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Kierkegaard
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『あかねさす』

真澄くんはヒギンズ博士になった。

レディは一朝一夕に・・・無理である、でも頑張る真澄くんだった、単に四六時中一緒にいたいのだ。

「マヤ、それは違う・・・」

「え、おかしいの?」

立居振舞、所作なんてダンスが基本だ、そう思った真澄くんは社交ダンスを、背筋を伸ばして、まっすぐの線が体の中心を突き抜けるように、顎を引いて、肩から力を抜いて、胸は前に、長い裾のスカートをなびかせ、ヒールの靴でステップ、ターンだ・・・

南国育ちの少女に無茶を言うものだ、理詰めで説明してちんぷんかんぷんだろう。

「マスミ、音楽に合わせて踊るのじゃダメ?」

「リード・・いやそうだ、マヤ、俺に体を預けて、それで音楽に合わせて、俺が足を引いたら前に一歩だ」

マヤは音楽に合わせ、真澄に合わせ、くるくる、軽やかに、舞うように、楽しくなった。

真澄もマヤの体重を感じさせない軽やかな踊りに、魅せられる。

ステップ、ステップ、ターン

ひらりと少女は軽やかに・・・

ダンスだけで終わってしまった。

そして当日・・・

「おいたぬき、久しぶりだ、表六玉はどこだ」

「榎木津さんは、相変わらずですね。愚息は、薔薇園の東屋にいますよ、お嬢さんたちはどこですか」

「時間になったらくるよ、それよりお前さんのお気に入りのお嬢さんを見たい」

「真澄と一緒だろうて」

榎木津は東屋に急いだ、薄紫の柔らかいシフォンのワンピースを纏った少女がいた。

「お前さんは・・・」

榎木津に見えないものはない・・・

つづく その11