「小江戸川越七福神めぐり」1月川越の街にきもの姿を増やす会 | 「小江戸川越STYLE」

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「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

 


七福神めぐりは、大体江戸時代頃から始まったもの。
元禄になると庶民の間で、正月の行事として広まっていきました。
七福神が居並ぶ宝船の絵を元旦の日に枕の下に置いて寝るといい夢が見られる、
そういう事で宝船の絵も売られていました。
いい初夢は、一富士二鷹三茄子(ナスビ)。
正月のお餅をたくさん食べたので少し体を動かそう、
みんなでわいわい七福神めぐりを楽しんでいたのでしょうね。
 

朝の9時半、川越駅東口デッキに、着物姿の人が続々と集まってきました。

2017年1月8日川越の街にきもの姿を増やす会による、

「小江戸川越七福神めぐり」。

川越の七福神めぐりは、開運、諸願成就、健康増進を願い、

市内第一番から第七番までの寺院を巡るもので、

全長6キロの行程、駅周辺から蔵の町、時の鐘、菓子屋横丁など、

小江戸の風情を楽しみながら、七福神めぐりが出来ます。

七福神めぐりであり、川越のお寺めぐり、川越散策であり、いろんな角度から楽しめるもの。

それを着物で体験となると、さらにぐっと雰囲気が高まります。

「小江戸川越七福神めぐり(霊場会公式サイト) 」
http://www.kawagoe.com/7fukujin/

第一番 毘沙門天(妙善寺)
第二番 寿老人(天然寺)
第三番 大黒天(喜多院)
第四番 恵比須天(成田山)
第五番 福禄寿神(蓮馨寺)
第六番 布袋尊(見立寺)
第七番 弁財天(妙昌寺)

七福神のご縁日は、元日~7日及び毎月1日。
(受付時間 午前9時~午後4時(法事等で受付できないこともあります))

七福神の各寺ではオリジナルグッズも販売していて、

絵馬3,000円(板(1枚)900円 ご分体各300円)

手ぬぐい各500円、切り絵 200円などがあります。

巡った記念として色紙1,000円(台紙(1枚)300円 朱印各100円)

川越style

色紙に川越のシンボル「時の鐘」をかたどった絵があり、

その上に七福神それぞれの印を押します。

各お寺をめぐり、それぞれに印を集めるというもの。

(色紙については、ご縁日は各寺院で捺印しますが、ご縁日以外の日は完成品のみの対応となります)

また、川越市内の亀屋本店、龍月にて、小江戸川越七福神オリジナル菓子も販売中です。

七福神めぐりは、巡る順番は決まっているものではなく、

川越駅から第一番から巡るコース、

本川越駅・川越市駅から第七番から巡るコース、それぞれの都合に合わせて行くことができる。

今回の七福神めぐりは、川越駅を出発し、第一番から順番に巡る行程を予定していました。

たくさん歩くイメージがあるかと思いますが、
ルートを確認して歩けば2時間ほどで全部制覇できます。

 

着物姿の集まりは周囲の目を引き、注目の的でした。

 

 

 

今回の七福神めぐりを主催したのは、

川越にもっと着物姿の人を増やして魅力的な街にしていこうと活動する

「川越の街にきもの姿を増やす会」。

昨年の夏には、氷川会館で、七夕まつりに合わせた着物の集いを開催しました。

 

 

(「氷川神社の七夕まつりに着物の集い」2016年8月7日氷川会館

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12189046367.html

川越の街にきもの姿を増やす会、会を主宰する和裁士の小杉さんは、

「着物が好きな人たちの親睦を深めるとともに、これも川越の街に着物姿を増やす一環」として毎年七福神めぐりを開催して、今年で13回目となりました。

ちなみに小杉さんは、川越市が「小江戸川越」を全国へPRしていくため、

川越市のイメージアップのために活動している民間団体及び市民を「小江戸川越観光親善大使」として委嘱している13人いるうちの一人です。

 

