13日の金曜日 パート2
低予算ながら大ヒットし、もっとも有名なホラー映画のひとつになった『13日の金曜日 』の続編。前作から5年が経過した世界を描く。本作から「殺人鬼・ジェイソン」が登場。
【STORY】
クリスタルレイクキャンプ場の惨劇から数ヵ月後、唯一生き残ったアリスは悪夢にうなされる日々を送っていた。ある日、母親との電話を最後に、自宅に大量の血痕を残して突然姿を消す。それから5年後、再びクリスタルレイクのキャンプ場に、指導員候補生の若者達が訪れた。指導員のトレーニングを行うポールはその夜、候補生たちに5年前に起こったクリスタルレイクにまつわる怪奇談を話しはじめる。しかしその後、伝説だと思われたジェイソンが現れ候補生たちを次々と殺害する。ポールの恋人ジニーは殺人鬼から逃れ、森の中の一軒家にたどり着く。だがその家は、ジェイソンの住処で殺害されてミイラ化した夫人の首や衣服が飾られた恐怖の館だった…。
【REVIEW】
リメイク版『13日の金曜日』が2月から公開されるようなので「13金」つながりで久々に続編を紹介してみる。
前作で世界中を恐怖のどん底に陥れた？作品の続編。
唯一生還したアリスは、あの惨劇がトラウマとなり（当然だろうが）なかなか社会復帰できない様子（当然だろうが）。毎晩のように悪夢にうなされる（当然だろうが）。何か温かいものでも飲もうかと、やかんを火にかけ冷蔵庫を開けると、そこに前作でやっつけたパメラ夫人のミイラ化した生首っ！
その瞬間、何者かがアリスの口をふさいで鋭い凶器で一撃必殺！
あの恐怖が再び甦る・・・と思わせる、なかなかのスタートである。
しかしアリスを血祭りにあげた後、ご丁寧に火にかけているやかんを危険と思ったのかコンロから外してあげる無意味なやさしさを見せたシーンは不可解。
前作『13日の金曜日 』の紹介記事でも述べたが、ジェイソンはお馴染みのホッケーマスクスタイルではまだ登場しない。布袋に目のところだけ穴をあけたイケてないマスクをかぶっている。かっこいいマスク的なものが見つからなかったためと思われる。ていうか『エレファントマン』へのオマージュか。
前作は、ジェイソンを殺された母親がキャンプ指導員に復讐するという話だった。そして本作は、その殺された母親の復讐をするために甦ったジェイソンの話である。
1作目ほどインパクトが少なく、ホッケーマスクのジェイソンも登場しないということで、非常に中途半端な位置づけとして扱われることが多いようだが「13金」ファンにとっては、この作品の成功なくして、シリーズ化なし！というほど、後のシリーズが続いていくうえで重要な作品だった。
確かに、ジェイソンのあの風貌は今思えば非常に新鮮だし、マスクをとった素顔はリアルでなかなか怖い。殺し方にも工夫があり、まだまだ露出を抑えているので非常に不気味。攻撃されて若干ひるむあたりも現実感があって逆によい。
また、ジニーが車の鍵を取り出してエンジンをかけようとしたときにジェイソンが窓ごしに現れるシーン。手前でスタンバってるジェイソンの頭がフロントガラスに映り込んでしまっているあたりも、微笑ましい。
だがしかし、不死身でやりたい放題のジェイソンというイメージが定着している現在となっては、この展開はやや物足りないのかもしれない。
特殊メイクがトム・サビーニではなくなったのも残念。
ところで、ジェイソンが忍び寄ってくるときに耳にするあの不気味な効果音。シリーズを通して、迫りくる恐怖を感じさせる非常に効果的な演出である。
これは、息子のジェイソンを殺され復讐を誓った母親が息子の無念の叫びを代弁し「ママ、あいつらを殺して！」と言うセリフの「キル（kill）」と「ママ（mam）」という2つの単語に由来するそうだ。
「キル、キル、キル、キル」「ママ、ママ、ママ、ママ」という連呼が、
「キッ、キッ、キッ、キッ」「マッ、マッ、マッ、マッ」となったらしい。
ほぅ。
さあ、みんなで作品を観ながら一緒に連呼してみよう。
●過去に紹介した関連作品
『13日の金曜日
』
●リメイク版『13日の金曜日』公式サイト → こちら
【MARKING】
オススメ度：★★★★★★6
えげつない度：★★★★★★7
金的蹴りでダウンかよ度：★★★★★★★★8
禍々しい度：★★★★★★6
【INFORMATION】
・原題：FRIDAY THE 13TH Part 2
・製作年：1981年
・製作国：アメリカ
・監督：スティーブ・マイナー
・製作総指揮：トム・グルーエンバーグ
・脚本：ロン・カーツ
・特殊メイク：カール・フラートン
・出演：エイミー・スティール、ジョン・ヒューリー、ウォーリントン・ジレット、スティーブ・ダッシュ（ジェイソン素顔）、ラッセル・トッド、トム・マクブライド、エイドリアン・キング、ペッツィ・パルマー
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