川越style「いもの日まつり(いも供養)」2015年10月13日妙善寺 | 「小江戸川越STYLE」

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2015年10月、川越の畑で収穫のピークを迎えていたさつま芋。

川越を川越たらしめているものと言ったら、誰もがさつま芋を思い浮かべるでしょう。

川越を代表する農産物さつま芋は、

市内数多くのお店の商品に生かされ、欠かせないものとなっている。

川越芋というのは、現在の川越市内で作られているさつま芋という範囲よりも広く、

三富(さんとめ)地域と呼ばれる、

埼玉県西部の、川越市、所沢市、狭山市、ふじみ野市、三芳町で作られるさつま芋を総称して、

川越芋と呼んでいます。旧川越藩領内で作られたさつま芋という言い方もします。

収穫真っ只中の日、一方でさつま芋に感謝を捧げる行事が今年も行われていました。

 

10月13日はサツマイモの日。
年間を通じて、さつま芋の旬の時は10月です。

 

この時季は収穫量が最も多くなり、いろいろな品種が出揃います。また、値段も安くなります。

「九里(栗)四里よりうまい十三里」の13と、

旬の10月を結びつけ、1987年に川越で全国に向け宣言したのが、10月13日「サツマイモの日」。

十三里というのは、日本橋から川越の札の辻まで十三里であることからで、

「川越甘藷は、栗よりうまい十三里(九里と四里で十三里)」と言う当時の文句が今に伝わっている。

ちなみにですが、川越のマスコットキャラクター「ときも」の誕生日は、この10月13日です。

 

(2015年5月小江戸蔵里キャラクター祭りより 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12029196291.html

 

そして、10月13日は毎年本川越駅から歩いて5分のところにある

菅原町にある妙善寺にて、「いもの日まつり(いも供養)」が行われています。

2015年10月13日、今年でなんと21回目となるお祭りは、
川越市内でさつま芋を扱うお店などの加工業者がさつま芋を供養し、

普段使うさつま芋に感謝するという恒例行事となっています。
主催:いもの日まつり実行委員会

また、10月13日前後の10月10日~10月16日の間で、

川越市内約30店の参加店が店頭に「川越いも祭の旗」を掲げ、

サツマイモクイズに答えると、後日抽選で記念品がもらえるという企画を催されていました。


ちなみに妙善寺は、小江戸川越七福神めぐりの第一番寺になっています。
市内のお寺7ヶ所を巡る全長5キロ程の行程で、
第一番 毘沙門天(妙善寺)
第二番 寿老人(天然寺)
第三番 大黒天(喜多院)
第四番 恵比須天(成田山)
第五番 福禄寿神(蓮馨寺)
第六番 布袋尊(見立寺)
第七番 弁財天(妙昌寺)

(2015年1月小江戸川越七福神めぐり妙善寺より 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11743807331.html

七福神めぐりの時に、妙善寺でさつまいも地蔵尊を目にされた方もいると思います。

あのお寺がいも供養が行われているお寺。

 

いも供養の特徴として、さつま芋を作る生産者ではなく、さつま芋を使う加工業者が中心となって行なっている点。
川越サツマイモ商品振興会が制作している

「ここが美味しいオイモ自慢のお店」というリーフレットには、

川越市内でさつま芋を使った料理やお菓子などを提供するお店がずらりと紹介されています。

・手打ちうどん岡野屋、紫いもうどん、さつまいも天うどん

・稲葉屋、いもドーナツ、芋かのこ、三色いもダンゴ

・芋十、芋十せんべい、芋十唐、まつば(黒みつ・白みつ)、その他

・いも膳、いも懐石、いも点心、いも重(いもうな重)

・いも膳一乃蔵、いも愛す(アイス)、いもケーキ、いもパイ、いもプリン

・福呂屋、鐘つき最中、生きんつば(芋、抹茶、小豆)、お豆腐ダンゴ(絹美人)

・菓匠かとう、芋万頭(芋・こし)、三色羊かん(芋・こし・抹茶)

・右門時の鐘店、いも恋(まんじゅう)、カラフルポテト(スイートポテト)

・右門一番街店、いも恋(まんじゅう)、芋おこわのお食事ができます

・えぷろん亭、さつまいもいろどり膳

・亀屋栄泉、里自慢、里土産、里乃誉、芋ようかん、一口こがね芋

・隆清堂、芋せんべい、芋まつば

・木下製餡所、芋ようかん各種、芋あん・あん各種

・くらづくり本舗、ぽくぽく、べにあかくん、芋蒸ようかん

・源氏家、栗きんとん、豆きんとん、お座敷弁当

・翠扇亭、いも釜めし、芋太郎

・おいもやさん興伸、大学いも、芋ようかん、スイートポテト

・道灌、丁稚芋、おさつパイ、芋奴、芋クリームどらやき

・東洋堂、10種類のいもせんべい、芋ちょこれーと、いもせんdeショコラ

・舟運亭戸田製麺、元祖芋うどん、芋そば、芋そうめん、

・やまや・陶路子、さつまいもミニ懐石、お抹茶、お汁粉(おさつ・もち入)

・菓匠芋乃蔵、おいものバウム、みたらし団子、ポテ蔵(ブッセ)

