もらとりあむタマ子

 

最高。

素晴らしい。

面白すぎる。

笑って笑って、あっという間に終わっちゃった。

 

娘と父の、春夏秋冬。

 

実家に戻って来た娘と、家事一切を引き受ける父と。

私事ながら、当方は父に対してエラソウであり。

一時期、父は家事一切を引き受けていたので。

ダブりまくってツラくて苦笑。本当にすみません、父よ母よ。

 

もしかしたら、世の父娘は皆、こういう感じなのじゃないか。

と思えるくらいの、あるある状態。

そこにシビれる惹かれるたまらん!

好きすぎる!

 

 

 

娘役の前田敦子あっちゃんが最高。

歩き方からアイスの食べ方から、視線から猫背から全てがいい!

これからは好きな女優を訊かれたら、前田敦子と答えたい。

 

父親役、康すおんに萌える。

 

オーディション選抜、伊東清矢の中学生全開度も、いい!

中村久美も良くて、富田靖子の登場にハッとする世代。

 

美術がニヤニヤもので、家屋の生々しさが猛烈。

小道具に至っては、漫画の品揃えが!くらもちふさこ新井英樹って、このセンス!

 

山下敦弘監督は幾つか映画パターンがあるけれど、まさに真骨頂。

ダメ~な感じ。緩そうに見えて、突然、弾ける感じ。

『リアリズムの宿』や『苦役列車』に対し、女版として双璧を成すタマ子の誕生だ。

 

脚本がまた素敵なのだけれど、山下監督の盟友・向井康介であった。

いちいち細かい説明なんてない。それがいい。

 

 

 

娘と父が、実家の甲府スポーツで暮らす、甲府の一年。

それぞれに何があったか、端々がチラ見えるだけ。

それで十分。

 

父の作る手料理が映る。

すると、軽~くこちらの胸の温度が上がる。

そういう空気を作り出している。

 

何もせずに家にいる人間をニートではなく、モラトリアムと呼んでいく姿勢。

その前向きさ加減。

 

そうだ。

誰かが汗をかく姿ばかりが、背中を押してくれるわけではない。

ありのままのタマ子にそっと肩を突かれる、そんな嬉しさがここに。

 

 

 

映画 WOWOW

 

『もらとりあむタマ子』
2013年・日本
監督: 山下敦弘
脚本: 向井康介
美術: 安宅紀史
主題歌: 星野源
出演: 前田敦子、康すおん、伊東清矢、富田靖子、鈴木慶一、中村久美

 

 


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※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。