この辺境の地な拙宅の1周年になんぞとやりだしております変な企画っぽいもの「妄想、募集中です!?」にてqwerty様からいただきました続きリクな
の続きっぽいちょっぴり無垢過ぎ彼女×だいぶギリギリ彼氏。前編の次なものにてござぁい。
( ´ ▽ ` )ノ



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ぽたり…ぽたり……と、お風呂上がりの濡れた髪から滴る水滴をふかふかのタオルで拭き取る。
大きな鏡に映っているのは、不安気に揺れてはいるが深く意思を秘めた瞳をした彼女。
本当の恋人にしてくれだなんて大胆な事を口にした彼女だが……いくら少しばかり劇的にリニューアルを果たしたとは言え、彼女が最上キョーコであることをゆめゆめ忘れる事なかれである。
そう、彼女はやはり斜め明後日に逸れて捻じ曲がり気味な方向へと突っ走っていた。



そこらの高校生の方がよっぽど進んでいそうなおもはゆく幼いレベルのお付き合い。
そんな遅々として進展をしない交際の日々を経て、彼女が辿り着いた思考。
それは……彼はああ見えて肉食系な遊び人の皮を纏った草食系、つまり『アスパラベーコン巻き系男子』であるのではないだろうか?
と言ったものであった。
だって、あのルックスである。放っていても向こうからガンガンアピールが降るようにらあっただろうから自分からガツガツなど行く必要もなかっただろう。現に彼はスキャンダルナッシングな恋愛初心者であったではないか……で、あるならば恋人のそんな消極性を補うのは、彼女である自分でなければならない。
だから!わたくし、最上キョーコ、肉食系『女豹女子』になりますっ!!
などと、キョーコを知るものが聞けば「無理。」と即答してくれるだろう決意を抱いて全力で迷走していたのである。

 


一方、所変わって個人保有とは思えない充実っぷりのトレーニングルームに設置されたシャワールームでは、世の女性垂涎であろう敦賀蓮のシャワーシーンなんぞを披露している彼。
だが、まるで滝行かのように頭から冷水を浴びまくっている彼はぐるぐるとそれはもう最上の坩堝に嵌ってしまっていた。



本当の恋人にしてほしいと言った彼女。
彼女は、お風呂、お借りしますね?なんて純情乙女らしからぬスムーズさで硬直した彼をソファーにひとり置き去りにして行っていた。
それを呆然と見送った後、マナーとして彼もシャワーを浴びるべくノロノロとやって来てはみたものの……
これは、夢か?俺の願望が見せる夢か?だって、あまりにも都合が良過ぎる……このまま、欲のままに彼女を自分のものにしてしまって大丈夫なのか?なにかの罠じゃないのか?
なんて、あまりにも難解な片想いを続けていた後遺症のような疑心暗鬼と
本当に彼女はわかっているのか?
1度でも……彼女を腕に抱く禍福を手にしたなら……きっと、際限なく欲しがって2度と離せやしない事なんかをちゃんと理解しているだろうか?
そもそも、こんなにギリギリなまでに煮詰まってしまっていて彼女を恐がらす事なく彼女にペースを合わせて優しく、最後まで暴走せずにいれるのか?俺は?
なんて疑惑で満載になってしまい……
頭から冷水をただ浴び続けてしまっていたのであった。





気が付けば何時もよりもずっとずっと長くそれこそあのカインを演じていた時ばりにシャワータイムを取っていた彼。
濡れ髪すら艶かしい帝王の色気を醸す蓮は、本当にこのドアを開けた先のそこに彼女はいるのだろうか?何度か彼女を宿泊させたあのゲストルームにでもこもられていたら?今更オアズケなんて事になっならどれだけ凹めばいいのか……なんて事を考え、自分の寝室のドアの前で固まっていた。
ミネラルウォーターで潤した筈なのにヤケに喉が渇いた感じがして、初めてカメラの前で演技した時より、それこそ初体験なんかよりずっと緊張してドコドコと心臓が煩く跳ね回っているのがわかる。
ゴクリと喉を鳴らした蓮の手がドアノブを掴み、ゆっくりとその扉を開いた。




蓮の寝室、そこにあるのは彼の体躯に合わせた大きなサイズのベッド。




期待と不安で綯交ぜになった彼がのそりと覗き込んだ部屋の中………そこに、彼女はいた。




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あぇ?なんか長くなってしまいました。
予定では前後編で終わる筈だったのになぁ……
(´Д` )


寝室行っちゃいましたけど……ヘタ蓮?の…つもりな…予定です。
もうちょいと、お付き合いお願いしやすのよ?



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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