南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラ氏が亡くなられた。大変偉大な人物だっただけに残念である。恐れ多いが「お疲れ様でした」と声を掛けたいと思う。壮絶な人生は最後に家族に看取られ、幸せだったのではないだろうか。謹んで哀悼の意を表したい。
ラグビーを愛する者としても書きたいと思う。
人種隔離政策廃止を成した後も、黒人と白人の対立は存在する。激化していけば行き着くところは内戦である。そんな国家の分断が起きうる中で、ラグビーをその復興の象徴として用い、内紛を何とか抑えようと苦心していた。
アパルトヘイトへの制裁から出場を認められていなかったラグビー世界大会だが、ネルソン・マンデラ氏、そしてそれを成す為に努力し続けた偉大な人々のおかげで、出場を許されることになった。それも南アフリカ初めての参加は、自国開催であった。
アパルトヘイトという汚名を返上し南アフリカを世界にアピールする為、そして国に存在する大きな歪を抑えるため、大会での優勝を国是とし奮闘する。もちろん白人のスポーツであったラグビーには賛否があっただろう。黒人の代表選手も1人しかいなかった。しかし、本大会だけでなくラグビー教室など国内各地を回り、このスポーツ、そして精神を伝えていった選手達の功績もとても大きい。
そして、初めて出場した第三回ラグビーワールドカップで、南アフリカは初出場、初優勝を果たす。表彰式で、スプリングボックス(南アフリカ代表の愛称)のユニフォームを着た故マンデラ氏がキャプテンのフランソワ・ピナールにトロフィーを渡すシーンは、は非常に印象深いものだった。この出来事は国民に連帯感と感動を生み出しただろう。
政治にスポーツを用いることには賛否があるかもしれない。しかし、人々の心を一体にし、体格や性格、能力、そして人種を越えて心を弾ませることもプレーすることもできるラグビーは復興の象徴として相応しいものだったのではないだろうか。復興だけでなく世界にアパルトヘイトは無くなったと示す為、ラグビーワールドカップへの出場・招致は、まさに大義であったのではないだろうか。この大義は、2020年の東京オリンピックには無いものであろう。
南アフリカの国歌は特殊である。11の言語がある南アフリカの中で5つの言語が使用されている。5つとはコサ語、ズール語、ソト語、アフリカーンス語、英語である。余談だが、この為、今でも全部の歌詞を歌えない人もいるそうだ・・・。それはさて置き、人種隔離政策の最中では、「南アフリカの呼び声」(アフリカーンス語・英語)が国歌として歌われていた。しかし、アパルトヘイト廃止後、故ネルソン・マンデラ氏は黒人解放運動の象徴である「神よ、アフリカに祝福を」(コサ語・ズール語・ソト語)と元の国歌を組み合わせた。これは民族和解・協調政策の一環として、国家の分裂を防ごうとしたものだと言われる。この歌はラグビーワールドカップの会場で、テレビの前で、南アフリカの国中で、人種を越えて響き渡ったことは言うまでもない。
今も尚、黒人と白人の格差は大きいこの現実の中で、彼の死は国家に大きな打撃を与える可能性もあるかもしれない。しかし、是非その不安を払いのけマンデラ氏の思いを継承し、深化させていただきたい。マンデラ氏もそれを望んでいるだろう。これから真価が問われる。今後の南アフリカに多いに期待する。
「政治にタックル!」
松本浩一 (まつもと こういち)
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