レンドルミンとグッドミン | kyupinの日記 気が向けば更新

レンドルミンとグッドミン

レンドルミンとグッドミンは薬物的には同じものであるが、レンドルミンは先行して発売された正規品であり、グッドミンは後発品(ジェネリック)である。グッドミンはジェネリックとは言え、三菱・ウエルファーマが販売しているのでわりと正統派のジェネリックとはいえる。なんだそりゃ?だが、僕はそう思っているのだ。

この2つの薬物だが、けっこう差があるような場面に遭遇する。僕は毎週、総合病院に往診に行っているのであるが、その病院ではレンドルミンはなく、グッドミンしか置いていない。他の病院からその病院に転入院してきたとき、レンドルミンからグッドミンに切り替えるのであるが、どうもグッドミンに切り替えたとたんに、奇異反応みたいな良くない症状が改善することが多い。

それは、不機嫌、怒りっぽさ、拒絶などの症状である。

病院に転院したことによる環境の変化で良くなっているのではないかと思う人もいるかもしれない。もちろん僕は精神科医なのでその要因も考慮している。しかし、きっちり転院した瞬間に薬を切り替えることは実際はほとんどないのだ。なぜなら、前病院から薬を何週間分か持参していることが多いから。

こういう現象は、統合失調症の人とかうつ病の人ではほとんど目立たず、高齢の患者さんこそ、こういう変化が見て取れることが多い。

これをどのように考えたらよいのだろうか? 基本的に、レンドルミンは短期型であるので、ハルシオンやデパスのように健忘や奇異反応が出現してもおかしくない。それはハルシオンほどではないにせよ。あと、レンドルミンとグッドミンは製剤的に微妙に相違があるのだろうね。純度だとかあるいは血中濃度の立ち上がりなどにわずかに差異があるのかもしれない。

微妙だからこそ、眠剤に弱い、薬に敏感な老人にしか差異が認められにくいのだろう。ひょっとしたら、「レンドルミンよりグッドミンの方が効果がやや弱い」ということすらありうる。少なくとも、その病院ではグッドミンのほうがレンドルミンよりはるかに評判が良いのである。嘘みたいな話だけど。

いかんな、このブログは以前より増して主観的になってきてしまっている。僕があまりリスパダールのことを誉めないので、ちょっとだけヤンセンファーマへのリップサービスになっていたりして。

参考
リーマス
ジェネリックの考え方
デプロメールとルボックス
ロヒプノール