こんにちは、中栖です。
前回の記事の続きです。
確かに、１７年前当時の私にとっては、
心の中に渦巻き溜まりに溜まった感情を
否定や批判、評価をせず”聴いてもらう”
のはまず最初に必要なことでした。
そんなふうに、
”本来の意味で”聴いてもらう受け止めてもらう
ことによって、誰もが生まれ持つ当然の権利である
「人として尊重されること」を体感し
安心感や自信を取り戻すことができました。
傷の手当てができたのです。
そして同時に、なぜ怒りや不安、イライラを
こんなにもこじらせてしまうのか、
”心のしくみ”を知ることによって、
「こうなるのは私が悪い」「人として劣っている」
ということではないんだと実感でき
必要以上に自分を責め、
罪悪感に苦しむことも少なくなっていきました。
どちらも、とても大切な、必要な作業でした。
そしてどちらも、それを提供できる専門家は
そんなにいないと私は思うので、
それができる方にめぐり逢えたこと、
その本質を直接教わることができたことは
本当にありがたかったし、救われました。
まずその体験があればこそ、今こうして生きている
と言っても過言ではないと思っています。
でも、やはりそれでも、十分ではなかったんです。
…なぜなら、これからも人生は続きます。
”これまでのこと”に一応の整理がついたとしても、
生きていれば次々といろんなことが起こります。
そんな中、土台となるものがこれまでのままで
これから起こることに対応できるかというと、
元気な人でも生き辛い世の中です。
当然、そうはいきませんでした。
生育環境や被害体験などにより
身に付いた思考のクセは、
時には非常に切迫した状況で、
存在を脅かされるような恐怖、
あるいはとてつもない悲しみを感じ
それに押しつぶされ壊れてしまわないよう、
自分を必死に守るために身につけたものなので、
そう簡単に変えられるものではないんですよね。
人生の中で繰り返し反復することにより
強化されてもいます。
やっと安心することができ、
自分がわるいのではない、と実感できたとしても、
それで考え方のクセまでが一夜にして変化する訳ではありません。
これまでずっと反復強化してきた考え方、ものの見方を
変えるためには、日々の練習（エクササイズ）が必要でした。
右利きの人がすぐに左手で、右手と同じような器用さで、
食べよう、書こうとしてすぐにはできないですよね。
余裕のある時ならできるかもしれませんが
急いでいる時やとっさの時には
やはり慣れている方の手が出てしまうでしょう。
利き手のように使うには練習が必要です。
同じことで、
心のしくみを知ってある程度応用もでき、
コミュニケーションのスキルを知っていても、
それがすぐに使えるかというとそうはいかないです。
とっさの時、強い感情に襲われた時、
想定外の出来事が起こった時には特に。
それを対応可能にしてくれたのが、
日々の心のエクササイズ、マインドフルネスです。
もっと具体的に言うと、
マインドフルネスで得られる”気づきの力”。
思考や感情、身体感覚など、
私たちは、気づいているようでいて、
実は多くのことに気づいていないのです。
（それは、「自分には考え方のクセ（認知の歪み）
があると知っている、それに気づいている」
ということではないんです。）
そしてまさにそのことが、
自らを苦しめ、縛り付けていたのです。
～③へつづく
③「そりゃあーよくなるものも、ならないわ」
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆☆.。.:*・°☆
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