のPRを兼ねて出演していただけば謝礼も少なくて済むかもしれない。テーマもアウトドアやレジャーなどなどTシャツ周辺の講演テーマに固執する必要はない。社会的関心事の高いポピュラーな話題で十分ですが、一応勉強会なのでそれなりに役に立ってもらわないと。「49会」の名称が気に入らなければ「Tシャツ社会人大学」というアカデミックな名前でもいいかもしれない。文字通りTシャツを着用して勉学に励むのだ。こういう小さな活動の積み上げから、久米ブランドのTシャツファンを醸成していく。会場では毎回Tシャツの新作の即売も兼ねる。久米繊維工業さんが主宰する勉強会で友人ができ、「Tシャツフレンドの輪」が広がっていくというのは素敵なことです。


●参加者の感想コメント


いただいたアイディアの中には、「弊社がやらずにほかの誰がやる!(笑)」と思われるものがいくつかあります。それらを読んだとき、日本国内にTシャツ専業メーカーが無くなって多くが海外に生産拠点を移行した中、弊社の担う役割は自分たちが考えるよりも実はもっと大きなものなのかもしれない、と自信がわき自尊心がくすぐられました(笑)。それから、漠然と「やりたい」と思いながら手が出なかったアイディアもありました。それらに関しては、先延ばしせずなんとか近々実現できるよう経営計画に入れいただけるよう経営陣に訴えていこう、と決意しています(笑)。ほんとうにありがとうございました!


●私のコンサル力1(人材派遣業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12049408602.html

●私のコンサル力2(99円シヨップ業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12049520373.html