眠らないヒトはなぜたくさん食べるのか? | kyupinの日記 気が向けば更新

眠らないヒトはなぜたくさん食べるのか?

過去ログでXファイルの記事をいくつかアップしている。このテレビドラマも随分昔のものになってしまった。

主人公のモルダーが、全く眠ることがない老人を紹介していた。その老人は、すぐには気付きにくいが、普通の人とは違うと言う。

それは、普通の人より遥かに食事量が多いことだった。全く眠らない人は、何らかの栄養素を補給しないといけないらしい。

西洋人は一般に日本人より睡眠時間が短く、その理由の1つとして、摂取カロリーが日本人より遥かに多いため、そこまで眠らなくて良いと言う話がある。

この2つの話は非常に似ている。つまり、睡眠時しか生成できない何らかの物質が存在し、それは食物にも含まれているのである。

また、その物質は脳内の神経伝達物質にも関わっているため、不眠の持続により精神面の不調を来す。それはうつであったり、既に精神病を発症している人では、その精神病の悪化である。

一般に、統合失調症や双極性障害の場合、不眠は賦活的に作用し、統合失調症であれば緊張病性興奮、双極性障害であれば、躁状態を来す傾向がある。

つまり、睡眠時間が十分に保たれていると、そうでないより再発の確率は低くなる。睡眠を十分に摂ることは、すなわち治療の一部のようなものである。

睡眠を十分に摂らないため脳内の何らかの伝達物質が不足し、その結果、精神症状が悪化するという考え方は少し短絡的と思う。その理由は、その状況にない悪化もよくあるし、いかなる物質が不足するということも不確かだからである。

本当に眠らないで済む人間がいるかどうかは不明だが、細かいところで辻褄が合っているのは非常に面白い。

セロトニンは睡眠に関与しており、またうつ病にも関係が深い。眠らないとセロトニンが十分に生成できないため、うつ病を発症するという話は、ちょっと眉唾ものだと思っていた。

このソース、眠っている時しか内因性のセロトニンが生成できないというのが本当としても、不眠は短期的には賦活するのである。うつ病に断眠療法なる治療法があるほどである。

だいたい、セロトニンだけがうつ病に関与しているわけではないし、総合的に不眠が何らかの精神疾患を発症させやすいというのであればわからないでもない、くらいである。

セロトニンは極めて歴史が古く、むしろ原始的な伝達物質で、生物がまだ単細胞の時代から存在していたと言う。単剤細胞生物は、厳密に睡眠・覚醒のバイオリズムがわからないのではないかと思う。(詳しくは知らないが)

いずれにせよ、ヒトはその単細胞の時代から存在する伝達物質をまだ自由自在には扱えていないのである。

参考
Xファイル
XファイルのSleeplessと宇宙戦艦ヤマト2199
Xファイルの宇宙人にさらわれる話
ロゼレム
検体の取り違え
野茂英雄