川越の総鎮守である氷川神社の創立は欽明天皇の即位二年(541年)、
武蔵国足立郡氷川神社(現在の大宮氷川神社)を分祀したと伝わります。
15メートルに及ぶ木製の大鳥居から境内に入る。
中央を避け一旦立ち止まり、軽く一礼してくぐります。
鳥居をくぐったら手水舎で身を清めます。
柄杓を右手に持ち、まず左手をゆすぎ、
次に左手に持ちかえて右手をゆすぎます。
柄杓を右手に持ちかえて左掌に水を注ぎ、口をゆすぐ。
そして最後にもう一度左手をゆすぎます。
お清めが済んだら神前に進み、
二礼二拍手一礼で参拝します。
たくさんの良いご縁がありますように。
境内の一角にある戌岩は安産子宝。
犬(戌)は多産と安産の象徴です。
可愛らしいこの戌岩の鼻先を撫でると子宝に恵まれ
安産になるとされています。
ここでスタンプを一つ。
巡りながらたくさんのご利益をいたたく。
さあ、次の場所の神さまに向かおう♪
境内全体、白に紅に溢れていました。
白は清浄、赤は温かさ。
まさに二つが混ざり合ったような一日でした。
4月13日(日)川越総鎮守、川越氷川神社で開催されたのが
「ご縁市」です。
1500年前から川越のこの地で、人と人を結んできた氷川神社。
川越にとって氷川神社は特別大事な場所です。
普段からご縁溢れる優しい場所ですが、
この日はいつもにもましてご縁に満ち満ちていて、
これが川越の氷川神社なんだと、全部を一度に体験できる一日となりました。
一つひとつを噛みしめるように出会った
この日のご縁は、
・おかいモノとおいしいモノ
・お神楽奉納
・日本の結婚式
・特別良縁祈願祭
・南京玉すだれ
・紙芝居上演
・縁結び玉返納式
・紋切りあそびワークショップ
・マジパンづくり
・トークショー「むすびについて」
・土玉づくり
・境内ご利益めぐり
がありました。
おいしいモノは、川越のこだわりのお店を中心に、
・cafe Matilda (パンケーキ)
・川越ベーカリー楽楽 (パン)
・tango (自家焙煎珈琲)
・toir (焼菓子)
・とうふ工房わたなべ (豆腐)
・Miles Away (ハンバーガー)
・丸文酒店 (日本酒)
・ミオ・カザロ (ハム・ソーセージ)
・氷川会館 (各種お食事・スイーツ)
おかいモノは、
・秋家香織(ガラス)
・井筒りつこ(似顔絵絵付け)
・utakata (古道具・古雑貨)
・内田有美(雑貨)
・UYUTO (アクセサリー)
・NPO川越蔵の会(リメイクスツール)
・NPO川越きもの散歩(絹石鹸・手織物・子供きもの体験)
・m.e.m (布製品)
・obidome (帯留)
・折形デザイン研究所 (張り子の絵付け体験)
・川島枝梨花(紙雑貨)
・熊谷幸治 (土器)
・こいずみ道具店 (生活道具)
・サニーサイドテラス (ベトナム雑貨)
・下中菜穂(紋切り)
・JOIE INFINIE DESIGN (手作り時計)
・SU Lab.(けん玉)
・そぼろ(ぬいぐるみ)
・西浦裕太(木工)
・はこねフローリスト (縁木)
・畑口勇人(古道具)
・panorama(ビー玉)
・はるりKINUMO (雑貨)
・矢原由布子(似顔絵消しゴムはんこ)
・四井新治(暮らしの道具)
これだけの素敵な出店者さんがよく集まったというくらい、
素敵すぎる方々が一堂に揃っていました。
これも縁。
氷川神社の縁、出店者さんが他の出店者さんを紹介してくれたりした縁、
繋がっていってここにあるご縁市。
優しい風合いの出店者さんの顔ぶれから、
氷川神社が、こうありたいと考える大事なものを感じるようでした。
手間を惜しまず手作りにこだわる出店者さん、
