肉団子 | 【続】ネコ裁判  「隣のネコも訴えられました。」

肉団子

肉団子好きですか?

ミートボールってやつですよ。


肉団子と一言で言ってもイロイロ種類がありますよね。


ワタシは中華風の外がパリッと……中がふんわりの甘酢の掛かった肉団子が好きなんですよ。

紅生姜がソースの中にプカプカ浮いてたりしたら更に良しですね。


そういえば昔々……ワタシがまだ小学生だった頃……オヤジは飲みに行くと時々、

餃子と肉団子をお土産に買って来てました。


どこの中華屋で買ってくるのかは知らなかったけど、その肉団子が絶品でね。

学校行く前に大喜びで食べたっけなぁ……。


今じゃそんなクドい物を、朝から食べるなんて自殺行為ですけど……。




さて……話は変わりまして……。


我が家にはヨシコとイチコが衝動買いで買ってきたキンカンの木があります。

多分、たわわに実ったキンカンに、イチコが惹かれちゃったんだと思いますよ……。


まぁ木といっても1m位の鉢植えなんですけどね。


暖かくなって来て、その木にアゲハチョウがやって来るんです。

タマゴを産みに。


ちなみにアゲハチョウの幼虫は、柑橘系の葉っぱを主食に食べます。

……主食って表現はおかしいかな……?


コアラがユーカリだけを食べるように……

パンダがササだけを食べるように……

柑橘系の葉っぱだけを食べます。




時々思うんですよ。

こういう「これしか食べない(食べられない)」って生き物は可哀想だなって……。

だって「今日はアレ食べよ」とか「これ好物なんだよね」って考えたり思った事無いんでしょ?


美味しいもの好きなワタシとしては耐えられない。




すいません。話が逸れました。


で……ある朝、そのキンカンの木を見てみると……そのアゲハの幼虫が山のように……。


まだ生まれたばかりの様子で、大きさは5mm~1cmほど。

でも数がハンパじゃありません。

1m位の鉢植えに30匹以上いるんですよ。


いやね……いくら街中でアゲハちゃんの産むべき柑橘系の木が少ないとは言っても……

この密集具合はいかがなものかと……。


こんな小さな幼虫君でも、さすがに30匹もいると既に葉っぱはガリガリの穴だらけ……。

このままガリガリムシャムシャされたら……1mの小さなキンカンの木なんて

あっという間に丸裸になっちゃうでしょ。


アゲハチョウも、もう少し需要と供給のバランスを考えて産卵しないとっ!!

日本みたいに輸入に頼るわけにもいかないんですからっ!!


なんて心の中で独りツッコミを入れながら、可哀想だけど取ってしまう事に……。


でも全部取っちゃうのも可哀想だし、イチロウとイチコの情操教育にもなると思って

精鋭を5匹程残してみました。


これなら小さなキンカンの木でも、何とか賄えるでしょう。




鳥のフンみたいなイガイガした幼虫ちゃんもスクスクと育ち……

イチロウも学校に行く前に毎日チェックするようになった今日この頃……。


イチロウ    「父さーん。幼虫ミドリになってるよ。」

タロウ     「ほーー。脱皮したんだな。」


そう……アゲハの幼虫は最初、白と黒のイガイガした……まるで鳥のフンのような形をしています。

それが何度目かの脱皮で、緑色した両サイドに目玉模様のある形にフルモデルチェンジするんですよ。

知ってました?(参考


タロウ     「この次はサナギになるんだぞ。」

イチロウ    「ふーーーん。」


こういう事に興味を持つ事は良い事です。


その二日後……。

学校に行きかけたイチロウが大慌てで飛んで戻ってきて……。


イチロウ    「父さん!!大変だっ!!アゲハの幼虫が2匹になってる!!」


と……。


タロウ     「昨日までは5匹いたのになぁ……。」

イチロウ    「どこいったんだろ?」

タロウ     「さてなぁ……鳥に食べられたのかなぁ……。」

イチロウ    「臭いツノ攻撃は?」


アゲハの幼虫は、突付かれると臭い臭いミカンの腐ったような臭いのツノをニョキンと出します。

それがかなり臭いっ!!

本当に臭いっ!!


何度もイチロウとイチコに見せてあげていました。

こういう事を学ぶ事も良い事です。


タロウ     「臭いツノ攻撃は……効かんだろう……鳥相手じゃあ……。」

イチロウ    「そうなんだ……。」

タロウ     「まぁ臭いツノ攻撃は気休めみたいなもんだな……。」


そうです。

確かに臭い臭いツノですが……元々食べようとしている鳥なんか、気にするはずも無いでしょう。

イヌが砂ついてても肉食べるのと一緒です。




その日の夕方……幼虫はついに1匹になってしまいました。


イチロウ    「やっぱり鳥が食べるんだね。」

タロウ     「そうだろうな……。」


ちょっぴり沈んだ夕御飯でした。

命の大切さと、自然の厳しさを分かってくれてる様子でした。




その2日後の日曜の昼……。

ワタシがキンカンの木に水をあげに行くと……。


足元でブ―――ン……ブ―――ンと……。

見てみると……


アゲハの幼虫がハチに肉団子にされてた……。


犯人は鳥じゃなくてハチだった……。


暫くして持って行かれたアゲハの肉団子……。

きっとお土産なんでしょうね……。




肉団子好きですか?

ミートボールってやつですよ。


肉団子と一言で言ってもイロイロ種類がありますよね。

ワタシは中華風の外がパリッと……中がふんわりの甘酢の掛かった肉団子が好きなんですよ。





明日は本編……「飼い主は誰?」