レシピ通りに作ってもうまくいかない時に考えられること②《型とオーブン編》 | 型にはまったお菓子なお茶の時間

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主に日々のお茶のお供を記録しているブログです。
レシピの配合はあくまでも「個人的な作りやすさ」と「私好みの味に合わせたもの」になっていますので、レシピそのものよりも、作業する際の理由やポイント自体がお役に立てましたら嬉しく思います!

ブログのアクセス解析で、”レシピ通りに作ってもうまくいかない原因”という感じの検索履歴を見かけます。
ブログを書かない日でも、材料の意味や工程の理由を探されてたどりつかれる方が多いようです。

◆お菓子作りにおける材料の働きや作業の意味/型の材質別の特徴や向くお菓子一覧はこちら
 →http://ameblo.jp/lovable-kitchen/entry-12128501443.html

実際どのお菓子なのか、どこがうまくいかないのかによって答えが違ってくるので、そのワードだけを聞いてもなんとも言えないのですが、大体の場合に当てはまるような考えられる原因と対策でいくつか思い浮かぶ中から、今回は型が問題かもしれない場合に考えられることを書き出してみました。
(ところでタイトルには②と番号をつけていますが、いつか書こうと思っていたら、なんと①から既に3年も経過していて驚きです。)

そもそものレシピの配合が好みではなかったり、自分に合っていなかったりするということもあると思いますし、お菓子をよく作られる方はご存知のことばかりかとは思いますが、そうではない場合や、レシピを自分好みに変えたいと言った時の参考になりましたら幸いです。

ということで今回はオーブンと型編。
型を使わないお菓子やパンで、オーブンが原因では?と考えられる場合は、【オーブンの温度調整のヒント】(=①の記事)がお役に立てるかもしれません。





 分量も手順もレシピ通り作っているのに、なんとなく仕上がりが違う、オーブンがあまりよくないのかな?という話をされる方は多いのですが、見落としがちな原因のひとつに、使用する”型”の材質が違った、という場合があります。
 焼き菓子やパンの場合、オーブンの温度と型の材によって、焼き上がりや火の通り方が変わってきます。
 オーブンの性能の良し悪し以前に、型に合わせた温度・時間の調整でうまく焼けるようになることというのもよくあります。

 レシピ作成者と同じ型を持っていなくても、自分が持っている型の材質との違いを理解していれば、オーブンの温度や時間を調整するなどの工夫でイメージに近づけることが可能です。


【型の材質が変わるとオーブンの温度調整が必要な場合がある】

 同じケーキ生地を同じ温度で焼いても、下地が鉄製の型で焼くのと、シリコンゴム製の型で焼くのでは、まず焼き色が違ってきます。
 シリコンゴム製の型は熱伝導率が良くないので、下地が鉄製の型で焼いた場合の焼き色をシリコンゴム製の型でも出したい時には、+10~20度の温度調整が必要です。
 (逆も然り)

 また同じ生地を同じ時間、鉄製の下地の型で焼く場合でも、例えばブラックのフッ素加工が施されているものだと焼き色がつきやすいですし、アルタイトのように厚みがあるものだと熱の上がり方がゆっくりなので焼き色は淡くなります。
 作りたいお菓子の仕上げたいイメージに合わせて型を選んだり、もう既に手元にある型で作りたい場合は温度調整をするなど工夫します。

 そういえばかなり前の記事ですが、クグロフのレシピページには、同じ生地を同じ温度・時間で、ブラックスチールとギルアで焼いた時の写真を載せています。
 このページの記事の最後の写真です→http://ameblo.jp/lovable-kitchen/entry-11403679144.html


【オーブンの温度調整のヒント】
 材料・分量・手順など、レシピ通りに作って、型も同じものを使って作っているのに、うまく焼き色がつかないなどオーブンに問題がありそうな場合は、温度調整のヒントなどについてこちらにもまとめています。
 →http://ameblo.jp/lovable-kitchen/entry-11797629332.html

 それでもまだイメージから遠い場合は、原因が型やオーブンではないといったことも考えられます。
 そちらも近いうちにまとめる予定です(その際にはこのページにもリンクを追記します)


【冷菓の場合】
 アイスクリームやムース、ゼリーなどの冷菓の場合も、同じ型を使ってレシピ通り作って同じ時間冷やしても、その時の気温や冷蔵庫の温度によって固まる速度や固さが変わってきます。
 逆にレシピ通り作って同じ温度で冷やしても、型や容器が違えば、それぞれの熱伝導率によって固まるまでの時間は変わります。

 例えばステンレスやアルミ製などの温度が下がりやすい金属製の型ならばアイスクリームやムース、ゼリーなどが固まるまで早いのですが、タッパーやプラスチックだともう少し時間がかかると言った感じです。
 固まっている途中に何かを混ぜ込んだり、型から取り出したり、次の生地を流し込んだり、デコレーションをしたいなどと言う場合には、余裕を持って様子を見ます。


【型の材質別 手入れ方・特徴・向くお菓子 】

 レシピはあくまで「それを作った人が持っている道具や設備に合わせた方法」が書かれているので、時間や温度は目安でしかありません。
 それを見て作ろうとする人が「持っている道具や設備に合わせて調整していく」という感覚でいるのが、仕上がりイメージに近づけるポイントのひとつです。
 主な型の材質別のそれぞれの特性を、簡単にですがこちらにまとめています。

ブリキの型

アルミの型

ステンレスの型

アルタイトの型

シリコンゴム製の型

ギルアの型

ブラックスチールの型