勢いで続けていた「話」シリーズ。
続きを!とのお言葉をちらほらはらりといただいた猫木が調子に乗ったようにて、
な、続きにてござぁい。



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「ねぇ、キョーコ………顔、見せてよ?………キョーコちゃん?」



低い声のおねだりが頭の上から降ってくる。
きゅーんって鳴いてる仔犬な気配をふんだんに含んだ声も、つんつんと髪を軽く引っ張る指先も………
全部、無視っ!
だって、無理なんだもんっ!!




騙し討ちみたいな脅し満載のプロポーズ、そんなものをいきなり私に突き付け要求した尊敬する大先輩であり秘密の片想いの相手。
用意周到に揃えられた必要書類と見るからに三文判でなんかない高級そうな判子と万年筆。
にっこりと輝く笑顔が急かすような脅すようなどうしようもないプレッシャーに負けるように、少し震えながら何か別の契約書の様だと思いながらも書いたサイン。
奪い取るように手元からなくなった書類、その上を走る大きな手が描いた名前とそれを私に見せて
「あぁ、国際結婚になるけどいいよね?」
なんて今更に告げて笑うひと。
ご丁寧にも私がその衝撃に目をまるくしている内に、その届け出書類を手の届きそうにもない高さへと、さも楽し気にしまい込んだ彼が語った長い長い昔話。




辛そうな顔をするひとの手を握り、私も泣いて懐かしさと喜びにその胸に飛び込んだ私をぎゅうっと抱きしめてくれた力強い腕。
全てを聞かせてくれた。
でも、これは夢なんじゃない?なんて思った私がおずおずと問えばそのひとは
「髪はすぐには無理だけど、こっちならね?」
なんて笑ってその瞳から取り出して見せた黒いコンタクトレンズ。
さらりと揺れる黒い前髪の下、あの優しい翠の瞳。にぃっと笑う唇が呼ぶ懐かしい呼び方………と、ハンバーグ王国とかの面映ゆい幼い思い出。
そんな懐かしいきらめくような大切な思い出を一頻りふたりで懐かしむように話していた筈なのに………!!






忘れてた!
すっかり、油断してた!!
このひと、天然タラしでコマしな………フェロモン満載な隠れ遊び人だったのよぅぅぅ!?





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ん?
なんか、もっと可愛らしくいちゃっとした話になる予定だったのになぁ?


あれ?これ、また続くのかなぁ?
(´Д` )



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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