青い星まで飛んでいけ/小川一水 | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

ページ数:373P
発売日:2011年03月
 

それは人間の普遍的な願い。

彗星都市での生活に閉塞感を抱く少女と、
緩衝林を守る不思議な少年の交流を描く
「都市彗星のサエ」から、“祈りの力で育つ”という
触れ込みで流行した謎の植物をめぐる、
彼と彼女のひと冬の物語「グラスハートが割れないように」、
人類から“未知の探求”という使命を与えられた
AI宇宙船エクスの遙かな旅路を追う表題作まで、
様々な時代における未知なるものとの出逢いを綴った
全6篇を収録
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二度目ましての作家さん。
最初に読んだイカロスの誕生日の印象が

すこぶるよかったので、他の作品も読んでみたいと思いながら
いつ読んでも大丈夫だと思っていると、なかなか読まないんだなぁ


で、Mirokuさんが小川一水祭りをやってたので

レビューの中から気に入ったものをチョイス。
小川氏=SFというイメージ。
SF苦手なんだけど、第一印象がよかったので安心して読めました。

 

「都市彗星のサエ」
低重力の彗星都市で生まれ育ったサエ。
惑星で暮らすことができないのはわかっていて
不自由のない暮らしはしていても閉塞感を感じていた。
そんなある日、謎の少年との出会いによって生活は一変した。

 

これが一番好き!
外の世界に憧れるだけでは終わらせない。
そこから更に一歩も二歩も先に行こうとする話なんだけど
長野まゆみさんの「テレビジョン・シティ」を連想しました。
最後がいい!すごくいい!!
ハート射貫かれました(*´◇`*)

 

「グラスハートが割れないように」
人の祈りをエネルギーとして育つという植物を妄信する女子高生。
全ては科学で解決できるという合理的に考える彼氏は
神秘的というか精神的な面で妄信する彼女を心配するが・・・

 

SFというよりは、現代でも通じる話ですねぇ
言葉の使い方で、嘘の説明はされていないものの
誇大解釈した末に妄信してしまう・・・怖いですねぇ~

 

「静寂に満ちていく潮」
惑星ケレスでは、体を機械化し着せ替え人形のごとく自分を変更できる。
そこに飛来してきた小惑星にいた異星人を発見して、個人的に
ファーストコンタクトをとるのだが・・・

 

異文化コミュニケーションの異星人版でもって快感編って感じで、
結果がすごぉ~く気になります。


「占職術師の希望」
人の天職が判ってしまう男の話で、その能力を仕事にしてるのだが
危ない人に見られない為に、紹介制にしている。
ある日、大規模テロが計画されていると知り・・・

 

テロを未然に防ぐための転職って何だ?と思ったんだけど、
読んでみると、なるほどぉ~と唸ってしまった。

 

「守るべき肌」
人類が肉体を捨て、仮想空間で生きるようになった時代
助けを求める少女に手助けすることになったのだが・・・

 

仮想空間で生活ってだけで、ワクワクしてしまうSF初心者ですが
仮想空間のシステムが面白い。

 

「青い星まで飛んでいけ」
異星人との出会いを求め永遠に旅を続ける宇宙船エクス。
この宇宙船、未知との遭遇を希求するように設定されていて・・・

 

冒険心と恐怖の葛藤を繰り返しながら成長するエクスの物語
ファーストコンタクト時の駆け引きは難しい


短編集だったので、飽きずに読み切りました。
最初からドキドキさせられたもんだから
その勢いのまま読み切っちゃいました。
楽しかったぁ~о(ж>▽<)y ☆