比較神話学をご存知ですか?
世界各地の神話を収集し、比較することで、人類普遍のテーマを見つける。
あるいは、人類の移動を推理することもあります。
たとえば、「バナナ型神話」と呼ばれる神話があります。
ある日、神様が人間のところへやってきて、
「バナナか石か、好きな方をあげよう」
と言うんですね。
人間は、迷わずバナナを選びます。
そりゃそうですよね(^^ゞ
石もらったって仕方ないし……。
でも神様は、
「石は不老不死の象徴だった。でもあなたはバナナを選んだから、人間はすぐに腐ってしまうだろう」
と教えるのです。
それを先に言ってくれればいのに、意地悪だねぇ(^^ゞ
でも、あれ?
この神話、どこかで聞いたことがありませんか?
そう。
日本神話では、木花開耶姫(このはなさくやひめ)と、岩長姫の話として伝わっています。
瓊瓊杵(ににぎ)が、木花開耶姫だけを妻にして、岩長姫を拒んだから、人間の寿命は花のように短いのだ、と、日本神話では伝えています。
この神話の類型は、東南アジアあたりによくみられるんですね。
それはなぜでしょう?
一つ考えられるのは、
「人間の考えることなんて、似たりよったりだからさ」
ってこと。
そしてもう一つは、この神話を、東南アジア一帯を移動しながら伝えた人々がいたからって考えです。
日本には縄文型神話と呼ばれる海洋民族(あるいは南島の人々)が伝えたと考えられる神話と、弥生型神話と呼ばれる農耕民族(あるいは中国や朝鮮半島の人々)が伝えたと考えられる神話があります。
木花開耶姫と岩長姫の神話は、縄文型神話と呼べるでしょうね。
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