【マンガ感想】
『3月のライオン 8巻 (羽海野チカ)』
3月のライオン 8 (ジェッツコミックス)
羽海野 チカ 白泉社 2012-12-14 by G-Tools |
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【あらすじ】
新人王となった零は多くの期待を受け宗谷名人との記念対局に臨むが、宗谷の重大な秘密を知り…。一方、島田八段は棋匠戦で初タイトルをかけ柳原棋匠と死闘を演じる。お互いのすべてを出し尽くした勝負の行方は…? 「託される想い」その重さを読者の方に問いかけます。
『ハチミツとクローバー』の作者が描く最新作。
17歳にしてプロ将棋棋士(5段)である主人公・桐山零。
しかし、彼は幼い頃に家族を失い、居場所を失った。
そんな彼が唯一、全てを忘れさせてくれるのが将棋だった。
心を閉ざした彼の周りには、暖かい人々で溢れ、徐々に彼の心は開いていく・・・。
という将棋の棋士を主人公としたハートフルストーリー作品。
子供の頃から不幸が続き、孤独のままに育ってきた主人公・『桐山零』。
そんな彼にお節介を焼く『3姉妹(あかり・ひなた・モモ)』、終生のライバル・『二海堂晴信』、
将棋の先輩・『松本一砂』と『スミス』など、彼と彼を取り巻く人々との交流を描いた作品です。
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ここからは、8巻の感想。
8巻では、主人公・『桐山零』と『宗谷冬司名人』との記念対局が描かれつつも、
『島田開八段』と『柳原朔太郎棋匠』による棋匠戦(タイトル戦)が描かれました。
そんな8巻で面白かったのは、『島田開八段』と『柳原朔太郎棋匠』による棋匠戦ですね。
この棋匠戦は、5番勝負で行われるタイトル戦で、残念なことに名人戦とほぼ同じ時期に
行われるため、あまり注目されることのないタイトル戦でありますが、由緒ある7大タイトル
の一つであります(名人戦と同じ時期に行われるため、『宗谷冬司名人』がこのタイトルを
あまり本気で取りに来ないらしい)。
その棋匠戦へのタイトル挑戦権を手にしたのが、主人公の兄貴分・『島田開八段』でありまして、
今巻までに2勝2敗で最終戦を迎えることとなりました。 『島田開八段』としては、様々な事情を
背負っているため、ぜひとも、今回でタイトルを獲得しておきたいところでありまして、万全の
準備をして試合に挑むこととなりました。
一方、その『島田開八段』の挑戦を受ける立場である『柳原朔太郎棋匠』。
現役最年長棋士(66歳)でありながら、A級に所属しつつも、タイトルホルダーという化け物
でありまして、独特の棋風で戦う人のようです。 特に今回のタイトル戦は永世位(通算10期)が
掛かっていることもあるためかなり気合が入っているようで、『島田開八段』と真正面から
ぶつかり合う戦いを行うこととなりました。
試合内容としては、まだ読んでない方へのネタバレとなってしまうので詳しくは書きませんが、
まさしく一進一退、一手一手で情勢が大きく変わっていくという名勝負でありまして、非常に
手に汗握る素晴らしい試合内容となっております。 また、この試合中に『柳原朔太郎棋匠』の
棋士エピソードが描かれているところも面白く、彼が66歳になってもA級に居座れる理由が
判明したのも面白いところですね。
いや~、面白かったです。
次巻も楽しみです。
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【総評】
いや~、今巻は本当に濃い内容でした。
『宗谷冬司名人』の秘密、『柳原朔太郎棋匠』の人物エピソードと、非常に読み応えのある話が
次々と描かれまして、何度も何度も読み返してしまいましたよ。 あ~、早く次巻が読んでみたい
ですね。 次巻も大いに期待したいです。
点数的には
100点
です。
では、ここまで。