手間を惜しまず手作りでまもり結びなどを作る氷川神社、
同じような思いの引き寄せがあって、
偶然のような必然の結びがここにあったと思います。
優しい風が頬を撫でながら、
なによりご縁市で見られる表情が印象的でした。
出店者さん、来られているお客さんの表情。
みなさん穏やかな表情でこの特別な空間に気持ちよく浸っていて。
見ているだけで癒されるようでした。
川越蔵の会もご縁市に出店し、
11時の開始に向けて朝から準備を進めます。
伊勢型紙のポストカードにリメイクスツール、時の鐘のパズルや川越かるたなど、
まさに川越らしいものでお客さんと川越を結ぼうと頑張りました。
ご縁市が始まる前には、出店者さんが拝殿に集まって
氷川神社の、一つひとつのことをおろそかにせず大事にして祈る姿。
全部に心を込めている様子が境内に充満して、
そこでは目に見える全部が大事に思えてくる。
ふと手にしたものとのご縁、
何気なく見つけたものとのご縁、
ご縁市で過ごす一日を通して、
目の前の「今」を大事に思うことがこの催しのメッセージなんだと思いました。
長生きしてきた木々が風に揺れる音、
人が砂利を踏む音、巫女さんが鳴らす鈴の音。
落ち着いて凜とする中に、賑やかさが溢れる温かい雰囲気があります。
両者溢れる雰囲気がまさに、白と紅。
おいしいモノが集まっていたのが氷川会館の二階。
お結びにパンに、美味しくいただきました♪
川越ベーカリー楽楽さんの「縁結びあんパン」は、
パンに使用する黒米は、
お清めするために夫妻が事前に神社にお参りにきたもので作っていました。
戌岩のあと次に向かったのは、災難除け・悪病退散の八坂神社。
八坂神社は夏の例祭日にちなんでキュウリのスタンプです。
この日のため用意された「境内ご利益めぐり」は、
ご利益をたっぷりといただけるまたとない機会となりました♪
氷川神社にはご神木、戊岩のほか、多くの末社があり、
ご利益巡りは
スタンプラリーとして境内を巡りつつご利益をいただく、
楽しいお参りとなりました。
八坂神社でスタンプを押したら、境内裏手にある
盗難除け・魔除け三峰神社へ。
三峰神社のスタンプは狼でした。
次に、商売繁昌の稲荷神社、松尾神社。
そして足腰健康の子ノ権現(ねのごんげん)で押していきました。
足腰健康の子ノ権現は草履のスタンプ。
うっそうと大樹が生い茂る中、一つひとつ神社をお参りしながらスタンプを集めます。
普段なかなか見る機会のない林の中の末社。
こうしたスタンプラリーを通して、氷川神社の全部を体験できました。
ご縁市の雰囲気をより楽しく賑やかに。
舞殿でお神楽も奉納されました。
幸町の囃子連によるお神楽は、太鼓一つの音に味わいがあってとても気持ちいい。
舞も厳かで、神社の市にふさわしいお神楽です。
催しの最中の12時には「神前結婚式」が、
13時には「特別良縁祈願祭」が、
また第二日曜日なので15時から
「縁結び玉返納式」が執りおこなわれていました。
これらは普段の氷川神社で行われているものです。
ハレの舞台であるご縁市の時にも
日常のケとしての行事を大事にしてこの日両者がそこにある。
ハレとケどちらにもご縁溢れる催しがたくさん、なんとも幸せな時間でした。。。
ケとしての苗木。
ご縁市では、神前でお清めした椥(ナギ)の苗木を販売していました。
ナギは葉脈が縦に入っていて、
弁慶の力をもってしても横にちぎることができなかったという故実から
「切っても切れない=夫婦円満」の縁起物とされています。
その強い葉には男女を強く結びつける力があると信じられ、
夫婦の縁が切れぬよう、離れていてもお互いを忘れぬよう、
