象亮第三十八話「四天王最後の挑戦・序章」(前編) | ミドさんのばった寿司

象亮第三十八話「四天王最後の挑戦・序章」(前編)

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二週間の安静を経て、淳は骨折から復活。


自身の通う一文字工業の屋上、剛経由で亮が前々回拾ったヒートメモリが返還された、


淳「ところで佐渡が変身できなくなってたのは治ったのか?」


剛「うんにゃ、まだみたいだね…」


淳「そうか…もう二週間だから参ってるべ」


剛「いやいや、そこはさすが亮さんだよ、楽天やアマゾンでウソ800(エイトオーオー)探してたからね^^;」


ウソ800とは、ドラえもんの秘密道具の一つで、服用した状態で喋ると言ったことが文字通り嘘八百になる薬品である。


おそらく、亮はこれを飲んで「おれは変身できない」と言えば何事もなかったように変身できるようになるであろうと考えているようだ。


淳「あるわけないだろ…てか一番佐渡に渡しちゃいけないアイテムだよそれーー;」


ウソ800は、使い方を間違うとちきゅうはかいばくだん以上に地球崩壊の危機を招くアイテムとなる。


淳「はっきりいってオラウータンに核ボタンのスイッチを磨かせるのの120倍は危険だーー;」


剛「そうだねえ…いまだにドラえもんが欲しいって本気で言ってるくらいだからね^^;」


淳「あいつ、その一心だけで2112年(ドラえもんの製造年)まで意地でも生き残りそうだな…」


剛「ああ、昔からルパンのマモーやゼクロスみたいに脳みそだけになってでも生き残ってやるとか言ってたねw」


淳「間違っても2112年まであいつを生かしてはいかんな…」


ちなみに、現時点(2009年10月現在)であと100年以上先であることは言うまでもない。


剛「いや、その前に僕たちが持たないって…^^;」


淳「だよな…でも人間が最大何年生きられるかってのはまだ結論が出てないからわからんぞ」




第三十八話「四天王最後の挑戦・序章」




いっぽう、ここは象外鬼のアジト。


象狼「このままでは俺が不利だ、あいつら残りの四天王をなんとか復活させなければ…」


そのとき、象狼の体の本来の持ち主が目を覚ました。


宮口「む…なんだこここは…」


象狼(ち、目覚めやがったか…)


宮口「ん?…おい、誰かいんのかコラ!?」


宮口は象狼の姿であたりを見回す、すると鏡が目に入る。


宮口「な、なんだこの化け物は!?」


ここで象狼は好機とにらみ、宮口に語りかける。


象狼「その狼はまぎれもなく貴様だ…正確には貴様の体を乗っ取った俺だが」


宮口「はぁ!?誰だてめえ?」


象狼「俺は人類を滅し世界を掌握するもの象外鬼のひとり、象狼だ」


宮口「世界?なめたこと抜かすな!世界チャンピオンは俺様のために用意された席だ!」


象狼「俺達に加担すればそんなことすぐだぞ」


宮口「…それはマジか?」


象狼「ほう、喰いついてきたな…てっきり格闘バカはこういう要求は突っぱねると思ってたが」


宮口「バカ言え、世界チャンピオンになるにはてめえの実力だけじゃダメってことくらい承知してる」


おそらく、プロモーターのことを言ってるのだろう。とはいえ、実力がそれなりにないとプロモーターにも金にならないと相手にされないから一は実力だと思うが…。


象狼「ならば単刀直入に言おう、俺の仲間をかき集め、この力を持って仮面ライダーを倒せ」


宮口「仮面ライダー…ああ、あの最近テレビのヒーローの名前かたって現れてるいけすかねえバッタの化け物か」


この説明、象亮に対してであれば全くの正解(象亮は顔が似てるという理由で仮面ライダーを名乗っているおよび呼ばれているだけなので正規の仮面ライダーではもちろんない)である。


象狼「最近は全くと言っていいほどなりを潜めてるが、奴の仲間はあっちこっちにいる、まずはそいつらから潰せ、さすれば勝手に現れるだろう」


宮口「仮面ライダーかたってる奴を倒したとなりゃあ、たとえパチモンでもなみの野郎にゃ倒せねえバケモンにゃあ違いねえからハクはつかあなあ…乗ったぜ」


象狼は宮口の姿に戻り、まずは亮のいる本郷高校を目指した。




本郷高校は昼休みを迎えていた。


亮は、屋上で昼寝をしていた。さも当然のように綾の膝枕で。


亮「…いっかんけんじょ~…だめか…」


寝言でまで何度となく変身ポーズ乗りトライをしていた。


亮「…ちぇんじそ~…せっと~…ぐぉ~…お~ん…まただめか…」


綾「表には出さないけどよっぽどショックだったんだね…変身できなくなったの」


亮のやることなすことには慣れっこの綾も、さすがに心配になっていた。


綾「なんとかしないとりょーくんが持たないかもね…」




いっぽう、こちらは中庭。


亮の象飛蝗がお休みモードなように、一貴の象毒蛇、嵐の象烏賊も同様にお休みモードであった。


そんな一貴と嵐は、将棋に興じている。


当初は全くかみ合わないと思っていたが、しばらく見ないうちにうちとけたようである。


それと同時に当初組んだ目的である「打倒・亮」もどっかへ吹っ飛んだ?


