ツールでお絵かきするのですが、PCがフリーズして

上手く画けたかなと思った絵が全部消えてしまったorz(私は、気の向くままに

頭に浮かんだ情景を何枚も画く、メモリ食いすぎたのか)

涼しくなったから赤猫一族が我が家の猫テリトリーを侵して大変です。

熊が、熊が出れば、勝てるかもしれないけど。


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Kierkegaard

「宝田さん、勝算は?」


「ある、あいつらのがんばり次第だがな。奥さんは大丈夫だ、

まだ儀式まで時間がある」


「彼らに一体何をさせるつもりなんですか?全員で行った方が良かった

のでは?」


「こっちは、こっちで準備をしないといけないからな。まあ、蓮のヤツは、

最上くんのためなら必死になるし、彼女は強い、ちょっとばかり怖い思い

をするだけだろう」


俺たちは屋敷の回廊を進み、廊下の突き当たりの壁面で立ち止まった。

何の変哲もない壁をじっと見つめたかと思うと、手であちこちを触り、

カチッと音がし、壁の一部が静かにスライドした、さらに回廊が続いている

ようだ。


「結構簡単に開いたな、もう少し凝った作りかと思って、RPGゲームで

沢山シミュレートしたのに」


「罠ということは?」


「無いみたいだ、反ミサが聞こえる」


俺たちは奥へ進み、突き当たりの扉を開くと庭園が広がっていた。

沢山の薔薇が植えられていた、むせ返るほどの匂い、甘い匂いが

あたりに充満していた。バラ園の中央に教会らしき建物があった。

中に彼女がいる、俺は彼女を助けるべく内部へ入ろうとしたが、

強い力で腕を捕まれた。


「待ちなさい、何の準備もなく儀式に分け入っても返り討ちに

会うだけだ」


宝田さんは、胸ポケットから小箱を取り出し、敷地内に設置されている

教会を取り囲む回廊に、取り出したものを、一定間隔で置いていった。

教会から聞いたこともない言語の歌が聞こえる。


「さて、あいつらの首尾はどうなっているかな」


Kierkegaard

グリフォン像の一体がゆっくりと動き出すと同時にありえないものに

変化していく。


無機物から有機物への変化、なんともいえないおぞましい匂い、

闇色に光る目、虹色の派手な羽、獰猛な獅子の胴体、鋭い爪で

俺たちを威嚇し、視線で射殺し引き裂く気まんまんらしい。


最上さんを抱きかかえ、紙一重で攻撃をよける。

羽があるせいか、空中を軽やかに舞い、俺たちを追い詰める。


弱いものをもてあそぶように、追い詰め、あの鋭い爪で俺たちを

引き裂くのを、最後の愉悦に酔っているようだ。

商売柄、顔や体に傷つけられるのは御免蒙りたい。

さてどうしたものかと思案してると


「敦賀さん、レーザーガンでアイツの額の中央を狙ってください、

多分そこが急所だわ」


俺は、額の中央に照準をあてレーザを放った、その瞬間、

ヤツは雲消霧散した。


「敦賀さん、もう一体のグリフォンの額を射抜いてください」


俺は最上さんの指示通りに額を射抜いた。


グリフォン像は粉々になり、俺たちはすぐにそこに行き箱の存在を確認した。


俺はインカムで社長に連絡をとった。


「その箱は絶対に開けないで、俺が言う場所に運んでくれ」


「なんだかこの箱に触れたくないんですが」


箱は見たこともない金属性でできていた、見事な彫刻が施されており

古美術品としては最上級だというのはわかる、だが箱から発する禍々しい

気が俺の感に訴える、触れれば終わりだということを。


「最上くん、君ならその箱をもてるはずだ、これからいう呪文を唱えてくれ」


社長の支持で最上さんが呪文をとなえると、箱が発していた禍々しい気が

消えた。


「あとは君たち次第だ、多少ちょっとばかし怖い思いをするかもしれないが

あ、タイムリミットは10分だから」


「社長、一キロありますが」


「お前の体力なら大丈夫だ、最上くんも走れるな」


「はい大丈夫です、そちらはいいんですか?」


「俺たちは、お前達の首尾次第だからな、上手くいったら二人とも

オフを2週間延長してやるから、死ぬ気でがんばってくれ」


続く その10