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その前の話 その1 その2 その3 その4 その5
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『その瞳に映るもの』
榎木津氏に見えないものはない、だが、彼は沈黙を選んだ。
「表六玉、お前が選んだお嬢さんか、めごいな」
「榎木津さん、ご無沙汰しています。マヤです」
「こんにちは・・・おじさま」
「無理はしなくていいぞ、普通でいい」
マヤはぱちくりと目を瞬かせ榎木津氏を見つめた、マヤは優しそうなひとだと思った。
「なあ、お前さんの紫の鳥は言葉を話せるのか?」
「ルルのこと?ルルはきれいな声で鳴くの、どうして知っているの?」
「見えたからさ、安心しなもうすぐ島へ帰れら」
「ありがとう」
榎木津は、そっと少女に手を差し伸べた、少女は小さな手をその上に乗せた、彼はそっと優しく口づけた、そして少女を立たせ、側に引き寄せ少女の腰にそっと腕を回した。
「さあお嬢さん行きましょうか」
「榎木津さん!」
「お前は、黙って見世物を見物してろ」
榎木津は趣味人でもあるのだ、真澄にふさわしい嫁を選ぶために、適当に令嬢を見繕ったのも自分が楽しいからだ。
真澄は榎木津がよめない、だから、マヤには何も教えなかった。
「お嬢さん、これから少しばかり楽しい催しをするんだ。君も参加するが、思うように振舞い応えればいいからな」
マヤは、きょとんとしたが
「わかったわ」
離れの方に、令嬢が三人椅子に座り、主催者を待っていた。
「おじさま、今日は何ですの」
「亜弓ちゃんかすまんな、よろしく頼む」
榎木津はそっと耳打ちした。
「はじめまして、マヤです」
「私は姫川亜弓です。よろしくね、マヤさん」
マヤは、優しそうな少女が大好きになった。
「榎木津さま、鷹宮紫織さまと乙部のりえさまがいらっしゃいました」
「そうか、こちらへ案内してくれ」
はなくらべが始まる。
つづく その12
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榎木津氏に見えないものはない、だが、彼は沈黙を選んだ。
「表六玉、お前が選んだお嬢さんか、めごいな」
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「こんにちは・・・おじさま」
「無理はしなくていいぞ、普通でいい」
マヤはぱちくりと目を瞬かせ榎木津氏を見つめた、マヤは優しそうなひとだと思った。
「なあ、お前さんの紫の鳥は言葉を話せるのか?」
「ルルのこと?ルルはきれいな声で鳴くの、どうして知っているの?」
「見えたからさ、安心しなもうすぐ島へ帰れら」
「ありがとう」
榎木津は、そっと少女に手を差し伸べた、少女は小さな手をその上に乗せた、彼はそっと優しく口づけた、そして少女を立たせ、側に引き寄せ少女の腰にそっと腕を回した。
「さあお嬢さん行きましょうか」
「榎木津さん!」
「お前は、黙って見世物を見物してろ」
榎木津は趣味人でもあるのだ、真澄にふさわしい嫁を選ぶために、適当に令嬢を見繕ったのも自分が楽しいからだ。
真澄は榎木津がよめない、だから、マヤには何も教えなかった。
「お嬢さん、これから少しばかり楽しい催しをするんだ。君も参加するが、思うように振舞い応えればいいからな」
マヤは、きょとんとしたが
「わかったわ」
離れの方に、令嬢が三人椅子に座り、主催者を待っていた。
「おじさま、今日は何ですの」
「亜弓ちゃんかすまんな、よろしく頼む」
榎木津はそっと耳打ちした。
「はじめまして、マヤです」
「私は姫川亜弓です。よろしくね、マヤさん」
マヤは、優しそうな少女が大好きになった。
「榎木津さま、鷹宮紫織さまと乙部のりえさまがいらっしゃいました」
「そうか、こちらへ案内してくれ」
はなくらべが始まる。
つづく その12