【事例】私のコンサル力6(和風居酒屋業編) | PRアイディア直売所 ~作って売るから安い~

【事例】私のコンサル力6(和風居酒屋業編)

和風居酒屋店

2007/9/28に私が講師となって開催したセミナーは大変好評でした。好評だったのは、参加者が希望すればその参加企業のPRアイデイアを蓮香流に解決してあげます、という個別相談をさせてもらったからです。結果、参加企業30社の内、半数に当たる15社をはすか流PRで提案してみました。以下の事例集がそれです。はじめに参加者の課題・現況を10項目程度、箇条書きに書いたものを提出していただいて、私がそれをみてPR回答したものです。立案の途中、一切の質問はしませんでしたので、ひよっとしたら私の理解が間違っているころがあったかもしれません。このように私の特技はクライアントと直接お逢いして詳細なオリエンテーションを受けなくても、課題・現況さえみれぱ、解決のためのPR回答を創造することができます。30年以上の経験がなければ達成できないスキルだと自負しております。


●[課題・現況]----和風居酒屋店者


[01]喫茶店を経て現在の居酒屋を営業。創業1984年。
[02]立地は御徒町松坂屋デパート近く。近隣は居酒屋を含め多数の飲食店が点在。最近は過当競争気味の超激戦区。
[03]5階建てのビル全部を使って営業。客席数120。鰻の寝床のような細長いビル。調理は数人の板前が行う。
[04]店の一番の“売り”は、博多風「地鶏の水炊き」と「焼酎や地酒の品揃え」。水炊きは、白濁したスープが美味しいと評判。
[05]店内の水槽にいる「イカ」「カワハギ」「ウナギ」などの生きている姿を客席で見せてから調理するのも好評。他に、炭火料理や河豚料理、豚しゃぶ蕎麦つゆ仕立て鍋など多数。
[06]鍋料理が有名なために「水炊き居酒屋」のイメージが強い。そのために夏の売上げが極端に落ちる。
[07]夏対策として「ジンギスカン」をやったこともあるが、排煙設備がないために他のお客様に不評で取りやめ。現在、「夏の鍋」として「カレ-水炊き」「薬膳鍋」をメニューに加えているが、インパクトが弱い。
[08]客層はビジネスマンが殆ど。男女比は半々。女性同士のお客様も多い。客単価は6000円を超える。
[09]営業時間は17時~23時。第4日曜日のみ定休。ピークタイムは、19時前後。お客様の滞在時間は2時間を超えるために2回転しにくい。金曜日が一番混むが、最近は混雑具合が金曜日のみに集中してしまう。
[10]オフィシャルのホームページからの集客が多い。また、「花ふぶき会員」が2000人ほどいて、毎月、お酒やお料理が無料になるDM(今月の宴会やお勧め料理などの情報も掲載)を葉書にて投函。他にメルマガ会員が500人。週に1~2回、お得なメルマガ情報を流して販促。以前は、年に何回か雑誌に取り上げられてきたが、最近は新店が続々出来ているためか、雑誌の無料掲載が減ってきている。


●(現況から)私のPR回答


【A】 「マイお箸」のキープ制の導入
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森林・環境問題の社会的潮流が社会背景で、今、飲食店での「割り箸」は使用しない方向になりつつあります。貴店でもこういった社会問題に取り組み、ささやかであるけれども社会貢献と経費削減の2つが同時にできます。こういう小さな活動の積み重ねが実はボディープローのように効くPRといえます。「来店客の集客」も大事でしょうけれども、社会に役立ちちよっといいことをするというのもさわやかな気分です。客の名前をお箸に記入させ、それをキープボトルよろしくお店に預けるといった企画だ。お金などいただかない。無料だ。「マイお箸」はお店でも有料販売すればいいし、もちろん持参するのはいっこうに構わない。持参分のお箸は店側が洗って差し上げるという心配りを忘れないのもポイントだ。割り箸をやめ、マイお箸にするというのは今の飲食業界のトレンドでもあることですし、こういうことは機をみて敏であるべし。


【B】「飲酒運転防止」文言を記載した「コースター」の開発と配布
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名コピー「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」などの文言を「コースター」に印刷したものをサービス配布する。地元、表面には「湯島警察署の名入り」、裏面には印刷代金を浮かすべく、サントリーなどの大手洋酒メーカーか日本酒メーカーなどに協賛を仰ぐ。実はこの「湯島警察署の名入り」がポイントで、こうしておけばプレスリリースに使えるのである。たぶん宴会シーズンを前にした11月中旬あたりにリリース発表すれば、全国紙の「県版」に取り上げられること間違いなし。「湯島警察署」に記者クラブがあるならばリリース発表はここでやるべき。飲食店も「飲酒運転のほう助」で罰則強化になったこと、地域コミュニティとしての警察署と仲良くすること、こういった社会的視点からの企画が私の提唱する「ソーシャル発想術」なのである。1ロット1万枚ぐらいのコースターの経費ならば飲料メーカーも快諾してくれるのではないか。


