この建物はかなり高いのだという事に気づいた。



そして思いっきり迷子になった。
とりあえず、最初の場所に戻ろうと思ったが
なんとも奇妙な構造の建物で、方向感覚がおかしくなった。
しょうがないので、また写真を撮る事にした。
運良く途中でN君に会えたので、そこから先は彼に案内してもらう事にした。
一人で建物の中をウロウロしてたら、どれだけ時間があっても足りない。
島の外周を歩いて行く事にした。


これが噂の地獄階段でしょうか・・・

手術室?

映画館跡地








ふと思った。
なぜだか感動がない。何も感じない。
見るものが全て同じに見える。
ぼくは何故この島に来る事を望んだのだろうと思い出そうとしたが
思い出せなかった。



気づけば島を一周してしまっており
そこには最初の入り口があった。
戻って来て、再度学校を見た時に初めて
大勢の人間の気配がした。
原因はわからないが
感じれなかったものをやっと感じる事ができた。
自分の感覚を確かめるために再度建物の中に入りたかったが
もうすでに時間は無かった。そしてカメラのバッテリーも切れてしまった。
終了である。
最後の一枚。

耳を澄ますと、ポンポンと音が聞こえてきた。
オヤジの船だ。
相変わらず揺れまくっている。
だが今度は意外にも簡単に船に乗り込む事ができ、そのまま帰路につけた。
帰りは直行のようだ。
波を横から受けないので不快な揺れもない。
横にいたN君にお礼を言った。
すると彼は
「約束守れて、正直安心しました」と返してきた。
今時珍しいやつだなと思い
なんだか懐かしい気分になった。
帰りは20分程度。なんだかあっけなかった。
仲間ともたいした話もせず別れた。
やつらはこの後にどこぞの廃墟を見にいくというのだ。
元気なやつらだ。
来るきっかけも、集まった仲間も、軍艦島も、他にも色々
なんだか狐につままれたような時間だった。
一体なんだったのだろう。
しかし
この日記を書きながら、写真を見るたびに鳥肌が立っている。
あの場所で感じれなかった何かが、時間差でぼくの身体にやってくる。
今まで生きて来て感じた事のない感覚だ。
おわり
最後までおつきあいくださった皆様、ありがとうございました。
感想など頂けると大変嬉しいです。
おしまいにもう一度
現在、軍艦島への上陸は、この当時よりもはるかに厳しく取り締まられております。
上陸が見つかった場合は不法侵入で処罰されますので、決して真似される事のないようにお願いします。
軍艦島への道 その1
軍艦島への道 その2
軍艦島への道 その3
軍艦島への道 その4
軍艦島への道 上陸前に
軍艦島への道 その5
軍艦島への道 その6
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