一貴「うし、王手!」


嵐「それを言うならチェックメイトだ」


一貴「どっちでもいーじゃねーか」


嵐「えーと、ちょっと待てよ…」


嵐はチェス盤の上で指を回した。


嵐「石橋よ…どこがチェックメイトだ?」


石橋とは、一貴の通称(大のとんねるずファンであることと一貴自身が若いころの石橋貴明にそっくりなことから)である。


一貴「なにいってんでえ、どうみても王手…あれ?」


言われてチェス盤を注意深く見た一貴だったが、確かにチェックメイトから目が外れている。


嵐「あせらせやがって…ダウトだったらお手付きだぞ」


嵐はそう言って回避。


一貴(おかしいなあ…確かに王手にしたはず)


しかしまだチャンスは一貴にあった。


一貴「それ、王手角取りだ!」


嵐「それビショップ…」


嵐は、ふたたび指を回した。


嵐「いや、ルークか」


さっきまでビショップに見えた駒はルークだった。


一貴「うそぉ!?…って、てめえ、さっきからいかさまやってるだろ!?」


嵐「なんのことだ?」


一貴「とぼけんじゃねえ!さっきから俺が王手になる都度やってるその指の動きは何だ!?」


嵐「これか、癖なんだよ」


一貴「癖だと…そこまで言うならVTR見るか?3秒前21キュー!」


嵐「ないくせに…」


図星をつかれて一貴はガクッとするも、すぐに頭を上げた。


一貴「だぁー、やってられるか!」


ドガラッシャーン!


嵐「あ!なにをする!」


一貴「おめえのいかさまになんか付き合ってられるか!」


作中人物通して久しぶりに亮抜きでコントを繰り広げたこの二人にピンチが迫っていることは、当の本人も気が付いていなかった。


ふたたび屋上。


亮「Zzzzzzzz…」


綾「熟睡しちゃったよ…」


綾はしょうがないなあといった感じで亮の寝顔を見る。


綾「このまま寝てりゃまだかわいいんだけどなあ…」


そんなことを言ってる間に綾もうとうとしてきた。


綾「ふぁあ…」


そのときだった。


ザワザワ


ガヤガヤ


綾「なんか屋上が騒がしいなあ…」


綾は中庭から聞こえたざわめきに気付き立ち上がった…ん?立ち上がったってことは…?


ゴィーン!


当然、綾の膝枕で寝ていた亮は床に打ちつけられ頭を強打した。


綾「ああっ!りょーくんごめん!」


亮「Zzzzzz…」


さすがは亮、これしきのことでは起きないらしい。


綾「…いつもながら豪快^^;と、とりあえずあたしだけでも行こう」


綾は、ひとり中庭へ走った。




4階建校舎の屋上ということもあり、綾は降りてくるのにけっこうな時間を喰った。


綾「はあ、はあ…あとちょっと…」


一階の踊り場にさしかかり、あと10段ほどで地上…といったところでアクシデントが起こった。


ツルッ


綾「わぁ!?」


ドガラッシャンシャーン!


綾は豪快に階段からすっころんだ。


紅白ボーダーのパンツが丸見えになる大惨事となっているが、校舎側・校庭側とも人目からは思いっきり死角に入ったことが幸いであった。


綾「い…ったぁーい!><」


案の定大泣きする綾。


綾「あーん、こういつベタなアクションはどう考えてもりょーくんの役だよー><」


確かに、こういうベタなのは基本的に亮がやらかすのが常である。


タ~タタ~タタタタ~タタ~タタタタ~タ~タ~タタッタッタ~♪


「もしもし?」


綾がずっこけてるそばで通りすがった学生が着信、着信音は階段落ちを連想させる蒲田行進曲。


綾「よりによって蒲田行進曲って…;;」


二重のダメージを喰らいながらも綾は立ち上がり、中庭へと向かう。


綾「いったい中庭で何が起こってるんだろう…」


ようやく中庭にたどり着くが、あったのは野次馬と先ほど一貴と嵐が遊んでいたチェスの盤のみ。


綾「いったい、何があったんだろ…」



<後編へ続く