2014-04-19 12:33:58

教員の精神疾患10年で3倍・うつは企業の2.5倍-世界最低教育支出=ブラック教育が生徒も食い潰す

テーマ:その他(雑感等)
 ブラック企業被害対策弁護団代表の佐々木亮弁護士「担任が入学式を休んで我が子の入学式に出てはいけないのか?~現代版「滅私奉公」はブラック企業の始まり」と指摘しています。全面的に賛同するとともに、この際、日本の教育現場の異常な実態をあらわすいくつかのデータをクリップしておきます。

 『埼玉新聞』で、関根郁夫県教育長は県立高校の校長会で「担任がいないことに気付いた新入生や保護者から心配、不安の声が上がった」「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくりと心配りに努めてほしい」と異例の“注意”をし、江野幸一県議(刷新の会)は「担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。欠席理由を聞いた新入生たちの気持ちを考えないのか。校長の管理責任も問われる」と憤慨していると報道されています。

 しかし、そもそも「教員は市民が一般に享受する一切の市民的権利を行使する自由をもち、かつ、公職につく権利をもたなければならない。」(ILO「教員の地位に関する勧告」)というのが世界標準です。佐々木亮弁護士の指摘は当然のことですし、これが教員に限っては通らないのだとするなら、日本は世界で当たり前の教員の権利を侵害する異常な国だということを証明するだけです。

 そして、埼玉県の教育長は、「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくり」が必要だと言うのならば、現在の教育現場が本当に生徒が安心して高校生活をおくれる場になっているのかどうかをこそ問題にすべきでしょう。

世界一低い


 上のグラフは、OECDの「図表でみる教育2013年版」のデータをわかりやすくするため私が作成したグラフです。見ての通り、日本の高等教育への公財政支出はわずか0.7%とOECD30カ国の中で最低です。ノルウェー(2.6%)やデンマーク(2.4%)、フィンランド(2.2%)など北欧諸国の3分の1以下、OECD30カ国平均(1.4%)の半分しかありません。この異常に低い高等教育への公財政支出は、先進国では当たり前のきちんとした高校無償化を阻み、6人に1人という子どもの貧困の中で次のように高校生たちを苦しめています。

 ◆アルバイト代で学費や自分の生活費を稼ぐだけでなく、家計の援助もしなければならない高校生たち

 ◆100円ショップの50枚入り薬用オブラートで空腹をまぎらわす高校生たち

 ◆東京近郊の私鉄の駅前にある多目的トイレで寝泊まりする女子高生。彼女は午前6時から9時までコンビニのレジ打ち、午前10時から午後3時までファストフード店で働き、午後5時半から9時まで定時制高校の授業、その後、飲食店で深夜労働という過酷なトリプルワークをこなし学費と生活費を稼ぐ。時間がないので、駅のトイレで「1日に2時間眠れたらいい方」。

 ◆大阪の公立高校。修学旅行に行く2年生140人中、家庭の経済的事情で積立金滞納などによって20人が修学旅行を欠席。

 ――以上、過去エントリー「駅前トイレで寝泊まりするトリプルワークの女子高生、車上生活の園児、食事求め保健室に行列する小学生」からの抜粋です。こうした深刻な状況となっている子どもの貧困問題によって教育の機会均等が壊されているわけです(※参照→「日本のひとり親世帯の貧困は世界最悪、生活保護受給は世界最小、子どもの貧困を生み出す日本政府」)。教育の機会均等を破壊している現在の子どもの貧困問題の改善に尽力していないのならば、江野幸一県議(刷新の会)にこそ、「政治家の自覚、政治家の倫理観が欠如している」ということになると思います。

 一方、教員の方は以下のような状況に追い込まれています。

002


 上のグラフは、文部科学省の「教員のメンタルヘルスの現状」(2012年3月4日)からです。グラフを見てわかるように、教員の精神疾患による休職者は10年で約3倍も増えています。

003



 上のグラフ(文部科学省「教員のメンタルヘルスの現状」)にあるように、教員の精神疾患による休職者の2.84倍という増え方は、日本全体の増加に対して1.8倍と倍近いものになっているのです。

004

005


 上の2つのグラフ(文部科学省「教員のメンタルヘルスの現状」)にあるように、精神疾患以外の病休者はほぼ横ばいなのに、精神疾患が急増し、教員の病気休職者に占める精神疾患の割合は約6割にのぼっています。

 それでは、なぜ教員はこんなに精神疾患による病休者が激増してしまったのでしょうか?

006


 上のグラフは、文部科学省も客観データとして活用しているウェルリンクによる調査です。これによると、強い疲労を訴える教員は一般企業の3倍以上に及んでいるのです。

007


 そして、上のグラフにあるように、「1週間の中で休める日がない」とする教員は半数に近い43.8%で一般企業の約3倍にもなっています。こうした状況で、「児童生徒の訴えを十分に聴く余裕がない」とする教員は61.5%にも及んでいます。そして、教員の「うつ傾向」は一般企業よりも2.5倍も多くなっているのです。すでに日本の教育現場はブラック企業のような状況になっていると言っても過言ではないでしょう。

 以上、見てきたように、埼玉県の教育長が言う「生徒が安心して高校生活をスタートできる体制づくり」のためには、子どもの貧困問題を改善することと、ブラック企業のような教育現場をなくしていくことがまずもって前提条件になるということです。

(byノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)
AD
いいね!した人  |  コメント(10)  |  リブログ(0)

すくらむさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

10 ■無題

過酷なので将来の教師が育たず、子供を教育するのは誰なのか?
過酷な実態に対しセーフティーネットをしない限り改善しないでしょう。
量より質で考える問題です。

9 ■共感します!

