「暮しの手帖」 4世紀83号 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「暮しの手帖」 4世紀83号



実は、もちろんその存在は知っていたものの、
「暮しの手帖」を買ったことも読んだこともなか
った私なのだけれど、特別付録につられて買
ってしまった今号。だって、あの「暮しの手帖」
の創刊号のよりぬき復刻版が、付録について
いるというTwitterを見掛けたものだから…そ
れはちょっと欲しいかも~と思ってしまって…。

モチーフとはかけ離れたドラマへのストレスが
高まる中、やっぱり本物が見たくなるじゃない
ですか! 本物を知らなければいけないと思う
じゃないですか! まあ知れば知る程、ドラマ
への失望感、嫌悪感も高まるのだけれど…。

よりぬき復刻版とはいえ、あの表紙、あの創刊
号がミニ版とはいえ手にできるのは嬉しい。創
刊当時の心意気とか、息吹が感じられるようで。


◎特別付録
『美しい暮しの手帖』 創刊号





これは あなたの手帖です
いろいろのことが ここには書きつけてある
この中の どれか せめて一つ二つは
すぐ今日 あなたの暮しに役立ち
せめて どれか もう一つ二つは
すぐには役に立たないように見えても
やがて こころの底ふかく沈んで
いつしか あなたの暮し方を変えてしまう
そんなふうな
これは あなたの暮しの手帖です。











あとがきに書かれていた言葉に、ドラマの常子
とは全く違う、大橋鎮子さんの思いが込められ
ているというか、真摯な想いが伝わってきたの
で、私が心にとめた部分をちょっとだけご紹介。

あとがき
(前略)
この本は、けれども、きつとそんなに売れない
だろうと思います。私たちは貧乏ですから、売
れないと困りますけれど、それどころか、何十
万も、何百万も売れたら、どんなにうれしいだ
ろうと思いますけれどいまの世の中に、何十
も売れるためには私たちの、したくないこと、
いやなことをしなければならないのです。この
雑誌を、はじめるについては、どうすれば売れ
るかということについて、いろいろのひとにい
ろいろのことを教えていただきました。私たち
には出来ないこと、どうしても、したくないこ
ばかりでした。いいじゃないの。数はすくな

かもしれないけれど、きつと私たちの、この

もちをわかってもらえるひとはある。決して

けおしみでなく、みんな、こころから、そう
思つ
て作りはじめました。でも、ほんとは、売
れな
くて、どの号も、どの号も損ばかりしてい
ては、
つぶれてしまうでしょう。おねがいしま
す。どう
か一冊でも、よけいに、お友だちにも、
すすめ
て下さいませ。
(中略)
はげしい風のふく日に、その風のふく方へ、一
心に息をつめて歩いてゆくような、お互いに、
生きてゆくのが命がけの明け暮れがつづいて
ます。せめて、その日日にちいさな、かすか
灯をともすことが出来たら…この本を作つて
て、考えるのはそのことでございました。どう
ぞ、あなたの、具体的な、ご感想を、きかせて
下さいませ。
(後略)

売れるために、自分たちには出来ないこと、ど
うしてもしたくないこと、いやなことはしたくない
と決めた心意気。それではやはり売れないか
もしれないことも覚悟しつつ、その心意気を読
者に分かってほしいと願うような気持ち。いい
ものはいいはずだという思いと、受け入れられ
るかどうか不安に思う気持ちが伝わってきた。

生きてゆくのが命がけの日々に、小さな、かす
かな灯をともすこと。そんなささやかなことすら
贅沢に思われた時代だからこそ、日々の暮ら
しを明るくする希望が求められたんだろうなあ
と。最低限、生きていける食を確保できたなら、
次は、心を満たすものが欲しくなるのが人間。
心が元気にならないと、世の中は明るくならな
いよね…。復刻版の裏表紙の広告も、興味深
く…。家中みんなの下着がつくれる本もつくっ
て売っていたんだなあって。これはちょっと、中
身をのぞいてみたいかも。誰にでも作れるよう
説明した日本で初めての下着全書…なんて!



本誌のほうで印象深かったのは、片桐はいりさ
んの随筆。はいりさんらしい、すてきな文章で。
今風の雑誌に慣れていると、シンプルな内容に
戸惑うけれども、昔からの読者さんには馴染む
仕様なのでしょう。個人的には、フォントが見に
くいというか、読みにくく感じられるのが気にな
ったところ。せっかく良くも悪くも注目される今こ
そ、理念はそのままで、新しいアプローチで雑
誌を変えていくのもいいかも…と思ったりもして。


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