◆プロローグ


6月にキャンプに行った時のことでした。久しぶりのキャンプです。
20人くらいのバイク仲間と長野でキャンプしていていました。
夕マヅメに僕は近くの渓流に出かけていき、やっとこさ3匹のイワナを釣り上げて戻りました。(笑)
僕たちの美味しい骨酒お酒になる予定だったそのイワナは、
他の人が連れてきていた子供たちに奪われてしまい、健全な姿で食べられる事になったのですが(笑)、
それでも焼くのは僕…


そこでいつものごとく、焼くための串を作るわけですが、
キャンプ場に着く前にずっと降っていたという雨が、ありとあらゆる枝を濡らしていました。
僕はその日バイクがメインと考えていたこともあり、
適当にお気に入りのフィッシングナイフしか持ってきていなくて…。
どの枝も湿っていて、ナイフはしっかり研いであるものの、
繊細で薄く軽い刃ではチマチマとしか削れない…(;A ;)時間かかるし手が疲れる



僕は焚き火とランタンの明かりの下、チマチマと削りながら思い出しました。
そういえば以前、僕はもっと大振りの、枝打ちとかもできる「信頼性の高い」ナイフを探していたなぁ…と…



以前僕はそれなりに険しいあちこちの渓谷へ渓流釣りに通い、
帰れなくなってビヴァークしたり、先行者が死んでしまっていたり…
(見知らぬ人です。谷を遡行していたら捜索隊の人たちが来て教えてくれました。ご冥福をお祈りいたします)
クマに2度も遭遇しているくせに(1度は遠くに小熊で母熊が攻撃してくる危険性が高い。もう1度はすぐ近くの車に逃げ込んだら向こうも逃げた(笑) いずれもツキノワ)、
今まで小さなナイフ2本程度でいたのは良くなかったのでは?と思ったのです。


(※2004年頃からは熊用の催涙スプレー「カウンターアソールト」は持ち歩いています。

 http://outback.cup.com/counter_assault.html )


仕事が忙しかったりしてキャンプや渓流釣りの回数が減り、
自然と「自分のナイフ考察」は保留になっていましたが…
この一件でまた改めて調べてみようと思い立ったわけです。



まず、上記のような使い方や信頼性が求められる場合、
マタギを抜きにしては語れないという意見の人は多いでしょう。僕もそう思います。
マタギの人が大振りのナイフ(後述)一本で藪漕ぎをし、猪を狩り、竹を切り、
シェルターや薪をガンガン作ってどこでも野宿し、
イザとなれば熊と生死を賭ける…
もちろん僕は命まではかけたくありませんが(笑)、
サバイバル的な状況に陥ってしまう可能性も捨てきれないため、
今回はそんなナイフを探してみたいと思います。


そして今回のテーマである「最大限の信頼性」。
これには様々なことを知る必要があると思います。
徹底的に知って、心底納得したものにこそ、自らの信頼を与えることができるのだと思うからです。


(つづく)




「ナイフ徹底考察 … 真の名作ナイフを求めて」 記事一覧
  (1)まえがき
  (2)ある日、キャンプ場にて
  (3)コンセプト
  (4)叉鬼山刀(マタギナガサ)
  (5)鍛造
  (6)未知のナイフ
  (7)「藤刀」