江戸時代における日本人の識字率は30%を超えていたと言われています。その中でも江戸の識字率は70%以上だったようです。同じ頃のロンドンの識字率は20%で、パリは10%以下ですから、日本の識字率がいかに高かったのかが分かります。

 

江戸時代の教育機関といえば寺子屋が有名ですよね。寺子屋は、庶民の初等教育施設で「読み、書き、そろばん」といった基本学習が行われていました。

 

寺子屋での教育方式は、全て個別指導でした。現在の学校のように、子供たちに対して一律に教えるという形式とは全く異なります。師匠である先生は、子供一人ひとりに課題を与えて助言や指導を与えていました。江戸後期には、寺子屋は5万以上も存在していたようです。


先生は、武士や浪人が大半だったようですが、僧侶・神主・医者などもいて、女性の指導者も珍しくなかったようです。教室は、一般的に先生の住居の一室が利用されていました。

 

寺子屋に入る年齢は特に決まっていませんでしたが、大体かぞえで78歳(現在の57歳)で入り、在学期間は平均5年くらいでした。寺子屋で学んだ子供のうち、1割くらいはが学者が専門的な知識を教える私塾に入りました。私塾には、吉田松陰の松下村塾、シーボルトの鳴滝塾などがありました。また、寺子屋とは別に、藩が庶民のための教育機関として作った郷学というものもありました。

 

 

一方、武士は藩校という各藩がお金を出して作った教育機関で教育を受けていました。藩校の多くには定期的に試験があり、それに受からないと次の段階には進めないようになっていました。江戸の中期以降は、藩校で優秀な成績を収めると、重要な役職に就けるようになっていたので、必死に勉強をしていたようです。


(日本人が知らない江戸時代)
○日本人が知らない江戸時代
○江戸時代の農民は収入が増えたが年貢は増えなかった
○大規模な治水工事が江戸時代に行われていた
○都市が発達し街道が整備された江戸時代
○江戸時代は法治社会だった

○江戸時代に整備された上水道
○江戸時代に森林が保全された