クグロフ型で焼けば何の生地で作ってもクグロフと呼びますが、ドイツではバター系のケーキ、フランスのアルザス地方ではイーストを使った伝統的な発酵菓子として焼かれるようで、しっとりふわふわに風味良く焼き上がる贅沢な味わいは、この時期の楽しみです。
アルザス地方ではおめでたい時にも食べるそうで、マリーアントワネットは毎朝食べていたと耳にしたことがあるのですが、そうだとしたら贅沢すぎる♪
~材料~
14cmクグロフ型 2つ
☆生地
強力粉 240g
きび砂糖 30g
塩 4g
ドライイースト 5g
牛乳 約80g(卵と合わせて140gになる量)
卵 L1個
無塩バター 90g
☆混ぜ込み材料
くるみ 50g
ラムレーズン(またはラム酒漬けドライフルーツ) 50g
☆型の準備・仕上げ用材料
アーモンドスライス 60g
溶かし無塩バター 20~30g
粉糖 好みで適量
☆シロップ
水 200cc
グラニュー糖 280g
キルシュ 100cc
~準備~
○牛乳を35度程度に温めて、卵と混ぜておく
○型に塗るバターをポマード状に柔らかくしておく
~作り方~
1.強力粉からバターまでを一度に入れて、なめらかになるまでこねる
2.まとまったら作業台に取り出し、くるみとラムレーズンを手で混ぜ込み、ひとまとめにしてボウルに入れる
☆手こね
1.ボウルに強力粉・砂糖・塩・イーストを混ぜてから牛乳と卵を加えて混ぜ、粉気がなくなれば台に出し、たたきつけたら向こう側へ返すような形で生地に空気を含ませるようにこねる
2.ある程度まとまったらバターを数回に分けて加えながら全て混ぜ込み、生地が切れずに薄くのびるようになるまで叩く
3.生地ができたらくるみとラムレーズンも混ぜ込み、ひとまとめにしてボウルに入れる
②30度で40~50分発酵
③ガス抜きし、丸めなおして30度40分発酵
④発酵中に型の内側に分量外のバターを厚めに塗り、アーモンドスライスをたっぷりとまんべんなく貼り付け、冷蔵庫で冷やしておく
→バターを塗ったあと、まず底にアーモンドスライスを入れ、きき手で型を傾けて反対の手で添えて、回して行くとまぶしやすい
⑤手粉を振ってガス抜きし、2分割したら、乾燥に注意してベンチタイム15分
⑥生地の表面を張り直してから中心に指で穴を開けて広げきれいな面を下にして、型の底に軽く押し付けながら入れる
⑦型の8~9分目、溝のラインが終わる淵のベルトの部分まで膨らむまで、30度で40分前後発酵させる
⑧200度に予熱したオーブンで30分焼く
→途中で焼き色がつきすぎそうになったらアルミホイルをかぶせる
⑨焼いている間にシロップを作っておく
1.水とグラニュー糖を軽く混ぜてから中火にかけ、溶けたら火を止めてキルシュを加える
→18cmの小鍋で作るか、18cm程度のボウルに移しておく
⑩焼けたらすぐにオーブンから取り出して、表面に溶かしバターを塗り、シロップに2~3回浸す
→バターを塗るのはシロップのしみ込みすぎを防ぐため
→染み込み具合によって底から支えて持たないと崩れることがあるので注意
★好みで粉砂糖を振る
~シロップについて~
漬け込むシロップは量が結構残ってしまいますが、捨てずに瓶などに取っておいて、食べる時に切り口にかけて更に染み込ませると、サバランやババを思い起こさせる更に贅沢な味わいに!
染み込み具合にばらつきがある場合の調整に役立ちます。
この生地でなくても、時間が立って固くなってしまったパンに染み込ませてクリームを添えてもサバラン風♪
~型について~
クグロフ型にも色々な材質がありますが、今回使ったのは“ブラック”と“ギルア”。
ブラックはスチールに型外れが良いように表面加工がされたもので、ギルアはスチールにクロムメッキされたものです。
どちらも熱伝導率が良く均一に焼き色がつくのですが、火の入り具合が違うので同じ焼き時間でも焼き色に差が出ます。
どちらが良いというものではなく好みなので、どのお菓子でもそうですが、材質によっても焼き時間の調整が必要です。
☆写真は左がブラック、右がギルアで焼いたもの
オーブンにもよるのですが、今回のレシピでは、ブラックを使う場合はあと数分短くしても良いかもしれません。
私はこの2つの材質の型で同時に焼いても、どちらの色や食感も許容範囲であるということでこの温度と時間で焼いています。
また焼き時間の調整は必要ですが、今回のレシピで17cmのクグロフ型1つ分を焼くこともできます。