【C】水炊きに合う「スープ」の一般公募とコラボ開発
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貴店の名物といえば、白濁スープで食べる「地鶏の水炊き」と「カレー水炊き」。この「水炊き」に合うスープを現状のとんこつ、カレーの他に、例えば「シソ」「レモン」「塩」「ごま」などバリエーションを増やすことが急務と思われます。「水炊き」は「すき焼き」や「焼き肉」などと違って、食べ終わった後、皿洗い時、メンテナンスが楽という特性があるため、宴会メニューとしては必須アイテムとの認識があります。であるならば、飽きさせないために上記のような味のバリエーションは不可欠。バリエーション味が調理スタッフによって開発できないならば、そのことをパブリシティで一般公募するという手だってある。「水炊きに合うスープのレシピ募集します/優秀作品には1万円相当の食事券を3名に贈呈」というプレスリリースで一丁出来上がりだ。優秀作品の作者と調理スタッフによるコラボでオリジナル味を開発すればいいのだ。「水炊き居酒屋」のイメージが強いため、夏季に客足が落ちるとのことですが、ならば、無理難題といわれるかもしれないが、「涼味たっぷりの水炊き」を開発できないものか。例えば、中華でみかける「バンバンジー」のような「地鶏の冷しゃぶ」というのはどうだろう。できないといわずにできるところまで開発を続けるんです。逆転の発想「冷たい水炊き」。


【D】弊店話題をブログ紹介してくれたら「花ふぶき大使」に任命
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弊店に来店し、食べた印象などをご自分のブログで書いてくれたら500円相当の「食事券」を贈呈。紹介記事のURLを教えてくれると、すぐにメール添付で「辞令」と「食事券」を送付。紹介してくれる人を「花ふぶきのブログ広報部員に任命す」という辞令を交付し、社外の「花ふぶき大使」になってもらう。マスコミ等の取材時の撮影協力に応じた場合はさらに謝礼(食事券)を進呈。ブログアップは同一画像&文言以外なら何回でも可。紹介回数、年間最多の「大使」にはさらに「名誉大使」に昇格していただく。1人の来店客を大事にし、その方がフログで弊店紹介してくれたならばそのつど食事券で謝意を表し、ブログを通して「口コミ」を図る。「デジカメ」メーカーが協賛してくれるかも。デジカメ一台はお店に用意してあり、それで撮影してお客にメール送信。アップ時にメーカー名と機種名を書いてもらう。ブログ利用者に抽選で年間で5人にデジカメ贈呈と。


【E】「うちめし会」でひと(人)コミュニケーション
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ビジネスバースンの食事を兼ねた、あわゆる打合せ(反省会、アイディア会、検討会、プレゼン、親睦、送別)に個室を利用していただ運動を展開する。名称を「打合せメシ会」→「打飯会(うちめしかい)」→「Uchi-Meshi-Meeting」→「UMM」と名付け、この「うちめし会」「UMM(ユーエムエム)」という名称を流行らせるプロモーション。1組あたりの客数を増やす多数客を前提とした宴会客を獲得すればいい。間違っても現状で1人来店はいない。少なくても1組あたり2人の客数であるはずだ。これを1組あたり最低で3人、願わくば4人以上にするという企画を組めばおのずと客数が増え、売り上げが上がる勘定になる。客側からみれば「花ふぶきに行かざるを得ない利用シーン」が必要だ。宴会の申し込み注文をいただく「幹事」を無料招待する太っ腹企画を実施する。すなわち、3人なら幹事は半額、4人以上なら無料という「三半四無(さんぱんよむ)」企画。数字では「3846」宮代(みやしろ)に。「花ふぶきの飲み代(のみしろ)は宮代(みやしろ)でOK」ということになる。ご飯を食べながら打ち合せをやるという日本人古来のコミュニケーョン「うちめし会」を「3846(みやしろ)」という特典で集客を図る作戦。通年企画として実施。幹事無料といってもは1/4だから25%OFF。これが商人としてのカラクリなのだ。


●参加者の感想コメント


現在のビジネスの状況や問題点などを書いて送ると、蓮香先生がそれを打開する【アイデア】を考えて下さる、それもオドロキの何と【無料!】という、信じ難いようなご提案が先生からありました!
たったひとつの「提案」や「アイデア」が、企業を活性化したり窮状から救ったりします。それに対する「知的対価」は、時にウン百万円以上だと思うのですが、それが何と【0円】とは…。
蓮香先生の商売っ気のなさは、以前から感じ入っていましたが、最近はそれに「折り紙」が付いてきました(笑)。さて、ビジネスの問題点ですが、私が経営している居酒屋(花ふぶき)は、どうしたらもっと売上が伸びるでしょうか?という、究極かつ永遠の難問でありました。
暫くすると、先生から長文のメールが返ってきました。5つものご提案の中でE案の【「うちめし会」でひと(人)コミュニケーション 】が私の心を打ちました。ビジネスバースンの食事を兼ねたあわゆる打合せ「打合せメシ会」→「打飯会(うちめしかい)」→「UMM」と名付けプロモーションを実施する、というものでした。

これの投資金額は0円、しかも即効性とリアリティがあります。仲間との会食やお酒を飲む機会が減少傾向にあるこのご時世に居酒屋へと向かわせる強烈な動機付けとして、売上アップの最適なご提案だと思いました。蓮香先生に感謝!であります。




[このコラムの執筆履歴]


●私のコンサル力1(人材派遣業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12049408602.html

●私のコンサル力2(99円シヨップ業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12049520373.html

●私のコンサル力3(Tシャツ販売業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12049937064.html


●私のコンサル力4(女性向けフィギュア業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12050224165.html

●私のコンサル力5(接客業向け人材派遣業編)
http://ameblo.jp/pridea/entry-12050560616.html