日本庭園の向こうに宍道湖が広がり、朝は湖面に浮かぶ、のどかなシジミ漁の小舟が心を癒やしてくれる。島根・松江しんじ湖温泉の旅館「松(しょうへい)閣」は、部屋数12室のこぢんまりした湖畔の宿。湖とおいしい料理、そして大規模な宿泊施設にはない、家庭的で行き届いたサービスが優しく旅人を歓迎してくれる。(松江支局 持田浩一郎)

 玄関をくぐると「お帰りなさい。お履物はお脱ぎください」と勧められた。着物姿が似合う女将の林恵美子さん(59)が「お客さまにくつろいでもらうため、昭和40年のオープン当初から、このスタイルなんですよ」と、にこやかに教えてくれた。

 じゅうたん敷きのロビーからは、小川が流れる約1500平方メートルの広さを持つ自慢の日本庭園が見える。宍道湖を借景として、よく手入れされた島根県木の黒松やキンモクセイ、ツツジなどが植えられている。

 松江しんじ湖温泉(旧松江旅館団地)は、宍道湖を埋め立て誕生した。「当初12軒あった旅館は廃業で5軒に減りましたが、温泉街の“老舗”旅館として自負しています」と話す。松江の市街地にも近く、周囲には松江城や小泉八雲旧居、島根県立美術館など見所も多い。

 湖面に沈む夕日は、四季を通し、さまざまな顔を見せてくれる。特に湖に浮かぶ景勝、嫁ケ島には、若い嫁が湖に落ちて帰らぬ人になったという伝説が残り、あかね色の夕日をいっそうセンチメンタルな情景にする。

 1階には露天風呂が付いた特別室がある。「湖に最も近い客室で、お部屋から直接、日本庭園が散策できますよ」。夏は湯上がりに浴衣姿で水面を渡る涼風が楽しめそうだ。

 温泉の次は料理だ。和紙で包んだスズキの奉書焼き、モロゲエビの空揚げ、シジミのすまし汁など宍道湖七珍料理が満喫できる。

 ぜひ紹介しないといけないのが朝食。温泉湯豆腐、温泉卵、トビウオを素材にした竹輪に似た野焼きのほか、松江沖の日本海特産の板ワカメ(めのは)が食欲をそそる。夫で同旅館社長、英教さん(65)が木箱の中に火鉢代わりの裸電球2個を入れ製作した手作り焙路(ほいろ)であぶり、炊きたてご飯にまぶして口に含むと、潮の香りが広がった。

 【用語解説】宍道湖

 全国で7番目に大きい周囲約45キロの湖は淡水と海水が混じる汽水湖で魚介類が豊富。スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シラウオ、コイ、コイ、シジミの宍道湖七珍を使った郷土料理が有名だ。

 松平閣は1泊2食付き1万2千円から。食事と入浴の日帰り4000円などのプランもある。いずれも要予約。問い合わせは(電)0852・23・8000。

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 特別養護老人ホーム(特養)のユニット型個室の推進を目指す国に対し、一部の自治体が多床室の併設も必要と主張している問題で、首都圏の9都県市の知事や政令市長らは、多床室併設を求める要望書を近く国に提出することを決めた。

 5月13日に開かれた「9都県市首脳会議」で、埼玉県が提出した緊急要望書について、9都県市首脳らが全会一致で合意した。遅くとも月内には国に要望書を提出する。

 緊急要望書では、一部ユニット型の整備が、特養の入所待機者解消や低所得者の負担軽減など多様な需要に対応できると指摘。その上で、「多床室とユニット型個室との合築を認めるなど、地方の実情に応じた柔軟な施設整備が行えるよう強く要望する」としている。

 一部ユニット型について、国は個室部分の介護報酬を、従来型の基準で取り扱うとしているが、9都県市はユニット型個室部分を従来型より報酬が高い「ユニット型」として認めるよう求める方針だ。
 この問題では、埼玉県と群馬県が、併設型のユニット型個室部分の介護報酬について、「ユニット型」として認めていることが明らかになっている。

 9都県市は、▽東京都▽神奈川県▽埼玉県▽千葉県▽川崎市▽さいたま市▽相模原市▽千葉市▽横浜市―。


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 光回線などを使うブロードバンド(高速大容量)通信の普及策を議論する総務省の作業部会は14日に会合を開き、NTT組織再編の方向性を示す。電話局と家庭を結ぶ回線事業をNTTから分離するよう提案する見込み。ただ、NTTからの反発が予想され、調整は難航しそうだ。
 作業部会のこれまでの議論では、ブロードバンド通信の普及には、通信会社間の競争を促して利用料金を引き下げることが必要との指摘が出ている。通信各社がより安く回線を借りられるよう、回線事業をNTTグループ内で独立させる方法や、グループ外での別会社化といった複数案を示すことが有力視される。 

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