カイジの地獄チンチロに関する経済的考察 1
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カイジの地獄チンチロに関する経済的考察 7最終章

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チンチロバンクやチンチロ証券、チンチロファンド、チンチロ信託などなどからの、
「まかせて安心」、「貴方なら勝てる」、「投資必勝ガイド」等々の大槻からの勧誘に抗いきれず、カイジは持ち金を全部投資してしまいます。

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結果、全てスってしまう。
スったといっても生活保障があるわけですから、即死するわけではない。
ローンを抱えて働き続けることになる。

ここら辺は地下帝国の国民に限らず世界中の国民国家における大衆といっしょです。
まあ、そういう風に出来ていますよね。
多くの国家で国民から税金を集め、国民に長期ローンを組ませ、それが金融商品になる。
そんなペリカ経済の構図、
いったんカイジもそんな地下帝国の国民の一般的な状況に追い込まれた。

しかし、カイジが他の地下帝国国民と違ったのは、
そこから、さらにもっとカモられた。

給料の前借りの前借り、本来なら9万1000ペリカもらえるはずの給与が、
次の次の給料まで前借りしてのチンチロ投資をおこなってしまった。
結果、大負け。

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それが45組と呼ばれる地下帝国の負け組。
9万1千ペリカの前借りの給与は6万ペリカとみなし3万1000ペリカのピンはね。
金利でいえば年利34%、再度の前借りは4万5千ペリカとみなす、年利51%にものぼる暴利といえば暴利。

しかし、ここでカイジは気付く、チンチロ金融の仕組みに。
456賽による出る目の役、確率変動リスク。

カイジの本編の中ではまるで大槻班長が恣意的に、つまりは班長が勝ちたいときに456賽を振ってくるかのように描かれていますが、
実際は違うようです。

そもそも456賽というのは、チンチロ相場を金融セクションの勝ちにもっていくことが狙いなのです。
つまり、顧客に対して向い玉をぶつけて必ず勝つ、という先物取引業者の手法に近いものです。
しかし、このチンチロ金融は公正な取引の場、そういう常識。
だから、都市銀行や大手証券会社と同様に信用力のある振る舞いでなければならない。
チンチロ金融が商品先物や闇金融と同じだということがバレてもらっては地下帝国の社会不安につながるのです。

456賽は100%勝つ、
そしてチンチロという小さな茶碗の立会い、ザラバの中、公然の取引では、
ほぼばれない。
なぜなら、、(ここら辺はカイジ本編のネタばれになるのですが)6面を持つ立方体は同時に3面しか視覚的に補足できないので仕込みがバレないんです。

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地下帝国唯一の大手金融機関である大槻班長サイドでの問題は、いかにこの456賽を急所で仕掛けるか?が鍵なんです。
マーケットタイミングですね。

もし、金融機関が自社に都合のいい取引きをおこなっているかが地下帝国の国民に正確に伝わってしまうと、誰もチンチロ金融、チンチロバンク、チンチロ証券を利用しなくなる。

結果としてペリカの取り付け騒ぎ、金融破たん。

そんな危険な可能性。
だから、慎重、あくまで忍耐強い大槻とその一味。
そして金融機関として必須のマインド面を併せ持つ。
その性格は堅い、辛抱強い、細かい、
しかし卑屈、権威主義、嫉妬深く、執念深い。
そこら辺を読んでのカイジの仕掛け。

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まず45組の私募を中心にヘッジファンドを設立します。
このカイジファンドがチンチロ金融に挑む。

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それがカイジの地獄チンチロ編の真の姿なんだと考えられます。


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