泥沼化 | kyupinの日記 気が向けば更新

泥沼化

混沌」の続き。

入院日
家族によれば、ここ数日眠らず落ち着かなかったらしい。廊下を行ったり来たりしており、話しかけても返事もできない。行動もまとまらないため夫の依頼で入院となる。入院時は亜昏迷。

入院時処方
クロフェクトン  25mg
ヒベルナ     25mg
メイラックス   1mg
ドラール     15mg
ロヒプノール   2mg


入院日のCPKは235(軽度上昇)。バイタルサイン、CPK以外の血液所見は正常。

抗精神病薬を開始したが、今回はクロフェクトンを選んだ。その理由はこれくらいしか思いつかなかったことがある。この人は薬に弱く副作用が出やすい上に、できればうつ状態もカバーする抗精神病薬が良い。普通はセロクエルやジプレキサが良さそうに見える。しかしこの2つは前回入院で思わしくなかったので旧来の薬を試みたのである。これは現在の僕が治療したとしても、このような経過なら、非定型以外ならやはりクロフェクトンかプロピタンを選択していたと思われる。ただ、このような人にはクレミンは使わない。

入院翌日
何かわからないんですよ。体はとてもきついです。食欲もない。昨日はあまり眠れなかったという。

入院翌々日
自分がわかりませんと言う。今もはっきりしない。困惑している。

入院1週間目
何もしたくない。体はきついです。眠いですと言う。少しは動けるようになった。顔つきも入院時よりは良くなっている。今日は入浴ができたという。

10日目
眠ってばかりいます。昼は眠いです。体がきつくて何もしたくない。集中力が出ない。何もしたくないですねと言う。
アナフラニールを25mgだけ追加する。クロフェクトンは12.5mgに減量してみる。メイラックスは中止。


処方
クロフェクトン  12.5mg
アナフラニール  25mg
ヒベルナ     25mg
ドラール     15mg
ロヒプノール   2mg


入院2週間目
少しきつさが軽くなってきた。喉は渇きません。朝は起き辛いです。朝も昼も眠い。アトピーはとても良くなってきていますという。便秘をしている。ラキソベロン液を飲んでみた。今回の入院は前回のように夫が面会に来ないという。
1日だけ外泊させてみる。


外泊から帰棟時(20日目)
頬のアトピーはほぼ軽快しているように見える。家では母と食事を作りました。いつもぼーとしている。やる気がない。体のきつさは減ったけど、家ではあまり眠れなかった。
ロヒプノールからマイスリーに変更。


入院23日目
今週末3日ほど外泊したい。子供が淋しがりますのでという。体は少しだるいです。オレンジの薬は何ですか?と尋ねる。ここ3日ほど眠りにくかった。朝からが特にだるい。
ヒベルナ、ドラールを中止。ハルシオンを追加する。


クロフェクトン  12.5mg
アナフラニール  25mg
マイスリー     5mg
ハルシオン    0.25mg


入院27日目
外泊時は何もできなかった。最初は良かったんですけど。
外泊から帰って来た日、はっきり精神症状が悪化していた。「霊がついている・・」と体を震わせて泣いていた。亜昏迷になりつつあり、帰棟時に当直医によりリスパダール液を1ml投与されている。


(続く)

参考
①アトピーによる精神病状態
②混沌
③泥沼化
④死生命あり、富貴天にあり
⑤ECTによる治療と回復過程
⑥人間の秘めたるエネルギーと治癒の謎