夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法に違反するかどうかを争っている裁判で、114日に最高裁判所の大法廷で弁論が開かれました。

 

そのニュースに関連して、NHKの「ニュースウオッチ9」では夫婦別姓に賛成する女性2人の意見を紹介していました。

 

仕事の都合上、結婚して姓が変わってからも仕事の上では旧姓を使っているという女性が、仕事で姓が変わったことで困ったことがあったと言っていました。

 

その女性の子供が学校で怪我をしたときに、学校から職場に電話が掛かってきたのですが、職場には結婚後の姓宛てに電話が掛かってきたため、電話に出た人はそのような姓の人はいないと思い、うまく連絡がつかなくて困ったことがあったと言っていました。

 

まず、職場で旧姓のままで仕事をしているのであれば、家などから連絡があるときを考慮して職場の人に事情を話して結婚後の姓も伝えておくべきだと思います。

 

また、夫婦別姓にしてしまえば、この女性に起きたことが頻繁に発生してしまいます。なぜなら、夫婦別姓であれば、必ず親のどちらかが子供と違う姓となるからです。

 

しかし、そのことには言及は一切せず、番組の中では夫婦別姓だから連絡がつかなくて不都合だったという内容でした。この女性もNHKの番組制作をした人も、このことに全く気付いていないのでしょうか。

 

 

もう一人の女性は、自分の姓が気に入って愛着があり、結婚してもそのままの姓を使いたかったが仕方なく夫の姓に変わりました。しかし、どうしても旧姓の方がいいということで、結婚生活を続けたまま形式上離婚をして旧姓に戻りました。

 

その女性は、夫婦別姓を認めてくれたらこんなことはしなくて済んだと主張していました。ふと思ったのですが、この女性はそれだけ自分の姓に拘りがあるのであれば、結婚する時に夫が自分の姓に変わることをお願いしたのでしょうか。

 

形式上離婚までするよりも、最初から自分の姓に夫が改姓してもらうか、結婚後に自分の旧姓に家族揃って改姓すればよかったのではないでしょうか。

 

 

最近は旧姓を使える職場が増えており、財団法人労務行政研究所が平成25年に行った調査では、職務上で旧姓の使用を認めている企業は64.5%と、平成13年2倍以上に増加しています。

 

夫婦別姓に賛成する人の中には、多くの国では夫婦別姓が認められており、夫婦別姓は個人を尊重する制度であるということを主張しています。

 

但し、国によって歴史や伝統も違いますし、家族に対する考え方も異なります。欧米などが個人主義なのは、キリスト教思想に根ざしているもので、個人と神との関係が基本になっています。

 

そのような価値観を神道と仏教の日本にそのまま持ち込むのは無理があるような気がします。日本は個人と神が契約するという発想はありませんし、家族という関係が第一に来ます。日本で個人の尊重を声高に叫ぶと違和感を抱く人が多いのは、こういった宗教感があるからではないでしょうか。

 

そして、夫婦別姓を認めることは男女平等であると思い込んでいる人も多くいます。例えば、中国や韓国・北朝鮮も夫婦別姓ですが、これは男女平等という考えから来ているものではありません。

 

中国や朝鮮は父系制の非常に強い社会で、父系集団に嫁入りした女性は同じ姓を名乗ることができず、終生その集団にとってはよそ者であり続けます。つまり、男女平等ではなく男尊女卑だから夫婦別姓なのです。

 

 

また、夫婦別姓については子供がどう思うのかということも考えなければいけません。産経新聞のコラムによると、少し古いデータですが平成13年に民間団体が中高生を対象にした調査では、両親が別姓となったら「嫌だと思う」が41.6%、「変な感じがする」は24.8%と、否定的な意見が3分の2を占めていました。

 

その他にも、平成24年に行った20歳以上の人を対象にした内閣府の調査では、夫婦の姓が違うと「子供にとって好ましくない影響があると思う」と答えた人が67.1%で、「影響はないと思う」の28.4%を大きく上回っていました。

 

 

私は個人的には、自分の姓に拘るよりも、自分の配偶者や子供と同じ姓でいる方を優先したいと考える方です。ちなみに私は結婚して妻の姓になりましたが、特に抵抗はありませんでした。

 

皆さんは、夫婦別姓についてどう思いますか?


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