各地から集まった人たちは、毎年参加している人に、七夕まつりの着物のつどいに参加した人、初参加の人もいて着物姿の人がたくさん集まりました。

着物が好きだけれど、着物姿の人の輪に入っていくのは心理的ハードルが高い、そんな風に思っている人もいるでしょう。

しかし、小杉さんは、「自分が好きなように着物を着て、楽しんでもらえばいい」という考えで、

だから七福神めぐりの場でも、着物の品評など野暮なことはせず、

それぞれが思い思いの着物を着て、街を歩くことを楽しんでもらいたいという願いを籠めていました。

実際に場は和気あいあいとしたもので、お互いのスタイルやアレンジを見て参考にしたり、お互い尊重する空気が溢れています。

着物好きというのは特別な人のことではなく、着物との付き合い方は、

普段着が着物という人もいれば、着物に興味あって着てみたという人もいてそれぞれ。

参加者は、「こういう催しがあると着物で出かけるきっかけになる」と話していました。

中には、小江戸蔵里の八州亭のTAD試聴会に携わる飯島さんに、

2017年2月12日(日)ウェスタ川越の大ホールで開催される

「川越市合唱連盟創立35周年記念演奏会

グランドオペラの名合唱曲~バレエとオーケストラと共に~」に出演する山田さんの姿もありました。

川越の街の人が普通に着物に興味を持ち、こういう会に参加していく姿があることが、

今の川越の街に着物姿が増えている証のように思います。

 


(「TAD試聴会」2016年6月12日小江戸蔵里八州亭

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12168872496.html

 

川越市合唱連盟創立35周年記念演奏会

グランドオペラの名合唱曲~バレエとオーケストラと共に~」

http://www.westa-kawagoe.jp/event/detail.html?id=518

 

今年は「着物」というのが、川越のキーワードとしてさらに大きくなっていくでしょう。

川越きものの日が、8日、18日、28日の三日間に拡充され、着物姿で川越に出かける理由が広がりました。

2016年12月には、蓮馨寺できものの日5周年イベントが行われ、盛大に盛り上がったばかりです。現場には小杉さんも朝からいました。

 

 

(第1回「小江戸川越をきもので楽しむ日」2016年12月18日川越きものの日5周年記念イベント

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12230547477.html

 

川越駅を出発した着物姿の一行は、まずは第一番寺、妙善寺に向かいます。

歩きながら、着物の話しや川越の話に花が咲く。

 


 

川越駅から歩いて5分ほどで辿り着いたのが、
第一番 毘沙門天(妙善寺)

 

毘沙門天は、もともとはインドの神様で戦いの神様だった。

仏教に取り入れられてからは、守護神で多聞天とも呼ばれています。

よろい、かぶとに身を包み、左手に持っている宝塔より無量の宝物を衆生に与えて福徳を授け、

右手に持つ中国の武器、鉾で邪を払い魔を降す徳を示します。

心には勇気決断、暮らしには財という、物心ともどもの福を施す神です。

 

お寺ごとにそのお寺ならではの催しが行われているのも川越の面白いところ。

第一番の妙善寺に来たら、これを見逃せない・・・


さつまいも地蔵です。さつまいもを大事そうに抱いています。
川越のさつまいも文化の聖地ともいえるお寺。

毎年10月13日の「いもの日」には、
ここ妙善寺で、さつまいもの供養祭、いもの日まつりが行われています。

 

 

(「いもの日まつり(いも供養)」2015年10月13日妙善寺

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12089944120.html
例えば以前のいもの日には、
・イモ祈願奉納 

生イモ奉納
イモ商品奉納
・イモ供養(読経15分)・・・住職
参列者全員ご焼香
・イモ法話(30分)
法話・・・「私の人生アイラブおいも」ベーリ・ドゥエル(東京国際大学教授)
・奉納芸能(30分)
いも演芸
などが行われました。
 

一番寺を出発し、16号線沿いにある、次のお寺へ。

 

 


第二番 寿老人(天然寺)

 

 


寿老人は、中国の神様で、老人星の化身、福禄寿と同体異名であるともいわれ、
寿老人は、彦根智教寺に安置されていたもので、
長頭、長髭、右手に杖を持ち、左手に長寿のしるしの桃を持っています。
富財、子宝、諸病平癒とそのご利益は多岐にわたっていますが、
なんといっても長寿の神として信仰されています。

右手の杖には、巻物がぶら下がっていて、人の寿命が書かれていると言われています。

天然寺は、いろんな種類のおみくじがあって楽しい。


本堂横にある十三仏。


天然寺から第三番の喜多院までは、歩くと少し距離がありますが、

地元人しか知らないような畑道を進んで行く一行。

着物を着ていると街の風景の見え方も変わるようで、

古い建物を見つけると話題にしたり、まさに着物マジック。着物ならではの散策でした。

 

中院では狭山茶発祥の碑を見学し、仙波東照宮を見上げながら、

たくさんの人で賑わい喜多院へと向かいました。

第三番 大黒天(喜多院)

 

 

大黒天は古代インドの闇黒の神で、もともとはおっかない神様だった。
仏教での戦闘神です。平安以後、食を司る台所の神と崇められました。
また、日本の神大国主命を大国と混同させ、
命のご神徳を合わせ、糧食財宝が授かる神として信仰を得ました。

