エンターテイメントとして最上級。
テーマ性として最深度。
類人猿として最強。
そして男として、最高イケメン度。
こういう映画に出会えた我々、映画愛に抱かれまくり。
ああ、これまでに観てきたあの映画やこの映画がここに集結している!
未踏の島に降り立った調査隊と軍人の一団。
彼らが遭遇する、未知の生物。
それだけで興奮するというのに!
キングコングなのだもの!
でっかいのだもの!
映画においてデカさは正義かといえば、イエスだ。
でっかくって、瞳がつぶら。
惚れてしまうのは必至。
こんなに頼もしい類人猿が他にいるか。いない。
まさに、巨神。まさに、神!
キャストは実は豪華仕様。
大好きロキ様ことトム・ヒドルストンは、特に何もしていない。
サミュエル・L・ジャクソンはゴリラに立ち向かえる、唯一の人間。
ジョン・C・ライリーが嬉しすぎる役回り!
ジョン・グッドマンが赤毛仕様なのでC・W・ニコル風。
ブリー・ラーソンってちょっと待ってください、『ルーム』のママじゃないかー!上手さに納得。
中国美女、ジン・ティエンは本当に何もしない。
グンペイ役の日本代表MIYAVIは出番以上に印象が強烈。何ですかこのイケメンは。
だがしかし、主役はキングコングである。
中の人は、テリー・ノタリーだ。
『猿の惑星:創世記』新シリーズで元ボス猿ロケットを演じた、猿のプロ。
今回もその瞳の演技が素晴らしく、特に女子は魅了されること間違いなし。
ジョーダン・ヴォート・ロバーツ監督は、33歳。
観て分かるように、映画大好きで日本製文化が大好き。
子ども時代の夢が今回、叶ったと喜ぶヒゲ男であり、その興奮が伝わる展開。
あくまでもキングコングを主眼に据える視点に、深い愛情を感じる。
しかも脚本は『ナイトクローラー』監督のダン・ギルロイと、『GODZILLA ゴジラ』のマックス・ボレンスタイン!本気だ本気。
ベトナム戦争の時代である。
だからここにはベトナム映画の傑作達、『地獄の黙示録』や『プラトーン』や『ディア・ハンター』や『フルメタル・ジャケット』がみっちり入り込んでいる。
ということが、2回観て色々と気づけて嬉しい。
現代アメリカの土台は第二次世界大戦ではなく、ベトナム戦争の失敗だと気づかされる数々。
『シン・ゴジラ』が今の日本だから作れたように、今のアメリカだから作れたキングコングだと言えるだろう。
とはいえ勿論、そんなアレコレは考えずとも。
どっぷりと島の奇々怪々な光景に驚いて。
これ、CGってマジですかと驚異の生態系に胸を躍らせていたらオッケー。
キングコングの雄姿がカッコよすぎて大笑いするも良し。
背中にシビれるも良し。
ただ、未見の方には一つだけ。
どんなに尿意に悶えようとも、エンドロールが完全に終わるまで席を立ってはいけません。
重要なお楽しみが、その後に待っています。
ここからは具体的なオマージュのネタバレを書いています。知りたくない!という方は以降はお読みにならないで下さいませ。
↓セリフ等を書いています。
↓未見の方はご注意を。
サミュエル・L・ジャクソンが発する「Hold onto your butts!」というセリフが面白くて、というのも、我流で直訳すれば「テメエのケツに齧りついてろ!」的なことなのですが、字幕では「しっかりつかまってろ!」だったように思います。
車などでのスタート時に使われる、向こうでの面白言い回しです。
これは『ジュラシック・パーク』で、サミュエル・L・ジャクソンが発したセリフと同じ。
また、若い軍人役のトーマス・マンが巻いているバンダナは『ディア・ハンター』と同じでした。
こういう遊びもウホウホじゃないですか?
2D字幕版スクリーン
KONG: SKULL ISLAND
2017年・アメリカ
監督: ジョーダン・ヴォート・ロバーツ
脚本: ダン・ギルロイ、マックス・ボレンスタイン
出演: テリー・ノタリー(キングコング)、トム・ヒドルストン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ブリー・ラーソン、ジン・ティエン、トビー・ケベル、ジョン・オーティス、コーリー・ホーキンズ、ジェイソン・ミッチェル、シェー・ウィガム、トーマス・マン、ユージン・コルデロ、マーク・エヴァン・ジャクソン、ジョン・C・ライリー、MIYAVI、リチャード・ジェンキンス
※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。