流量なフランス語と英語で、さすが気品あふれるスピーチでした。
【高円宮妃久子さまお言葉全文】
【フランス語で】
会長、IOC委員の皆さま、本日この場で皆さまの前でお話しさせていただく機会を得たことは、大変光栄です。
まず、日本の国民を代表して、皆さまに「ありがとう(感謝)」の気持ちを伝えさせていただきます。
2011年、日本は大きな地震と津波に襲われました。
その際、IOC及びスポーツ界の皆さまは、支援の手を差し伸べてくださいました。
日本は、そのご厚意を決して忘れることはありません。
その御礼の意味でも、私たちは、将来に向かって歩き出したいと願っています。
皆さまに私の言葉をより明確に伝えることができるよう、ここからは英語でお話しさせていただきます。
【英語で】
IOC評価委員会の委員の皆さまは、本日ここに私がいることを驚いていらっしゃるかと思います。
実は、私自身も皆さまと同様に驚いております。
東京で、皇室の役割や立ち位置についてお話ししたことは、現在でも当てはまります。
しかしながら、私は、直接IOCの皆さま方お一人お一人に、心からの感謝をお伝えすることができることを、大変うれしく思っております。
IOCによる特別な支援プログラムである「TSUBASAプロジェクト」は、多くの子供たちに笑顔をもたらしました。
そして、若いアスリートたちに希望を与えました。
「TSUBASA」とは、日本語で翼(wing)を意味します。
多くの若者たちが、この翼により、将来の夢に向かって、羽ばたいていくことを期待しております。
皆さまは、オリンピック・ムーブメントの精神のもと、若い人たちに夢とモチベーションを与えてくださいました。
そして勇気と信念を持って、前に進んでいくべきだということを教えてくださいました。
オリンピックの重要な側面としてレガシーを遺すということがあると伺いました。
この若い人たちの心の中に、必ずやオリンピックのレガシーが生き続けていくことでしょう。
IOCの総会でお話をするのは初めてのことかもしれませんが、日本の皇族は常に積極的にスポーツを支援してきました。
例えば、宮さまは熱心なスポーツマンでいらっしゃいました。
そして、私は、宮さまが務めていらした九つのスポーツ団体の名誉総裁を引き継ぎました。
おかげさまで、それにより、私はとても忙しく過ごしております。
オリンピズムの哲学を実践し、その推進において成功を続けるIOCは称賛に値します。
私はこれまで様々な機会にオリンピックファミリーの皆さまとお会いしてきましたが、これほど大勢が一堂に会したところを拝見したことは、いまだかつてございません。
実に見事な光景であることを感心するとともに、皆さまとともに過ごした多くの良い思い出が目に浮かびます。
また、このたび新たに多くの方々とお知り合いになれたことをうれしく思いますし、今後再び皆さまとお会いできることを祈っています。
もしかすると、この特別な時間を皆さんと共有することができたことによって、将来、私を大きく捉えたオリンピックファミリーの名誉的メンバーとしてお考え頂けることがあるかも知れません。
さて、これからいよいよチーム・ジャパンのプレゼンテーションが始まります。
ご存じのように、彼らは大変な努力を注ぎ込んでまいりましたので、このプレゼンテーションを皆さまが説得力のあるものとして聞いていただけることを願っています。
このような機会を与えてくださり、ありがとうございました。
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