前回分は


朝の目覚め パラレル 01



朝の目覚め パラレル 02



朝の目覚め パラレル 03



朝の目覚め パラレル 04



で お読み下さい。







誰一人いなくなった街を 一人で 彷徨っていたこと。

自分が何者か 全く分からないこと。



名前が 洋一 という事以外 全く 記憶がないこと。



長いこと 人に出会っていないこと。



などを 繰り返し 訴えたが 全く信じてもらえなかった。





長い 一日の 取り調べが 終わり 留置場に 閉じ込められた。



ただ 洋一は 今日の一日が 苦痛ではなく むしろ うれしかった。



なにしろ 久しぶりに 自分以外の 人間に たくさん出会えたことと・・・。



そして 何より 取締りとはいえ 他人と たくさん 話が出来たからだ。



留置場も 満員だった。




洋一は 超不審人物として 一人で 留置された。



( しかし どういうことだ? なんで 急に たくさんの人が 現れたのだ?  今までの 一人ぼっち 長時間の さすらいの意味は 何だったのだろうか? )




そんなことを 考えながらも 久しぶりに 他の人と 会えて 話が出来たことで 変な 安心感から 間もなく 深い眠りについた。




翌朝 目が覚めた時は 当然のように 留置場の中だった。



しかし、何かが 昨日とは 違う気がした。



静かで 物音一つしない。




( 以下 次回へ )