・紋蔵庵喜多院門前店、つばさかりん、ポテトショコラ、川越ポテト、川越ぽてとクッキー

・紋蔵庵川越店、つばさかりん、ポテトショコラ、川越ポテト、川越ぽてとクッキー

・大学いもいわた、手づくり大学いも、お芋チーズケーキ、天津甘栗

・ピストロ岡田、さつまいもプリン、二色芋のババロア

・寿庵喜多院店、小江戸姫(わりこ3段、いも天ぷら、紫芋アイス)

・小江戸蔵里、サツマイモ菓子等、川越銘菓が勢揃い

 

つい先週記事にした、「大学いも川越いわた」さんもリーフレットに掲載されているお店で、使用しているのは冒頭に掲載した川越の福原地区の戸田さんのさつま芋。


(2015年10月「大学いも川越いわた」さつま芋の甘さと蜜の甘さのハーモニー 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11620897485.html

また、戸田さんのさつま芋は東洋堂さんでも扱われるようになり、

川越芋というより川越産芋が川越で広がっていっている。

東洋堂さんはいも供養立ち上げから関わり、毎年のように参加しています。

 

川越いもを使うこれらのお店や会社が、
妙善寺にある川越さつまいも地蔵尊に商品を奉納し、さつま芋の供養をする。

地蔵尊の前の祭壇にはすでに、川越でよく見かけるさつま芋を使って商品化された菓子や麺類などが奉納されています。




(川越いも茶は最近発売されたばかりで、いも膳、小江戸川越観光協会などで販売されています。

甘みがあって芋の味がします)

 

いも供養は、オイモ奉納やオイモ供養といったことを大事にすると同時に、市民にも気兼ねなく来てさつま芋に親しんでもらういもの日まつりとしているのも特徴的。

・オイモ法話、

・奉納芸能、

・オイモ無料配布など楽しませる要素も十分。

さらに境内では焼き芋販売も毎回の恒例で、

出店しているのは、菓子屋横丁で焼き芋販売している「幸芋(さちいも)」さんです。

 

今年の新芋の紅東、紅赤、シルクスイートを焼き芋にして販売していました。

幸芋さんは菓子屋横丁には週末のみの出店ですが、

それは、焼き芋屋さんというよりさつま芋生産が本業としてあるためで、

生産者が自ら作ったさつま芋を焼き芋にして販売しているというスタイルです。

いも供養には毎回出店していて、他にも川越のイベントで見かけることがあり、

2015年10月のアースデイ・イン・川越立門前では、旧川越織物市場に出店していました。



(アースデイ・イン・川越立門前より http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11632764077.html

 

川越といえばさつま芋、そして実は、埼玉県内のさつま芋栽培の始まりは所沢市の南永井でした。

そこには「さつまいも始作地の碑」があります。
1751年に名主・吉田弥右衛門が、長男・弥左衛門に上総国志井津村(現在の千葉県市原市)まで、

芋の種を買いに行かせ、栽培を始めたそうです。

武蔵野の台地がさつま芋に最適であったことから、美味しいさつま芋が生産され、

川越の新河岸川から舟運で江戸に運ばれました。
「天保時代名物競」には”サツマイモといえば川越”と記されたほどで、

川越いもを代表する品種「紅赤」は”サツマイモの女王””幻のいも” などと言われています。

川越は昭和30年代に芋掘り観光として人気を集め、

昭和50年代にさまざまな商品に加工され普及し、今の地位を確立した。

 

いも供養、式典は13:30から始まり、司会の開会の挨拶から、実行委員長挨拶として川越サツマイモ商品振興会の戸田さんが

「いも供養は今年で21回目を無事に迎えることができました。

川越はさつま芋の産地としても栄え、毎年いも供養には大勢の方が参拝されています。

さつま芋は川越にとって伝統であり、文化であります。

これを守りながら未来に繋げさつま芋の更なる発展を願っています」と挨拶。

そしてイモ祈願奉納として、

栽培者代表からこの日の朝収穫したばかりのさつま芋「紅赤」奉納と

川越サツマイモ商品振興会からイモ商品奉納と続きます。

その後イモ供養として妙善寺住職による読経、

参列者全員によるご焼香が行われました。







さつま芋は健康食品ということで、境内に集まった一般の参拝者も健康祈願で参列できます。

さつまいも地蔵尊の列に並び線香を手向け、さつま芋を供養し健康を祈願しました。

 

さつま芋の奉納、供養が終わると、本堂内に場所を移し、住職、招待者挨拶の後、イモ法話として

ゲストを呼んでさつま芋にまつわる講演があるのも毎回の恒例。

以前は、ベーリ・ドゥエルさんによる法話「私の人生アイラブおいも」が披露されたことがあります。

今年の法話は女子栄養大学根岸由紀子教授による

「サツマイモは魅力がいっぱい!」というタイトルのお話し。


最後に奉納芸能として、根津鷹王さんによる「いも演芸」が披露されて、来場者を楽しませました。



 

今年も無事にいもの日まつりが終わり、さつま芋の奉納、供養が終わりました。

川越の畑ではさつま芋の収穫のピークが過ぎ、落ち着きを取り戻そうとしています。

川越のさつま芋文化がこれからも続いていくように、様々な人たちが支えています。

 

「いもの日まつり(いも供養)」

 

毎年10月13日 妙善寺