黒人奴隷貿易が影響についてシリーズ化してブログに書いています。
 
 今回は黒人奴隷貿易からの影響として、「社会主義思想の芽生え」について説明したいと思います。
 
 黒人奴隷貿易でイギリスは大きな利潤をあげ、その資本が産業革命に必要な発明に資金が投資されました。
 
 産業革命によって多くの農民は農業・農村から離れ、第2次産業や第3次産業に従事するようになり、工場周辺地域は市街化が進み、工業都市に
労働者があふれるようになりました。


その影響は次のようなものでした。
【労働人口】
①機械化による単純労働が増えたため、より安い賃金で雇える女性や子どもの労働者の増加


②大量工業製品の台頭による手工業従事者の没落・失業

→工場労働者の増加(労働者過多)による過酷な労働条件(長時間労働、低賃金、労働作業環境など)の悪化

→資本家と労働者の貧富の差の拡大


【市民階級】
③「中産階級(ブルジョワジー)」の急激な増加

→賃金労働者(プロレタリアート)の貧乏の意識化(以前、金持ちは雲の上の人であったが、金持ちと貧乏人の割合が3対7くらいになると、貧乏の意識化)

→都市部での犯罪の増加


【生活環境】
④急激な人口増加に上下水道をはじめとするインフラ整備が追い付かず、衛生問題の悪化

→コレラをはじめとする伝染病が流行

→犯罪や貧困などの問題拡大化


 このような状況下、伝染病で3人の子供をなくしているマルクスは、この貧富の差から生まれる資本主義経済の問題を分析し、どうすれば「平等で公正な社会」を実現できるのかを、大英博物館の図書館に30年間、毎日、通いつめ、研究に励みました。


 その主な成果がマルクスの代表作である『資本論』で、その中で、資本主義が成熟したとき、プロレタリアートがブルジョアジーを暴力で倒すのが共産主義革命といっています。


 この主張がロシア革命(1917年)を引き起こすほどまでに熱烈に支持され、レーニンによってこのマルクス主義が実践され、社会主義が世界中に広がっていきました。


 さて、マルクスは貧富の差をどう分析したのでしょうか。


 それはアダム・スミスやリカードの労働価値説(人間の労働が価値を生み、労働が商品の価値を決めるという理論)を発展させて剰余価値説をうちたて、資本家が労働者から搾取していると説きました。


剰余価値(資本家の利潤)は、

「①労働者が生み出す価値」-「②労働力の価値」

すなわち、

「①労働賃金以上に生まれる価値」-「②労働者の給料」

と考え、次の①②の内容で資本家が労働者から搾取していると考えました。


①一定の日給とし、長時間労働させることで、労働者の生み出した価値を拡大


②労働者過多や児童労働による②労働力の価値の低下(給料の低減)


 また、余剰価値は資本の利潤の源泉で、土地・建物に貸した所有者への支払い、借金した銀行家への返済され、金持ちと貧乏の格差を拡大させていると考えました。

 

 剰余価値説に基づく資本主義経済の運動法則の解明は、貧富の差を憎み、生産手段の共有化、私有財産の否定、労働者階級の解放、階級の廃止という共産主義運動の目標に理論的な根拠となりました。


 マルクスは資本主義社会の問題点は貧富の差の拡大以外にも「労働の意義」が失われていると主張しています。

 

 本来、労働というものは、一人一人の人間が自身の技術・能力でもって行い、これによって産み出された生産物によって喜びを感じ、労働の素晴らしさと自身の技術・能力を確認できるものであるとし、それが資本家の搾取によって労働の意義が疎外されているとしています。

 

 資本主義から共産主義に移行することを先述しましたが、社会の移行についてもう少し詳しく、説明したいと思います。


マルクスは社会は次のように変遷していくと考えました。


原始共産制→奴隷制→封建制→資本主義→社会主義→共産主義


ここで社会主義と共産主義の違いは下記のとおりです。

◎社会主義:
・共産主義の過渡的な段階で、全員が平等を実現するために基本はオール国営(大きな政府)。
 ※高度成長期の日本を例え、「世界で最も成功した社会主義(社会民主主義)国家は日本」と言われることがあります。


・資本主義時代に存在した階級や労働者への搾取や私有財産は存在しない。


・労働者は能力に応じて働き、「労働に応じて」分配を受けるため、労働者同士の賃金格差あり。



◎共産主義
・国家が消滅し、人格も成熟し、博愛精神のある平等な社会。

 
・極限まで発達した生産力のもとで、労働者は能力に応じて働き、「必要に応じて」分配を受ける。



以上、奴隷貿易からの営業をまとめると下記のような流れになります。


イギリスは黒人奴隷貿易によって得られた莫大の利益で産業革命の発明に投資(産業革命の芽生え)

※この詳細は次からみてください。

 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11699120576.html


→三角貿易(工場での大量生産品を輸出、中南米から製品の原材料を輸入)で資本家が増加
※この詳細は次からみてください。

 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11614525438.html

 

→資本主義社会の進展

 

→資本家と労働者階級の貧富の差などの問題からマルクスは共産主義を説く


→マルクス主義に賛同したレーニンによって社会主義国家が樹立される


→ソ連崩壊後の現在でも中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、ベトナム、ラオス、キューバ、シリア・アラブ共和国が社会主義国家として黒人奴隷貿易の影響が今なお残っています。


◎つづきは下記をクリックしてください。
 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11899683676.html


◎奴隷貿易の最初(奴隷貿易その1)から見られたい方は下記をクリックしてください。

 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11613793711.html


◎奴隷貿易が世界に与えた影響の最初(奴隷貿易その4)から見られたい方は下記をクリックしてください。

 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11644847378.html



■本ブログ全体の目次は次から見てください。
 (世界遺産、海外ドラマなどあります)

 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11076468738.html


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最後まで読んでいただきありがとうございました。