カイジの地獄チンチロに関する経済的考察  1

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カイジの地獄チンチロに関する経済的考察 7最終章

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カイジが地下帝国に囚われて、工事現場で重労働を強いられるという状況はまあ理解できたんですが、この地下帝国のシステムは意外と手がこんでいるんです。

何が手がこんでいるかというと、この地下帝国では独自通貨ペリカというのを発行していることなんです。
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カイジたち多重債務者に返済の責務を負わせるだけであれば、何もこのような帝愛独自通貨ペリカを発行する必要はないと思うんですね。

日本円で普通に払えばいい。
日本円で普通に回収すればいい。
それなのに、わざわざペリカ。

このペリカというのは、お札に兵頭の顔が印刷された地下帝国独自の通貨です。
それが、流通している世界。
つまりは、日本国内でありながら別の経済世界を構築している状態。
いうなれば、金融的な別の国家経済システム。
それがペリカ経済圏。
ペリカと円の為替相場は、10ペリカが1円の固定相場。

通貨が異なるという意味では、この地下帝国とは日本とは異なる経済圏。
日本と商取引のある別国家の体系を成しているのです。

この地下帝国にはカイジたちが所属するE班で23名。
A、B、C、D、E班まであるとして、体調を崩しているものを考慮したとして、
各班25名が定員。

とするなら、この地下帝国の国民は総人口125名ということになります。

各人、一日働いて得られるペリカが3万5000ペリカ
26日働いて一人あたり91万ペリカ/月、年間で1092万ペリカ。
それが125名いるとして、13億6500万ペリカ。

これが地下帝国の国民総生産、GDP。

一人あたりの、
一日の労働報酬3万5000ペリカのうち、2万ペリカが返済。
そして、施設費、食費として1万1500ペリカが天引き。
手元に残るのが3500ペリカ、その26日分が9万1000ペリカです。

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GDP13億6500万ペリカのうち、
返済7億8000万ペリカ、施設費、食費が4億4850万ペリカ。
1億3650万ペリカが年間消費量。
この内訳は、返済分は、金利をストップしてもらって元金の支払いのみとなっているため、借金を抱える国民にとっては、いうなればマイナス金利、言ってみれば強制的な地下帝国の国債。
施設費、食費によって生活を保障する国民への税金と捉えてみてもいいでしょう。

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その中で、流通している商品は4種程度。
ビール350mlが5000ペリカ
ポテトチップス1袋3000ペリカ
焼き鳥7000ペリカ
柿ピー大袋1000ペリカ
柿ピー小袋500ペリカ
柿ピー3粒100ペリカ
これらは全て地下帝国外部から持ち込まれた、いうなれば輸入品目。
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その他、1日外出券50万ペリカ、個室使用1日15万ペリカといった、
権利行使のための金額が設定されています。

カイジたち労働国民は、二日に一回ビール1本+つまみで平均8000ペリカを消費するとして、8000ペリカ×13日×12ヶ月×125名で、1億5600万ペリカ。

国民年間消費量の1億3650万に対し、消費欲求がほんのちょっと1950万ペリカ
上回っているというなかなか、素晴らしい国家の舵取りです。
各国民が、毎日あと500ペリカ使いたい、、と思っている。
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ちょうどブレジネフ時代の旧ソ連のように配給品目総量に対して、
各国民があと少し収入があれば、、、
とデパートの陳列棚を垂涎の眼で眺めている。
そのような状況が、
ビールとポテチと焼き鳥、柿ピーという4品目で成立されているわけです。

つまり、この地下帝国は旧共産圏のような統制経済国家体制。

国民の生活は、最低限の食事から居住場所まで保障されている。
帝愛が発行する
ペリカという日本円としか為替交換市場が存在しない、
固定相場の独自通貨をもつ閉鎖経済圏なのです。
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輸出品目は、返済というマイナス金利の国債発行。
輸入品目は、ビール、ポテチ、焼き鳥、柿ピー。

貿易収支は微妙なバランスで維持。

工事現場で塵肺に倒れたら、即国家体制を揺らがすような事態になるんです。
実際、カイジたちE班は23名で、大部屋は73畳もありますから、本来立って半畳寝て一畳と言われますので、本来の定員73名に対し23名では、人口密度が大幅に減少してしまっており、完全に過疎化が進んでいますよね。

そのような国家体制をどう維持していくのか、、、
それが非常に重要になってくるわけです。

3につづく

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