![$世界映画博-グリーン・ゾーン](https://stat.ameba.jp/user_images/20131127/17/kitaco127/fc/3e/j/o0180025412762817354.jpg?caw=800)
『グリーン・ゾーン』 GREEN ZONE 2010年・フランス・アメリカ・スペイン・イギリス
証拠なき裁判。
それがイラク戦争。
イラク攻撃の素、大量破壊兵器。
どこを探しても出てこない物証を追う軍人。
暴かれていくアメリカの嘘。
非常に硬質なテーマであり、実に興味深い。
というのも、今作の根本にあるのは反米である。
イラクが気の毒でならない。
そういう作りの、映画である。
根底にあるのは問題提起であり、告発だろう。
が、派手めなアクション映画の趣も多々。
そこが惜しい。
ノンフィクションの映画化。
広い層に訴えるため、ポール・グリーングラス監督はあえてエンタメ色を加味した可能性も。
とは思いつつ、やはりゴリゴリで観たかった。
脚本がシンプルで、流れもスムーズ。言葉もいい。
スペインとモロッコでのロケなのに、まるでイラクの再現度。
ただ、ずっと音楽が鳴っているので、深みが削がれてしまった。
重厚な内容に比して軽い印象になり、残念。
軍人役マット・デイモンはいつもに増して童顔。少年兵に見える。
CIA役のブレンダン・グリーソンが、サッカー元日代表監督オシムに見える。
※↓下段に写真を貼りました。
義足のイラク人役、ハリド・アブダラがとてもいい!
同監督の『ユナイテッド93』にも出ていたらしい。アラブ系の顔面見分けスキルが足りていないと反省だ。
英国人監督だから成り立つ視点。
アメリカは何と戦っているのだろうという、世界中の疑問。
劇中、大統領の映像が流れた。
アメリカは大国なのに、なぜ阿呆をリーダーに選ぶのかと疑問だったのだけれども、腑に落ちた気がする。
賢い人間にトップになられては困る。
それがアメリカ。
人の国に出かけて行ってする戦争で得られるマネー。
自国の若者を犠牲にして手にするもの。
それは少なくとも、名誉ではない。
そういう主張の映画である。
この姿勢は貴重であろう。
※↓デイモン選手をピッチに送り出すオシム監督ではありません。
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[関連作品]
マット・デイモン 『幸せへのキセキ』『コンテイジョン』『エリジウム』
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