投球 | 【続】ネコ裁判  「隣のネコも訴えられました。」

投球

2006-03-14 15:22:25


カメラをポケットにしまった川畑が屈んだ。

車(ネコ)との距離は相変わらず5~6mを保っている。


しゃがんだ姿勢で何かしている。


……動かない……。

……5秒……10秒……15秒……。


スクっと立ち上がると、左手から何かを摘み上げて………なんと投球フォームっ!!!!!


ヨメさん    「いいかい?」

タロウ     「えっ!?」


そう返したのも束の間……川畑は何かを投げた。




……見えない。

このケータイのムービーからでは、何をどのように投げたのかが見えない。


ただ、間違いなく自分の車(上に乗っているネコ)に対して何かを投げている様子だ。


ヨメさん    「もう一回いくよ。」


その声と同時にケータイの中の川畑は、第二の投球フォームを取っている。


タロウ     「あ。投げた。」


また何かを投げた様子。

だが相変わらず何を投げたのかわからない。


タロウ     「なにやってるんだろ?」

ヨメさん    「なんだと思う?」

タロウ     「…………。」


怪訝にケータイを覗き込むワタシをよそに……川畑は第三……第四の投球をする。


タロウ     「あっ!!」


四投目……BMWの上に乗っていた白いネコがピクリと反応した。

どうやら川畑の投げた何かが当たったらしい……。


周りをキョロキョロと見回す白いネコ……。

暫くして車から降りて……どこかへ歩いて行ってしまった。


タロウ     「なんか投げてたよねぇ……。」

ヨメさん    「うん……。」


と言うか……投球フォームの前の動作を考えると、投げたものは「アレ」しか想像できない。


ヨメさん    「どう見ても……。」

タロウ     「石……拾ってたよねぇ……。」


でも、まかさ……


タロウ     「自分の大事な車に向かって、石投げるか?」

ヨメさん    「普通はね……。」


そこが問題だ。

なにせ「川畑」である。


常識の範囲で、全てが予測できるなら……そもそも「ネコ裁判」は有り得なかった……。

そうだろう?


タロウ     「どう見る?……ヨメさん?」

ヨメさん    「どう見る?……タロちゃん?」


暫くの沈黙の後……二人声を揃えて……


タロウ・ヨメ  「前の3投は?」


……いったいどこに飛んで行ったのだろう……。


……………。


タロウ     「ところでさ……これいつ撮ったのよ?」


沈黙を破り、聞いてみる。


ヨメさん    「えっとね……洗濯物を入れに行った時だから……1時ちょい前かな……。」

タロウ     「うちが一番忙しい時間だ……。」

ヨメさん    「ふっ……っと外を見たら、なにやら不思議な人がウロウロしてたからさ……。」


なるほど……。


ヨメさん    「どうする?」

タロウ     「どうしよう?」


お互い半笑いの状況で、今後の扱いに困る。


タロウ     「とりあえずそのムービーのデーターをコピーして貰おうかな……。」

ヨメさん    「了解。……でも……。」

タロウ     「『やり方は分からんからやって』って言うんだろ?」

ヨメさん    「その通り。」

                                  投球 イラスト:

ちょっと寄り道……「肉団子」

以下次号……「飼い主は誰?」



※只今「ネコ裁判」出演者募集 しています。

※追記:雑談用作りました。記事と関係の無いコメントはコチラ へ 2006.06.21


※中京TV「聞いてみやぁ!」 更新。   社内派閥ってあります?うちは無いです。