自己の探究を確立することで、

自らの選んだ神との交わりが生まれる。


【YS 2:44】



行為のヨーガ(クリヤー・ヨーガ)の2番目は、

第4の勧戒(ニヤマ)でもある

「自己探求」「自身の学習」です。



前回、クリヤー・ヨーガの2番目は

”勉強・理論という言語的な分野に関連する"と述べました。


スワディヤーヤ という

サンスクリット語の語源からすると、

「暗誦する」

「自分自身に繰返す(ことで練習する)」

といった意味合いもあります。


つまり、学習といっても

机上の理論や、

ただの知的学習とは違うのです。


歴史的には、

ヨーガの教えは書物ではなく、

口伝でグルから弟子に伝えられてきたことが、

これに関係してきます。



「スワディヤーヤ」とは

具体的に、 どんな学習かというと


1) マントラを唱えること


2) 自身で聖典の学習をすること



1)のマントラの中でもとくに重要とされるのが、

OM(オウム)


これは、特定の変な宗教とは関係がなく、

本来サンスクリット語の聖なる言葉とされているもので、

”宇宙の始まりの音”

とも言われています。


ほかにもマントラを使う例としては

皆さんご存知の「太陽礼拝」のポーズがあります。


これも伝統的には、

朝陽に向かって

それぞれのポーズに当てられたマントラを唱えながら

動いていくシークエンスです。



日本にも昔から”言霊”といういう表現があるように、

言葉には特別なパワーがあると、

古代インド人も考えていました。


実際に声に出して唱えることはもちろん、

心の中で唱えることも、

さらに強い効果があるとさえいわれています。



2)でいう聖典とは、

ヨーガの道を目指す方にとっては


「ヨーガ・スートラ」


「バガヴァッド・ギーター」


「ヴェーダ」 やヴェディック・チャンティング 


などが、挙げられます。



これも、書籍を読むことに加えて

サンスクリット語でも、声に出してみることをお勧めします。



こういった書籍に触れることで、

行為のヨーガ(クリヤー・ヨーガ)の1番目であるタパスとして行っている、

アーサナやプラーナヤーマなどの

練習の進み具合の目安にもなります。


つまり理論が実践を助け、

また実践することで理論の内容が

より自分の体験にてらしあわせて

理解できるようになるのです。



さらにいえば、

こういった学習の仕方をしていると、

自分のことが 

(身体のことも、心や精神のことも)

深く理解できるようになってきます。



ですから、


3) 自身を学習する


という 「スワディヤーヤ」の 

3つ目の意味につながっていきます。


このように 

3種類の「自身の学習」をすることで、

メディテーションを行えるような下地を作ることができるのです。



行為のヨーガ についてはこちらもどうぞ


実践 (タパス)→ こちら

「イーシュヴァラ」への祈念→ こちら



ヨーガスートラ → INDEX

翻訳は本書による→現代人のためのヨーガ・スートラ (GAIA BOOKS)


レヴューは → こちら



カラダをのばすとココロがゆるむ ~ シンガポールで YOGA ヨガをしながら考えた-現代人のためのヨーガ・スートラ