6月28日火曜日、ザ・プリンス パークタワー東京で東京電力の株主総会が行われた。
マスコミではいろいろ書いているが、事実関係を除くところについては、自分が現場で見た印象とは明らかに異なる。
「6時間もかかった」「罵声飛ぶ」なんて事実もあるが、出席者がどう動くかまでを想定した式次第を組んでいくと、ガス抜きさせてるだけだろ、そいつらを押さえ込んだらかえって「ヤラセ」疑惑をもたれるから駄目だ…ってところも見えてしまった。結局、「予定調和」だったんですわ。


毎日新聞が「株主総会ドキュメント」を載せていたが、行間を知っていると違和感満載。
そんなことで、ノートに書きなぐったことをほぼそのまま載せておくことにします。


8:10
日比谷通りからプリンスタワーへ向かう通路の、日比谷通りに面するところでのお話。
初老の老人が、「なぜ通れないんだ」と怒っていた。警官に囲まれていた。


8:15ごろ
プリンスの裏口前に着いた。入場を待つ行列はまだ10人ほど。
丸い金の胸章をつけたSP多数。町の祭りで、お菓子の引換証のようなバッチをつける東京電力社員も、道案内の形で並んでいた。
この時すでに、玄関前にはマスコミの取材陣も並んでいた。


8:30
開場。50人ぐらいずつに区切って入場させる措置を取っていた。
このとき、裏口だけで数百人の行列ができていた。正面入口の行列状況は見ていないので不明だ。


開場に進む道の途中で、手荷物検査をしていた。
バックのジッパーを開け、見せて終わり。
コンサートでの手荷物検査と大差ないのかもしれない。
数年前に行った、日産自動車株主総会では手荷物検査なんてなかった。それに比べれば物々しかった。


手荷物検査を過ぎ、受付に「議決権行使書」を渡した、代わりに首にかけられるストラップ付きの「入場証」を受け取った。
その後、館内の通路を進み、会場に入り着席した。


【総会開始前の雰囲気】
基本的に暇。
外で配っていたと思われる「反原発」ビラを読むもの、「反原発本」を読むもの、
「TBSの取材陣から『反原発』を言わせようとする取材を受け『偏向』だ」とケータイメールを打つもの…
それぞれの時間を過ごしていた。
出席者に、ご高齢のものが目立った。平日に時間を取れるもの、どうしてもそうならざるを得ない。


9:30ごろ
3000人ぐらい収容できる本会場は満席になった。
これ以降は第二~第五会場と廊下に収容する形に。


9:45
役員席の後方に、20人ほどの人が入場し、着席した。
事務局らしい。


後で気が付くことだが、前列に陣取る役員氏に水の類は用意せず。
水差しもなければ、ペットボトルも置かなかった。
これは小用による離席を回避する対策だと理解できた。


9:58
ひな壇点灯。その後、右側入口から役員18名入場。


10:00
ブザーが鳴る。同時にひな壇に座る全員が起立、礼。


会長が冒頭のあいさつへ。
『「東北地方太平洋沖地震」及び計画停電へのおわび』で始まる。
『「国の支援を頂きながら」補償を』と読み上げた。


その後、客席の一部だけから強い拍手が湧く。どっちみち東電OB、社員など関係者であること見え見え。
その他はただ聞いているだけ。余りにも露骨なコントラストが見えた。


※『「国の支援を頂きながら」補償を』ってあーた、最終的にはそうなるしかないのは百も承知だが、こんなことをぬけぬけと言ってきやがった段階で「ふざけんな」と思わされた。
そんなことをほざくのなら、四谷左門町の家を始め、全財産を国に差し出せ! 東京電力の株式だけは残してあげてもいいが。


株主総会にありがちな、どきついヤジが冒頭から飛ぶ。
原発事故をやらかした後なので仕方がない。


その後、清水社長が平成22年度報告書に示される事を読み上げ、築舘監査役は監査報告書を読み上げた。


10:20
原発反対派出席者から「29ページを説明しろ」の大合唱。
「29ページ」とは「平成22年度報告書」に印刷された「継続企業の前提に関する注記」のこと。原子力発電所事故に関する賠償を反映していないことが記されている。


賠償引当金を計上していたら、下手したら3月末で債務超過に陥っていたかもしれない。


10:25
高齢女性の質問の中で、「(会長の冒頭)あいさつに『主語』がない。謝っていない」
とやった後、「議長不信任の動議」となる。
会長は「動議に対する賛否は『挙手』で」とやったあと、会場の挙手の様子を見て会長自ら否決した。


株主総会では、大株主が「反対」とやれば反対多数で否決となるのは百も承知だが、挙手の状況を現場でみていたら賛否ドッコイドッコイ。
会長の判断は、株主総会の原則である「大株主の意で決める」には沿っているものの、それを言わずに「否決」とやってきたため不快感を持たされた。
それから、本会場以外の人の賛否は聞いてないじゃないの。


本会場内はもとより、扉の向こうからも罵声が飛びまくっているのが聞き取れた。


10:38-48
鼓副社長による「事前株主質問」への回答読み上げ。


出席者の反応が、会場の雰囲気を物語っていた
○賃下げには無反応
○補償には無反応
○被ばく・健康管理にも無反応


○原発の話になったら罵声続出


1048-1102
藤本副社長の「事前株主質問」への回答読み上げ。


出席者から「決算書に書いてあることはイラネ!」と罵声が飛ぶ


1102-1105
築舘監査役による「事前株主質問」への回答読み上げ。


副社長・監査役の読み上げの中、以下の罵声が飛ぶ。
「ちゃんと質問に答えてねーじゃないか」
「不都合な質問を飛ばすな」


この後、「株主に挙手させて、指名式のQ&A」に移る。