1から10までの整数を全部たしたらいくつでしょうか?
10までのたし算は、けっこう覚えている子どもも多く、
「55」 と即答してくれます。
みなさん、関心があるんですね。
それはよいことなんですが、
計算方法の仕組みも理解すると、
算数力が養われると思います。
次の式をよく見てください。
じーっと見ていると、何か気づきませんか?
このように式を眺めながら
やり方を考えるのも大切なことです。
芸術作品を鑑賞するように、じっくり式を眺めてみてください。
それでは、求め方を説明します。
(その1)
最初の数と最後の数をペアにして考えます。
このように考えると11が5つあるので55となります。
小学校ではこのように考えますが、
たとえば、「1から9までの和」 のように奇数個のたし算の場合、
1+2+3+4+5+6+7+8+9
真ん中の数5が余るので、
10が4つと余った5をたして45となります。
つまり、奇数個のたし算の場合は、
真ん中の数のペアができません。
そこで、次の方法だと偶数の場合と奇数の場合を
気にする必要はありません。
(その2)
もとの式と、反対に書いた式を上下に並べて書いて、
上の式と下の式をたします。
11が10個で110ですが、もとの式を2回たしているので、
2で割って、110÷2=55 です。
とても興味深い方法だと思います。
さらに次のような方法もあります。
(その3)
1から10の真ん中は5.5 なので、それを10倍して55となります。
真ん中は、(1+10)÷2 で求まります。
というわけで、3つの方法をみてきました。
1から10までの和といっても、いろいろな考え方があるので、
それぞれ味わって欲しいと思います。
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アドラー心理学にもとづいて書かれています。
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(出版社:CLAP)
【コラムの執筆者】
松岡 学
高知工科大学 准教授、博士 (学術)
数学者、数学教育学者
大学で研究や教育に携わる傍ら、
一般向けの講座を行っている。
アドラー心理学の造詣も深く、
数学の教育や一般向け講座に取り入れている。
音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。
ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。
出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。
『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。
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