$・・・この先生キノコるには。-キノコスーツキノコ愛好家にはうれしい(?)
新しい埋葬法の提案、  キノコ葬  はいかが!?

Jae Rhim Lee という生物学に造詣の深いアーティストが
あらかじめ菌を仕込んだ服を着せて埋葬し、
そのまま土に還ろう、エコだよね!! ききーのっDASH!
っってな提案をしてる訳です。

現物を着て披露してるのが、その女史自身。
最初にコレを知ったのはこちら・・

 → 【ロケットニュース】死んだら土に還してくれる「キノコスーツ」登場
最近、海外の生物学に長けたアーティストが、まったく新しい死後のスタイルを提案している。彼女は、なんとキノコの菌糸を張りめぐらせたスーツを開発。これにより死後、キノコが死体を分解して土に還してくれるというのだ。


・・・ですが、この記事もけっこう誤解あるというか、キノコ素人の記者が書いてるので
的外れな方向のコメントになってるのが残念。
って事で独自に補足させてもらおうというのが今回の内容です。
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■ 無限埋葬計画
そもそも、このキノコスーツは
彼女が提唱している Infinity Burial Projecthttp://infinityburialproject.com/)の一つになります。
その過程で菌による埋葬に焦点を当てたのが面白い所。
$・・・この先生キノコるには。-キノコスーツ2
最初は菌が繁殖した土壌、つまり シロ を遺体にかける事で
分解を早めようという方法だったのだが、
ならば最初から遺体に仕込んでしまおうというのがこれだ。
栄養素を含む液体培地や、菌の成長を促す物質をセット にして
服を菌床の状態にしようとしている。

服の菌糸状模様は本物ではなく
デザイン的な意匠として作られたものだが。
この中にそういった 菌セット が仕込まれるのである。

ただ、これはこれで面白い発想ではあるが・・
土葬 が一般的ではない日本からすれば
実の所、火葬 した方が早いし衛生的だよねと感じてしまう。
通常は死後、長くても四日あれば燃やされるのだから。

そこは土葬のある国の事情ってやつで、
海外で エンバーミング(遺体保存技術) が発達したのは、
死後に長い距離を移動するなどの、長期保存しなければならない社会背景もあるのだ。
保存処理をする際に体液を防腐剤と入れ替えるため、
長期に渡り腐りはしない、つまり病原菌の繁殖は防げて、見た目は衛生的だが
遺体に施された処理による有害な科学物質が土へ還る問題も出てくる。

そこで・・・、そんな有害物質もろとも菌に分解してもらおうという意図も出てくる訳だ。
もっとも、そんな万能菌は今は存在しないので、その方面の研究を女史は訴えているのだ。
なにも死体だけではない、廃棄物処理の面からも応用分野は広く、
宇宙船の廃棄物処理ユニット としてとか、汚染土壌の除染 だとか、色々と提案されている。

$・・・この先生キノコるには。-キノコスーツ3

■ キノコの墓へ
うーん、もし日本でこのような形が許されるのなら実験台になってもいいな (゚∀゚ ) アヒャヒャ
自分の墓に毎年、キノコがわんさか生えてきたら壮観だろうなあ・・・・。

ってな訳で、関連して思い浮かべるのが 「死体キノコ」 ですね。
自然界でも動物の死骸が埋まってる場所から生えるキノコがあるので、
どうも一般の人は 体からキノコが生える というイメージが強いが、それは間違いビックリマーク

キノコが生体組織を分解しているのではなく、
バクテリアが分解した後にアンモニア成分が残り、窒素成分を求めて植物の根が伸びる。
こうした環境に集まってくるのが 「好アンモニア菌」 であり、
そのうちの子実体を作る菌根種が地上へ顔を出して 「死体キノコ」 と呼ばれるのである。

昆虫クラスならば 冬虫夏草属 のような体からニョッキリ生えるケースがあるものの。
大きな動物や、まして人体から生えるキノコはまず無いと言っていい。
「まず」というのも・・・、肺の中にキノコが生えたとか、草が生えたとかは症例あるからね。

(1989年、千葉大学病院でアレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断された患者から
スエヒロタケの菌糸が発見された。ヒトヨタケも感染例が報告されている。)


だからこの 「キノコスーツ」 も人体にキノコが生える訳ではないと思われる。
キノコ菌が繁殖すれば、バクテリア類も集まりやすくなり、
その相乗効果が結果的に有機分解を進めると考えたほうがいいのかも知れない。
もし、人間ほどの有機物質を単独で 食べられる キノコ種があったら、それはそれで怖い。
まあ・・・是非とも ボディ・ファーム で実験してもらいたいところだ。

 ボディ・ファーム(Body farm/死体農場)
1981年、テネシー州ノックスビル、テネシー大学の人類学の実験施設として作られた。
自然環境下での死体変化を観察するもので、FBIや法医学研究者によって活用されている。
試験体は善意の献体によるもので、屋外や屋内、土中や水中など様々なケースでの死後の変化を観察し、死亡時間の割り出しをはじめ、死体における虫や菌、植物や揮発物質について詳細なデータを研究している。

  参考 → 【ニコニコ動画】死者の謎掛け - 死体の伝記 1/2
      ボディファームのドキュメント番組。グロ耐性があって興味のある方はどうぞ。

とは言え、将来 葬儀屋の広告に 「キノコ葬 有りマス」 なんてあったら嬉しいな!!
そうだとも、俺が死んだら花よりキノコを生やしてくれ (___~___) オバケ
   END
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