低木 クマイチゴ
味覚から見る違いは、実は葉に比べて甘味や酸味がはるかに勝ることだ。
また、種には脂質が集中生成され蓄えられている。
果実には「木の実」と、トマトやイチゴやスイカやメロンのように「草の実」もある。
木と草の違いはその構造と寿命だが、果実にも大きな違いがある。
木の葉と実は土壌の成分養分の影響はそれほど受けず、葉も実もそれほど肥大しない。
草類は、葉野菜だけでなくスイカやメロンやカボチャなどの実も大きく肥大する。
土中の大根、里芋なども肥料次第でいくらでも大きくなる。
この違いは進化の違いで、木は草ほど表土のコンディションの影響を受けない。
枝や葉や実の数を増やし養分を分散しても、個々の大きさは一定を保とうとする。
草類よりも深く土中に根を張り、表土の浄化と大掃除は草にやらせているとも言える。
その樹木も、キイチゴ、ベリー類などの低木やつる性樹木には液状果実が多く、太く寿命が長い樹木ほど果実は頑丈、かつ巧妙に出来ている。
前者は主に小鳥に、後者は動物の習性に合わせた進化を遂げている。
数多く密生する低木類と、適度な間隔をあけて堂々と枝を広げようとする長寿の高木では繁殖の手法が異なり、種を運ばせる動物を選んでいる。
液状の小さな果実の中に小さな種を無数に仕込んだ「液果」は、キイチゴや他のベリー類などの低木、クワなどの成長の早い中木に多く、主に鳥類がその対象だ。
高木でも鳥を対象としたものは、液果ではなく比較的果肉のしっかりしたものが多い。
鳥に目立つようにその色は赤や黄、紺や黒が多い。
寿命の長い高木は鳥ではなく哺乳動物に種を運ばせる道を選び、しかも特定の動物を望み、それなりの工夫をこらしている。
鳥には大きすぎる果肉や種で、しかも硬い果皮で中身を守っている。
ナッツ類がこれにあたり、一個一個丁寧に遠くへ運ばせようとしている。
ドングリ類を一個一個運び出し、土中に埋めて保存、しかも忘れてしまうリス類に一番期待しているのだ。
ご丁寧に発芽しやすい状態にしてくれるのだから願ったり叶ったりだ。
野人と同じく「忘れること」を前提に多くの実を付け、すべての発芽は最初から期待してはいない。
足元や周囲ですべて発芽すれば自滅に繋がり、他は植物族の繁栄に必要な動物達を養う為のものだ。
しかし、鳥にもなかなか破れない硬い殻を造作もなく大量に噛み破るのは猪や熊や猿で、樹木にとってはやや迷惑なことだろう。
これらを抑制、一番タチの悪い猿までも「うんこ」と「かぶれ薬」で撃退した銀杏は表彰ものだ。
つまり、銀杏の実が最も知恵の実と言うことになり、生で毎日一個食べ続ければ・・・
市販の健康サプリが足元にも及ばない「知恵と活力の天然サプリ」となるだろう。
しかも頑丈な天然カプセルに一個一個保護され生きているのだ。
そのうちに脳ミソも腰も絶好調、軽快なステップで踊るように食べるはずだ・・・
これを・・木の実の「踊り食い」と言う。
2009 10月 木の実ガイドの一日
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