願いを込めて身に着けたともいわれます。
また、その他にもそれぞれが縁起のよいとされる
・柏
・楪(ユズリハ)
・南天も用意されていました。
ずっと変わらない神社が大切にしてきた植物たちです。
昔なつかしい紙芝居が上演されました。
紙芝居師じゃんぼさんの迫力ある喋りは
見る人をグイグイと引き込みます。
今回は氷川神社のご祭神でもあるスサノオノミコトが主人公の
「やまたのおろち」などを上演していました。
17時までゆっくりとした雰囲気のご縁市、
川越蔵の会のブースでは、特にポストカードが人気ありました。
そして嬉しかったのが、川越かるたを子どもが買ってくれたこと。
川越の歴史や蔵造りの建物のことなど、
川越の深いガイドブック的な蔵の会オリジナルのかるたです。
かるたが好きというより川越が好き、という子でした(*^^*)
川越のことをたくさん知りたいという将来有望な子です♪
そして、ご利益巡りもいよいよ最後。
色の力。
ご利益巡りにしても、境内でもモノにも人の表情にも、
この日たくさんの紅白に触れました。
ずっとずっと大事にされてきた紅白という色。
白色で心が洗われて、紅色で温もりが加わる、
その両者が心に必要なんだと、
改めて実感します。
巡りが終わったら巫女さんに氷川神社のスタンプを押してもらって終了です。
境内を一周する巡りで、そんなに時間のかからないものでしたが、
さまざまな神社をお参りしたあとは、
まるで各地を旅をしてきたような充実感がありました。
生まれて初めて、氷川神社内にある末社すべてのお参りをしました。
買い物だけでなく、心の充足感がご縁市にあります。
夕方になってブースの片づけを始め、
神さまへ向き直り一礼して出ていきました。
思い返すと、出て行く方はみんな明るい表情でした。
ご縁溢れる場所に浸り、
これからきっと良いことがあるはず、と
楽しみにしながら鳥居をくぐって帰る。
全身でそう思うことで良いご縁を引き寄せるのではないかと思うし、
そう思わせてくれるほど、ご縁市は縁や結びに溢れていました。
こうした催しがあると
氷川神社が身近に感じられて、
神社そのものを体いっぱいに体験できる。
これからも続いていって欲しいです♪
今、ご縁市で最も印象に残っているのは、
この日だけ行われたワークショップの「土玉作り」だったなと思います。。。
感じるものがたくさんあった。。。
土器作家の熊谷幸治さんと川越氷川神社境内の地面を掘り、
土をこねて、まるめて、ちいさな土玉をつくる。
自分のためのおまもりに、
またはご縁のしるしに、自分で作れる楽しさがありました。
気軽に参加できるワークショップですが、
胸に強く迫るものがありました。
土を掘る場所、
土をすくう道具、
土を受け止める用紙、
土を丸める水、
丸めた土を入れる器、
固まった土玉を入れる包み、
全てに意味が込められていることに気づきます。
そして、それらは全て
相手を想う気持ちから考えられたものであるとも気づきます。
神社の本質。
このワークショップから受け取ったのは、
人を想う気持ちを一つひとつ隅々まで込めることでした。
自分たちが能動的に手を使って掘り、丸めて、
自分たちの手でしるしを結べたのは貴重な体験でした。
凛として賑やかなこの催しから感じとったのは、
人を大事に想う事。
待つだけでなく自分が想う事でご縁が広がる、
そう、縁は自分の心次第なんだと、土玉から思いました。
氷川神社の真髄に触れられた一日となりました。。。
ハレのご縁市が終われば、そしてまた。
氷川神社の日常のケの風景が広がります♪
これからも人と人を結び続ける場。
良いご縁がありますように。。。