ジェイソンX　13日の金曜日

低予算ながら大ヒットし、もっとも有名なホラー映画のひとつになった『13日の金曜日』の第10弾。今回の舞台はとうとう宇宙へ。1作目の監督ショーン・S・カニンガムが製作総指揮を担当。

【STORY】
近未来。殺人鬼ジェイソンはクリスタルレイク研究所に捕えられていた。だがすぐに脱出を図り、殺人を繰り返す。生き残った研究所のローワンがジェイソンを超低温室に誘い込むが、2人とも冷凍保存されてしまう。そして約400年後。考古学者ロウ教授率いる研究チームは、汚染されて崩壊した地球に調査のために訪れる。彼らはクリスタルレイク研究所があった場所で冷凍保存された２人を発見し宇宙船に運び込む。ローワンの蘇生に成功した教授たちは、ローワンの反対を押し切りジェイソンを復活させてしまう…。

【REVIEW】
現時点での最終作である（リメイク除く）。

前作で死者たちによって地中に引きずり込まれ、地獄へと堕ちたはずのジェイソンだが、地獄からも舞い戻ってくるという恐ろしいパワーを発揮して物語は始まる。
しかも200人以上殺している前評判から、前作以降に何度か悪さをしていたようだ。

時は近未来。近未来といっても、今ぐらいの時代。あのクリスタルレイクの地下に研究所が設置されているらしい。
そこには全身ぐるぐる巻きにされて捕えられている我らがジェイソンの姿。
まずどうやって捕えられたのかが知りたいところではあったが、案の定あっさりと脱出。速やかに大量殺人へと移っていく。
しかし、一人の女性の手によって冷凍されてしまうのである。しかもその女性（主人公）と一緒に。

前作でヒドゥン、じゃなかったジェイソンは寄生生物であったという衝撃の事実が発覚したが、今回は完全に無視されているようだ。

時代は一気に約400年後へ。西暦2455年である。地球はどうやら環境汚染によって死の惑星となったらしい。
そこへ考古学者ロウ教授率いる研究チームが調査に訪れ、冷凍された2体を発見し宇宙船に持ち帰る。

そう。今回の舞台は宇宙！われらがジェイソンさん、とうとう宇宙へ…。ある意味、興味深い。

誰もがわかっている通り、冷凍保存されていたジェイソンは蘇る。蘇って手当たりしだいに人を殺す。
宇宙船でのエイリアン、じゃなかったジェイソンとの攻防は、おそらくネタ切れを起こしているのであろう地上の攻防に比べ新鮮ではあった。殺し方のバリエーションも増えている。

どこでも絶好調男のジェイソンは、軍人部隊もたやすく蹴散らし、宇宙船のパイロットも殺害。制御を失った宇宙船は、帰還先であった宇宙ステーションに激突。これによってジェイソンの殺した人の数は飛躍的にアップ。そしてこの作品は、殺された人間がシリーズ最高数となるのである。

むちゃなっ！

帰る場所を失った一行。ジェイソンはいまだ絶好調。脱出シャトルはトラブルで爆発するという予定調和が発生。
まさに踏んだり蹴ったりの状況でビショップ、じゃなかったKMの登場。
この作品最大の見どころであろう、ジェイソンVSKMの人間離れしたバトルである。

いったんはジェイソンを倒したかに思えたが、なぜかジェイソンは全身メタル化してパワーアップ！
こ、こいつは強そうだ。

とまあ、ここからさらにすったもんだを繰り返すのであるが、最後は男の中の男ブロッドスキー軍曹の捨て身の攻撃。
ジェイソンと2人で第2の地球？の大気圏へ突入して、ジ･エンドである。

8年ぶりの新作であったわけだが、ジェイソンはもはや何者なのかわからない。
作品ごとに都合のいい存在になっているようで、なんだか虚しさの残る作品だった。

この記事でやっと『13金』シリーズのレビュー終了。感無量。
あ、まだ『フレディVSジェイソン』があるか…。

【MARKING】
オススメ度：★★★★★★6
えげつない度：★★★★★5
次は過去へタイムスリップ？度：★★★★★★★★★9
禍々しい度：★★★★★5

【INFORMATION】
・原題：JASON X
・製作年：2001年
・製作国：アメリカ
・監督：ジェームズ・アイザック
・製作：ノエル・カニンガム、ジェームズ・アイザック
・製作総指揮：ショーン・Ｓ・カニンガム
・脚本：トッド・ファーマー
・出演：ケイン・ホッダー、レクサ・ドイグ、リサ・ライダー、チャック・キャンベル、ジョナサン・ポッツ、ピーター・メンサー、メリッサ・エイド、デヴィッド・クローネンバーグ

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