朝鮮王朝末期のメディカルドラマ 『済衆院』② | コワれるまで ALLORA

朝鮮王朝末期のメディカルドラマ 『済衆院』②

メディカル歴史ドラマ 病院 『済衆院』 (チェジュンウォン)(2010年)、全36話の あと3分の1といったところ。
本作は 筆 『宮廷女官チャングムの誓い』(2003年)や 馬 『馬医』 (20(Horse Doctor)12年)に比べると、時代がずっと新しいです。



済衆院
史劇ではありますが、後半になってくると衣装がずいぶん違います。

『チャングム』や『馬医』では鍼灸技術が神業のように描かれましたし、『馬医』では韓国における外科手術の黎明期が描かれます。

Time slip Dr.JIN(タイムスリップ・ドクタージン)』(韓国版 JIN -仁- 2012年)では未来の技術だった “気道切開”を、本作では主人公のファン・ジョン(パク・ヨンウ)が手術中に閃いて施すという設定になっています。

作品としては『馬医』よりも前に作られた『済衆院』ですが、そこで描かれるのは現代医療につながる西洋医学対決ビックリマーク

物語前半は、身分対決。
最下層民 白丁の(ペクチョン)ファン医生(ウィセン)と、両班の(ヤンバン )ペク・ドヤン医生(ヨン・ジョンフン)との技術対決。
周囲全員がペク医生側についてファンを迫害するのですが、ヒロインのユ・ソンナン(ハン・ヘジンラブラブ)だけは身分にこだわらずにファンを味方するという、なんとも分かりやすい構図でストーリーが進みます。

第21話でファンの身分がバレてしまい、済衆院を惨めに追われます。
済衆院
が、その後第25話で復帰します。
その出で立ちがスーツ姿で、メチャかっこよかったです。

後半、第26話で済衆院2代目院長のヘロン(リッキー・キム)が亡くなってからは、朝鮮医学界の峰 済衆院と()日本帝国の(イルボンチェグク )漢城病(ハンソン )院との医療対決となっていきます。
同時にこれは、朝鮮と日本との対立とも重なっていきます。

このあたりから 1985年の乙未事変(閔妃(ミンピ)殺害事件)、翌年の俄館播遷へ(アグァンパチョン)と、史実の事件が起こっていきます。
済衆院
(ロシア大使館内での朝鮮政府の政務風景)

このあたりは韓国の人は胸躍るかもしれませんが、私たち日本人にはあまり興味が湧かないところでしょうか。
19世紀の日本と朝鮮の動向は、あまり歴史の授業でも触れられず、むしろこの頃の日本の関心は衰退する中国と南進するロシアにありました。

で、俄館播遷が終わったあたりから、肺ガン手術などの医療対決に戻っていき、ドラマはまた面白くなっていきます。

最終章に向けて、ファン医師とドヤン医師の運命はどうなっていくのでしょうか。



     病院     病院     病院


2008年のドラマ
ワインテロワ(Terroir)ール(떼루아(テルア))』
で大好きになった
ハン・ヘジン。

本作でも
身分にとらわれずに
ファン医師を
慕っていく
ユ・ソンナンを
好演しています。

ハン・ヘジンは
本作の後、
いばらの鳥いばらの鳥(カシナム セ)
(2011年)に出演します。

すごいな~。
3作とも泣ける作品ばかりですねぇ。

もちろんこの3作以外にも色々映画やドラマに出演されているので、これからもハン・ヘジンの作品は観ていきたいと思います。