台所の神様と言われ、食べ物を与えてくれる神様。
大黒というのは、真っ黒になって働けば富を得られるという意味もあるようです。

 

喜多院と言えば、毎年10月の「第九の夕べ」や11月の「小江戸川越菊まつり」が定着して続いています。

川越style

 

川越style

(喜多院 小江戸川越菊まつり)

 

三番と四番は、歩いてすぐ。
第四番 恵比須天(成田山)

 

 


 

鯛を抱いた福々しい相好はなじみ深いものがあります。
恵比須の名は、外国人を意味するエビスの言葉と同一で、
本来は異郷から来臨して人々に幸福をもたらすと信じられた神様。
漁村では海の神、農村では田の神、山村では山の神、
都市では市神、福利を招く神として、商人からも深い信仰が寄せられています。

七福神は、インドと中国の神様が多いですが、恵比寿様は唯一日本の神様です。
もともとは海の神様。だから右手に竿、左手に鯛を持っています。
関西では商売の神様として崇められていますね。
大黒様は穀物・主食を与えてくださって、
恵比寿様はお魚・副食を与えてくださるという言い方もします。

 

成田山の行事ならやはり、毎月28日の蚤の市や

毎年11月の「火渡り祭り」を思い浮かべるでしょうか。

川越style

 

川越style

(成田山 火渡り祭り)

 

成田山を出発した一行は、途中、喜多院不動通りでお茶と団子休憩を挟みつつ、

立門前通りから蓮馨寺へ。
第五番 福禄寿神(蓮馨寺)

 

 


福禄寿神は、幸福、高禄、長寿の三徳を具えて、
これを人に与え、方位除災、商売繁昌、延寿福楽等のご利益を現わされる方。
尊像は右手に霊芝(れいし。さるのこしかけのこと)、左手に神亀を持たれ、
癌や脳卒中を早く治しなさい、そうすれば、福禄寿が得られますと教えています。

 

ここまでくればあと二つを残すのみ。蓮馨寺から少し歩いたところにあるのが、

第七番 弁財天(妙昌寺)。近い方にある第七番から先に訪れました。

 

 

 


(尊像は外から見えないので写真を)

弁財天様は、七福神唯一の女神で、

弁舌、芸術、財福、延寿を授ける神として、古くから、

商人や芸人などの幅広い人々の信仰を集め、運を開き、福を招く女神です。

弁財天は戦いの神様。腕が8本あっていろんな武器を持っています。
しかしこの神様は水の神でもあるんです。境内には水琴窟があります。
水のせせらぎの音から音楽の神様になったり、芸能・商売の神様にもなっている。
妙昌寺の行事と言えば、土用丑の日に行われる「ほうろく灸」が知られています。
 

七福神めぐり、最後の目的地は
菓子屋横丁近く、赤間川沿いにある見立寺。ついにゴールを迎えました。

 

 

 

第六番 布袋尊(見立寺)

布袋尊は中国唐代の禅僧で名は契此(かいし)。
小柄で太鼓腹、大きな袋を担って各地を放浪し、吉凶を占い、福を施していたといいます。
また、未来仏たる弥勒菩薩の化身ともいわれ、昔から崇められてきました。

布袋様は唯一、実在の人物です。
中国のお坊さんで契此(かいし)という方が、
恵まれない人に食べ物などを配って歩いていました。

 

見立寺では、2016年11月の「蔵と現代美術展」で会場の一つになっていました。


(「プレ・蔵と現代美術展2016」2016年11月13日(日)~23日(水・祝)

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12219553772.html

 

一番から七番までゆったりと三時間近くかけ、総勢50人で巡った七福神めぐりでした。

 

「どこか出かける時には、『そこは着物で行けるのか、行けるならぜひ来て行ってみて欲しい』」と話す小杉さん。

ここで解散となり、最後の見立寺なら菓子屋横丁も一番街も近いので、

さらに川越観光へと引き続き歩いていく人も多かった。

七寺を歩いてみると、独りよりまとまって巡った方が楽しく、

話しながら歩いていると6キロといってもあっという間。

そして、着物姿の一団で歩くことで、たくさんの人に着物を見てもらうこともでき、

自分も着てみたい、と誘われるように思った人もいたことでしょう。

着物姿が似合う街、川越。着物姿で出かけるなら、川越。

川越の街にきもの姿を増やす会は、今年も川越に着物姿を増やすために、

いろいろな催しを企画していきます。

 

「小江戸川越七福神めぐり(霊場会公式サイト) 」
http://www.kawagoe.com/7fukujin/