さて、今回は実際に撮影する場合のライティングについてのお話しです。
最近、いろいろなブログにお邪魔させていただいておりますが
やっぱり食べ物の写真がとても多いですね!
今日はこんなものを食べたとか
こんなお土産を頂いた・・・とか。
では、私たちプロのカメラマンが食べ物を撮影する時に
どうやっているのか、そのコツをちょっとご紹介しましょう!
まず、写真初心者のサエコさん23歳の場合・・・。
またまた昨日の続きです。
コンデジの内蔵ストロボを使って、旅館で酒のおつまみ用に
出してもらったおいしそうな野沢菜を撮影してみました。
フルオートで撮った場合 ↓
内蔵ストロボで撮ると、どんな料理もこんな感じになりますよね。
残念ながら、どう見てもあまりおいしそうには見えません。。。
では、どうしたらおいしそうに撮影できるのでしょうか。
まずお料理を窓ぎわに持って行きます ↓
窓から入ってくる自然光で撮影しましょう。 これが一番無難。
ストロボは封印です!
そしてカメラの高さを調整しながら光の反射具合を調整します。
昔、学校で教わったと思いますが、光は入射角と反射角が同じですよね。
表面が光るもの、濡れているものであれば、ある程度光らせたほうが
みずみずしくておいしそうになります。
でもこれって逆光ですよね。。。。 いいんです!
よりベストを求めるのであれば、斜め後ろ45度の角度から照らすと
立体感も出ていい感じになります。
昨日お話した、ホワイトバランスさえ調整できれば、
窓からの光りだけではなくて、照明スタンドや蛍光灯でも当然OKです!
この斜め後ろから照らす照明のやり方をレンブラントライティングと言います。
あの有名なオランダの画家レンブラントが好んで使った照明方法なので、
こう呼ばれるようになったんです。
商品撮影の場合でも一番の基本になる照明の方法ですので
ぜひ覚えておいてくださいね。
しか~し! ただの逆光だけでは、手前の影になる部分が
どうしても暗くなってしまいます。
そんなときはレフ板で光を反射させて明るさを補うのです。
レフ板といっても本格的なものは必要ありません。
キッチンで使うアルミホイルで、ちゃちゃっと出来ちゃいます!
一度、シワシワにしてください。
そのほうが強度も出ますし、光が表面で細かく乱反射するので
ソフトな光になります。
それをカメラと被写体の間に置いて影になる部分の調整をします。
こんなカンタンなレフ板でも、有るのと無いのでは随分違います。
どれくらい違うかというと下の写真を見比べてください。
これは「レフ板なし」の場合 ↓
次に、「レフ板あり」の場合です ↓
茶碗の手前部分が随分明るくなりましたよね。
さて照明はこんな感じでいいでしょう。
あとはもうひとつ、撮影角度も大切です。
どうしても上から料理を見下ろす感じで撮ってしまいがちですよね。
こんな感じ ↓
でも、これだとせっかく光で立体感をつけたのが台無しです。
グイグイッとカメラのアングルを下げましょう。
しかもなるべくアップになるようにズームします。
そうして完成した写真がこんな感じです ↓
どうですか。
最初の写真よりずいぶんおいしそうになったでしょ!
使用機材はアルミホイル一枚のみ!
コンデジでもこれくらいの写真は充分に撮影できますよ!
これを応用すれば、ラーメンのようなスープの表面が光るものでも
カンタンにおいしそうに撮影することが出来るのです。
ちなみにリクルートが発行しているホットペッパーってう雑誌をご存知ですか?
当時、この雑誌を立ち上げる際に私にも撮影の依頼が来て
都内の飲食店を駆け回り、死ぬほど食べ物の写真を撮りました。
撮影後はお店の人が「せっかく作ったんだから食べていきなよ!」と
大サービスしてくれるので、一日中おいしいものを食べ放題という
ありがたくも苦しい撮影の日々を送ったのでありました。。。
ギャル曽根ちゃんじゃないんだから、そんなに食べられません・・・。