『もの言わぬ教師づくり』は、亡国への道。

現在の教育水準がかろうじて保たれているのは、良心的な教師の過酷な仕事の成果です。

文部科学省は、教育に金を出さずに、口と手・・・時には足さえ出してる。

犠牲になるのは99%の国民の子どもたちなのではないかと、憂慮すべきことだと思います。

貴重な資料の提供に感謝します。(*^▽^*)

8 ■これを機会に。

これを機会に教員の労働環境に注目が集まって労働条件が改善してくれたら何よりです。
認められた権利を行使しただけですからね。問題はないんじゃないでしょうか。

今まで取り決めがなかったわけですし、今後は入学式などの式典の時の有給休暇の行使に対して意識が高まってくれればと思います。

7 ■「ブラック・イズ・ビューティフル(黒は美しい)」運動とはいったい何だったのだ

トンデモ和製英語「ブラック」(「ブラック企業」・「ブラック大学」など)は解き放たれ、白人英語のblackに限りなく近づき、たとえば「ブラック教育」などという意味不明な言葉も、ともかく「悪い教育」などと類推する愚か者が増えるわけだ。米国の「ブラック・イズ・ビューティフル(黒は美しい)」運動とはいったい何だったのだろう?これほどまでに“ものの見方に知性を感じさせない”言葉を日本の良識派が平気で使う理由は何なのだろう?もし日本低国民が「ブラック教育」の反対語として、「ホワイト教育」なる珍奇な言葉も使える段階にまで退化するなら、日本低国民は“名誉白人”だと堂々と宣言すれば良い。

6 ■無題

年次有給休暇は基本的に理由は問われない

繁忙期とか管理者側にとって休まれて困るのに正当な事由があれば時期変更権がある

埼玉の教員のケースでは、年次有給休暇の申請を高校側が時期変更権を行使せず認めてるってことは、入学式が出勤しなければならない正当な事由にはならないと判断したってことだね

なので、責められるとすれば休暇を認めた校長とかかな

教員には実質お咎めなしみたいだし

たまたま居合わせた県議が騒いだことと、先生が1年生の担任であってたことから話が大きくなったわけで

教員は、みなし労働だし、お客様意識ばかりが無駄に肥大化した親子を相手にする機会が多ければ精神疾患も増えるわな

教員の精神疾患と子供の貧困とは別の問題

教員の労働環境改善について教員の労働組合は何の役にも立ってないという暴露かな

5 ■無題

民間企業で自分が重要案件のプレゼンしなくちゃならない日と子ども入学式が重なったらふつうは仕事を優先しないか?

これは権利どうこういう以前に仕事に対する責任感の問題。

教師のうつがどうこう書いてあるが、そもそも教師のほとんどがまともに社会に出たことないんだから、そのいびつな集団の中で社会の人々と対峙するには精神的にまぁ弱いんだろうな。

4 ■信頼関係

信頼関係を築くには最初が肝心でしょう。担任が初日を休んだら生徒や保護者はどう思うかね。
注意は当然だし、江野幸一県議の指摘は正しいと思う。
生徒や保護者の立場に立って考えてみることが必要。
当事者意識が足りないのでは。
私はこの記事には賛同しかねます。教師が有休などの権利をしっかりと行使することは大切。
だけど入学式と卒業式だけは有休を取ってはダメだと思います。
この教師は担任の自覚、教師の倫理観が欠如している。
まあ、けしからんね。

3 ■なるほど

先生も一人の親です。
親として我が子の入学式に行くくらいで何を騒いでいるんですか。
入学式に先生がいないくらいで「不安だ」「おかしい!」なんて騒がせるような、学校の態勢・校長の指導力にこそ問題があるのです。
我が子を大事にできない教師が、なんで他人の子供を育てられますか。
「私は我が子より仕事を選ぶわ!」という人が果たしていい教師なのですか??
休みをとった先生は、休んだ分、次の日から全力で生徒達のためにがんばればいいんです。

静岡県の川勝知事も、教育に関する支出は全国最低レベルに抑えておきながら、全国学力調査において国語Aで最下位となると、「教師が最低」と言い放ちました。
私は現場の教師にも責任は大いにありますが、あまりにも教育に対する知識や思慮に乏しいリーダーの多さにこそ大きな問題があるものと思います。
筆者の意見に全面的に賛成します。
久しぶりに胸がスッとする意見を読みました。

2 ■無題

昔は教員の子どもは、結構教員になっていたが、今は成んないね~~~~。
奴隷を作る奴隷みたいな仕事になってしまったからだよ。真・善・美の体現化みたいなつもりで、教員になったら、ギャップに悩むのは当然だわ。
薄給でも理想主義的に生きられたのが、そうでなくなったら能力が高い人ほど教員になろうとしなくなるよなぁ~~~。
残るのは、ガキ相手に威張りたい奴だけ。
残念だけど、日本の沈没も、そう遠くないと、推理する。

1 ■しかし

入学式に出ない先生はおかしいなぁ

親としては不満あり

しかし教師も人の親だからいたしかたない


この記事を読み


貧困が凄まじいのは

しかし

だからと言って

労働運動や組合結成などするはずないし

国民は団結しないだろう


自分の生活自分の子供家庭のことだけで精一杯

子供逹の食事

この記事の子供逹の食事は全国の一般労組がして挙げなさい

バザーかなんかして

募金に頼らず

国民は多少同情しても

助け合いはないから

コメント投稿

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。