この辺境の地な拙宅の1周年になんぞとやりだしております変な企画っぽいもの「妄想、募集中です!?」にてqwerty様からいただきました続きリクな
の続きっぽいものにてございます。
( ´ ▽ ` )ノ



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彼は、意外であったのか当たり前であったのか……翻弄されっぱなしであった。そう断崖絶壁な崖っぷちにでも追い込まてしまったまでにギリギリに。
こと世の世論一般に於いては恋愛、より一歩踏み入れて表すならば色ごとに関して百戦錬磨で経験豊富な遊び人とも手練れとも思われいる彼、敦賀蓮。
彼は、その広大と言える寝室のベッドの上、最愛なる彼女を腕にガックリと項垂れ途方に暮れていた。



コミカルな表情を浮かべた鶏の中、そんな彼が嘘を吐かぬと思えるそこで彼の本意と想い人の正体を知った彼女。
多少逸れたものであるとはいえ愛されている自覚と自信をちょっぴりと手にした彼女、最上キョーコ。
恋を叶えた彼女は実に愛らしく花開き、素直にスキンシップさえ求めた……ただ、それは無自覚無邪気で残酷なほどに無垢過ぎたけれど。
彼女は、はじめての恋人の腕の中、そのたまらなく良い香りと熱に包まれ頬を赤く染め、ほにゃりと溶けたように愛くるしく微笑んでいた。



あの傍迷惑なまでに本気な愛の使者なんかに目をつけられる要因であった愛したくも愛されたくもないという恋愛拒絶の根の深い病持ちだった筈の彼女。
神に逆らう決意を持ち、いつか……そういつか、彼女の逃げ道も外堀も塞ぎ、否と言われる確率を下げに下げて囲い込んで絡めとってやろうと密かに企んでいた彼に、その彼女がある日コロッとその病を克服したとばかりに思いもかけずに手中に転がり落ちてきてしまったのだ。
まだ己の本当の姿と名前、架した罪も開かせずにいて、更には幸せになる覚悟さえ出来ぬままの彼に、あまりなも唐突に。
然りとて、彼に彼女を拒絶など出来る事もなくはじまった『男女のお付き合い』。
それは、彼に顔の崩壊を招く降って湧いたような禍福と………枯れた輪ゴムの理性を必死に掴み取り繋ぎ止める懊悩の日々をもたらすものであった。




いつもの様に多忙なスケジュールの隙間を縫うような蓮のマンションでの逢瀬。
蓮の食生活には口うるさいまでのキョーコが作った美味しい食事を取った後、ゆったりとソファーで蓮の淹れた薫り高いコーヒーを飲みながら寄り添っていたふたり。
ペタッとその柔らかな身体を蓮に寄り添わせ無防備にリラックスしてみせていたキョーコと、そのキョーコにジリジリと煽られた気持ちになってしまっていた蓮。
そんな理性を必死で引き締めそろそろ彼女を送って行かないと危ないかもしれないなんて思っていた蓮を見上げてキョーコは言ったのだ。
「今夜は泊めていただいても……いいですか?」と。
ギシリッと身を硬直させた蓮。
そんな蓮にキョーコは続けた。



「本当の意味で………敦賀さんの恋人にしてください。」



それはもう過去に彼女に色気がないなどと暴言を吐いたヤツを罵倒してやりたくなるような、香るようにどうしようもなく蓮を誘う色香さえ漂わせながら。



ゴクリと蓮の喉から空気を飲む音が響く。
カラカラに渇いたみたいな感じのする喉を震わせて耳障りの良い低音が絞り出される。



「意味………わかって、言ってるの?」



確かめるような、または嗜めるように硬く掠れたその問いに
コクリと……頬を赤く色付かせたキョーコは、小さく微かに、でも確かに頷いてみせたのだった。




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ぐったぐたくっどい三人称、読みづらかったらごめんなさーい。
(´Д` )


新生キョコさんに思いっきり振り回されるヘタ蓮さん………なものになる予定ですが……どうだろうね?
(;°皿°)←基本が暴走か詐欺な蓮さんで、大人紳士だったりヘタ蓮さんを作るのがなかなかに苦手なひと。笑
 


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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