【応用スキル】トラブル対策の手順(4)【③対策案策定】
今回のテーマはこれです。
【問題発生時の処置フロー】
①現状確認
②発生原因推定
③対策案策定
④対策実施
⑤対策実施結果フォロー
⑥再発防止対策策定
「③対策案策定」
発生したトラブルの状態と、その原因と思われる事象が明確になったとします。
対策案とは、「正しい状態」と「問題のある状態」との差を埋める方法なので、きちんと現状把握と原因推定ができれば、自然と対応策は決まっていきます。
しかし、トラブル対応は往々にして時間との闘いです。
「正しい状態」と「問題のある状態」との差を完全に埋めるのか、時間を優先するのか、状況によって難しい判断を迫られることになります。
例えば、いくつか出た対策案の性質が次のような場合、どれを選ぶべきかということです。
(a) 完全に元の正しい状態まで確実に戻せるが、納期や締切を超えてしまう。
(b) 完全に元の正しい状態まで戻す方法はあるが、新たなトラブルを生むリスクが高い。
(c) 納期や締切に十分間に合うが、当初達成できそうだった仕様まで到達しない。
(d) 納期や締切に十分間に合い、完全に元の正しい状態まで確実に戻せるが、費用がかかり過ぎる。
一般的に、いいものにしようとすれば、時間とコストはかかります。
ましてやイレギュラーな状態を正常な状態に戻す場合、どこか無理が生じる可能性があります。
「品質/仕様」・「時間」・「コスト」・「リスク」
少なくともこの4つのバランスを見ながら対応策を決定しなければなりません。
優先すべきは「品質/仕様」です。
「時間」と「コスト」を気にするばかり、「品質/仕様」が使用に堪えない状態で送り出してしまうと、後日それが大きな問題となって跳ね返ってきます。
そして、問題は先送りすればするほど、対応するのに「時間」と「コスト」が膨らむばかりか、「信頼・信用」の失墜という問題が出てきます。
したがって、(d)という選択肢を一番に選択すべきと考えていますが、企業は利益を優先するあまり目先の費用に囚われて中途半端な対応をすることがあります。
「早い時期の対応が全てを好転させる」ということをよく考えるべきだと思います。
しかしながら、完全に元の状態にすることが難しい状況というのは必ず出てきます。
(a)のような、やればできるが時間がかかり過ぎて当初の納期や締切を大きく逸脱してしまう場合や、(b)のような、やることでかえって問題が大きくなる可能性がある場合、完全な状態にまで持っていくことが良いかどうか、判断することになります。
客先など相手に状況を説明し、理解が得られるのであれば(a)を選ぶべきですが、必ずしもそういう状況にあるとは限りません。
最も望ましい状態にはならないけれど、品質・仕様は基準ラインをクリアできる、そのような対策がある場合、(c)という選択肢もありです。
「時間」×「費用」×「リスク」を最小にするというイメージだと思います。
現実にはもっと足枷が出てきますが、それらを総合的に判断した上で、送り出した後に問題が起きないと確信できる「品質/仕様」に持っていける対策案を取るようにしましょう。
そして、確信が持てないのであれば客先にそれを伝える勇気をもつことが大事です。
ここでもうひとつ、押さえておくことがあります。
対策を行った結果、何を評価して、それがどの程度だったらOKと判断するのか、ということです。
すなわち、監視ポイントの定義です。
最終的には「品質/仕様」が基準レベルを満足するか、という視点で対策の評価を行うのですが、評価を行うためのデータがなければ判断できません。
したがって、対策中、何を監視しておくべきか、対策後、何を評価して判断するか、これを事前に決めておき、実際に対策をする人たちへ周知しておくことがとても大事です。
【まとめ】
対応策は、「品質/仕様」を優先した上で、「時間」×「コスト」×「リスク」が最小となるものを選択する。
対策中の監視ポイントと、対策後の評価を事前にまとめておく。
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【問題発生時の処置フロー】
①現状確認
②発生原因推定
③対策案策定
④対策実施
⑤対策実施結果フォロー
⑥再発防止対策策定
「③対策案策定」
発生したトラブルの状態と、その原因と思われる事象が明確になったとします。
対策案とは、「正しい状態」と「問題のある状態」との差を埋める方法なので、きちんと現状把握と原因推定ができれば、自然と対応策は決まっていきます。
しかし、トラブル対応は往々にして時間との闘いです。
「正しい状態」と「問題のある状態」との差を完全に埋めるのか、時間を優先するのか、状況によって難しい判断を迫られることになります。
例えば、いくつか出た対策案の性質が次のような場合、どれを選ぶべきかということです。
(a) 完全に元の正しい状態まで確実に戻せるが、納期や締切を超えてしまう。
(b) 完全に元の正しい状態まで戻す方法はあるが、新たなトラブルを生むリスクが高い。
(c) 納期や締切に十分間に合うが、当初達成できそうだった仕様まで到達しない。
(d) 納期や締切に十分間に合い、完全に元の正しい状態まで確実に戻せるが、費用がかかり過ぎる。
一般的に、いいものにしようとすれば、時間とコストはかかります。
ましてやイレギュラーな状態を正常な状態に戻す場合、どこか無理が生じる可能性があります。
「品質/仕様」・「時間」・「コスト」・「リスク」
少なくともこの4つのバランスを見ながら対応策を決定しなければなりません。
優先すべきは「品質/仕様」です。
「時間」と「コスト」を気にするばかり、「品質/仕様」が使用に堪えない状態で送り出してしまうと、後日それが大きな問題となって跳ね返ってきます。
そして、問題は先送りすればするほど、対応するのに「時間」と「コスト」が膨らむばかりか、「信頼・信用」の失墜という問題が出てきます。
したがって、(d)という選択肢を一番に選択すべきと考えていますが、企業は利益を優先するあまり目先の費用に囚われて中途半端な対応をすることがあります。
「早い時期の対応が全てを好転させる」ということをよく考えるべきだと思います。
しかしながら、完全に元の状態にすることが難しい状況というのは必ず出てきます。
(a)のような、やればできるが時間がかかり過ぎて当初の納期や締切を大きく逸脱してしまう場合や、(b)のような、やることでかえって問題が大きくなる可能性がある場合、完全な状態にまで持っていくことが良いかどうか、判断することになります。
客先など相手に状況を説明し、理解が得られるのであれば(a)を選ぶべきですが、必ずしもそういう状況にあるとは限りません。
最も望ましい状態にはならないけれど、品質・仕様は基準ラインをクリアできる、そのような対策がある場合、(c)という選択肢もありです。
「時間」×「費用」×「リスク」を最小にするというイメージだと思います。
現実にはもっと足枷が出てきますが、それらを総合的に判断した上で、送り出した後に問題が起きないと確信できる「品質/仕様」に持っていける対策案を取るようにしましょう。
そして、確信が持てないのであれば客先にそれを伝える勇気をもつことが大事です。
ここでもうひとつ、押さえておくことがあります。
対策を行った結果、何を評価して、それがどの程度だったらOKと判断するのか、ということです。
すなわち、監視ポイントの定義です。
最終的には「品質/仕様」が基準レベルを満足するか、という視点で対策の評価を行うのですが、評価を行うためのデータがなければ判断できません。
したがって、対策中、何を監視しておくべきか、対策後、何を評価して判断するか、これを事前に決めておき、実際に対策をする人たちへ周知しておくことがとても大事です。
【まとめ】
対応策は、「品質/仕様」を優先した上で、「時間」×「コスト」×「リスク」が最小となるものを選択する。
対策中の監視ポイントと、対策後の評価を事前にまとめておく。
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