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その前の話 その1

Kierkegaard

上様のご指図の縁組の相手は、とある旗本で老中職を務める美威偶琉(びーぐーる)の守(かみ)の子息で、麗乃(れいの)である。

(読みにくいので以降は、カタカナ表記になります)

ここは、本郷にあるレイノが居住する上屋敷の離れである、月が頭上にあり、涼やかに夏の虫が鳴いている。

「ふ、蓮姫か」

レイノは、水鏡に映る月を凝視する、その瞳が妖しく光り、水面にとある下屋敷が映る。

蓮姫の部屋が映し出され、秀麗な横顔が映る。

「評判通りの美しさだ、だが、伝わる気は、おのこの気だ。あのお家には、若君は一人と、名は華陰(かいん)」

***

蓮姫さまは、算額(さんがく)用の問題を和紙に、したためていました。

「これなら暗号として大丈夫かな?」

蓮姫さまは、寺社に奉納する算額で、とある人物にコンタクトをとろうとしていた。

(算額とは、簡単にいうと算数の問題が書かれている絵馬みたいなものです、漢文なのでちょっとわかりにくいかもしれない)

彼は、絵図の中に、彼らだけが解くことの出来る暗号をそっと忍ばせた。

天井から護衛のキョーコが、外の空気の変化を読み取り、下にいる蓮に伝えます。

「蓮さま、彼が来ました」

「キョーコ、ほっといていいよ」

「蓮さまに、何かあったら」

「キョーコ、私の言うことがきけない?」

その時、雷がとどろき、白い光が障子を突き破り、蓮姫に突き刺さろうとしていました。

蓮姫は寸でのところで避けて、その美しい体が傷つくことは、ありませんでした。

「行きます!」

「キョーコ!」

キョーコは、屋根の上にひらりと飛んで、彼を待ちます。やがて、龍の背に乗る長身の男の影が見えてきました。

「久しぶりだね、キョーコ、会いたかった」

「カインさま、何故に、蓮さまを」

「嫌いだから、取り澄ました顔をみると、むかむかする。キョーコ、俺のところに来ない?破格の待遇で、歓迎するよ?」

「嫌です」

「そう、仕方ないね」

ピカッ、ドカッ、グワシヤとカインくんとキョーコは、一刻程、闘いました。

カインは、本気ではないのです、単に、キョーコちゃんと遊びたかったのです。

「はあ、はあ」

「あ、時間だから帰るね」

「もう、来ないでください」

カインは、自分の住まう上屋敷の方角へ飛んで帰って行った。

「キョーコ、お疲れ、冷たい茶を用意させたから」

「蓮さま」

「兄者のことは、ほっとけばいいんだよ。きみの妹が消えて、憂さ晴らしをしに、来ているんだから」

「セツは、何処に行ったのかしら?」

「君のところには、連絡はないの」

「ええ、半年になりますが、何も」

キョーコには、双子の妹がいました、名前をセツカといいます。

彼女は、カインの護衛でした、謎の言葉を残して、ある日を境に消えたのです。

「美威慈獲威(ビージェイ)」

Kierkegaard
つづく その3

***

尚、漢字名は「族言葉変換スクリプト 様」にて、変換しました。
楽しいですね、族言葉。
今度からサイト名を「鬼琉袈護汚琉(キルケゴール)」にしようかなと思いました。

族言葉変換スクリプト さま
http://home.lib.net/usr1/magi/zoku/